『マグナス伯爵』とクトゥルー神話のつながり

ちょっと興味深い話が出てたので読みやすくする為のメモ代わりに作成。
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森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

ミカエルとサタンの兄弟関係(双子じゃないですよ)を示す、僕の知る限り唯一の古い資料「聖バルトロマイの福音書」について御質問をいただきましたので、回答ついでにネタTweetなど。

2013-09-23 23:44:20
森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

僕が参考にしたのは、オックスフォード大学から1924年に刊行された"The Apocryphal New Testament"に載っていた英訳です。この本の編者は、かのモンタギュー・ローズ・ジェイムズ。彼は聖書学者・古文書学者が本業で、怪奇小説を余暇に書いていました。

2013-09-23 23:46:34
森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

クトゥルー神話研究家のロバート・M・プライスも本業は聖書学者--と言いますかちょっと変わりダネの神学者ですね。

2013-09-23 23:48:16
森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

う。続きを待っていそうな人がいるのでムリに続けてみよう。M・R・ジェイムズというと吸血鬼アンソロやら何やらに収録され、キム・ニューマンの『ドラキュラ紀元』の命名録にも載っていた気がする「マグナス伯爵」が有名です。このマグナス伯爵は--

2013-09-23 23:56:07
森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

--コリン・ウィルソンの『宇宙ヴァンパイアー』を介してクトゥルー神話世界と繋がりがなくもないわけでありますが、この作品で大きな意味を持つ「コラジン」という滅びた街(元々は新約聖書で言及される地名)は、クトゥルー神話作品にも時折意味ありげに登場します。その割には--

2013-09-23 23:57:55
森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

あまり話題になることは……と書こうとしたのだけれど、ダニエル・ハームズ『エンサイクロペディア・クトゥルフ』にはちゃんと載ってますね。やるじゃん。(えらそう)

2013-09-23 23:59:26
森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

M・R・ジェイムズの「マグナス伯爵」は、手に入りやすいところだと東京創元社の『M・R・ジェイムズ怪談全集』第1巻に入ってます。 http://t.co/9W3c2Ddza1

2013-09-24 00:03:53
立花圭一 @k1Tachibana

M.R.ジェイムズの「マグナス伯爵」について補足(?)。先に話が出たロバート・M・プライス編によるケイオシアムのクトゥルー神話アンソロジー『The Cthulhu Cycle』に同作が収録されています。(続く)

2013-09-24 00:45:20
立花圭一 @k1Tachibana

(承前) その理由は『クトゥルフ神話TRPG』でコラジン(Chorazin)がクトゥルーの化身の名前として流用されたからではもちろんなくて、ラヴクラフトが「クトゥルーの呼び声」執筆の際影響を受けた作品のひとつではないか、と考えられているからです。(続く)

2013-09-24 00:51:08
立花圭一 @k1Tachibana

(承前) 「マグナス伯爵」の主人公はスウェーデンに赴いて怪異に遭遇し、自らの死を予見して文書を書き残したのですが、「クトゥルーの呼び声」の語り手も(同じ北欧の)ノルウェーに行き、ヨハンセンの手記を手に入れて、自らに迫る死を予見する事になるのですから。

2013-09-24 00:57:36
立花圭一 @k1Tachibana

『The Cthulhu Cycle』については「クトゥルーの呼び声」へのダンセイニ卿の影響を前にツイートしてまとめたのがあったので、親切な誰かがリンク貼ってくれるのを期待し私は寝ます。バタリ

2013-09-24 01:11:45
黒扇娘娘的信使 @zealotofBW

@k1Tachibana 「クトゥルーの呼び声」成立におけるダンセイニ卿の影響について http://t.co/EdULdWcEho

2013-09-24 02:03:02

コラジンについて

黒扇娘娘的信使 @zealotofBW

@k1Tachibana コラジンというと、ブライアン・ラムレイの「妖蛆の王」でも、反キリストの生誕地として名前が挙がっていましたね。

2013-09-24 01:00:14
立花圭一 @k1Tachibana

@zealotofBW むしろそれが原典>反キリストの生誕地。

2013-09-24 01:06:37
森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

@zealotofBW @k1Tachibana コラジンが反キリストの生誕地という話は、14世紀にジョン・マンデヴィル卿なる人物(おそらく偽名)の『東方旅行記』に伝聞の形で載っています。どのあたりが発祥の伝説なのか、忘れない内に調べておこう……。

2013-09-24 04:01:55
黒扇娘娘的信使 @zealotofBW

@usitoramemo ラムレイを読み返すと、妖蛆の秘密の作者のプリンがコラジンに滞在していたという設定になっているんですよね。アルハザードの無名都市滞在設定を踏まえたものだと思います。

2013-09-24 13:04:32