国連「ミレニアム開発目標」特別イベント等　実況中継

浜崎　伊南　HAMASAKI Ina @HAMASAKI_Ina

国連MDGs特別イベント等への参加でニューヨークへ。エア・カナダのフライトは可もなく不可もなく、しかし映画や音楽がそれなりの本数あるのに、一つも見たい映画、聴きたい音楽がないというのは少し悲しい。ラ＝ガーディア空港からは普通のバスと地下鉄で合計５ドル、かなり便利。

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で、今回宿泊するヴァンダービルトYMCAホステルは一泊100ドルを切るマンハッタンでは破格の安さの上、場所が２番街47丁目で、２分も歩けば国連についてしまう便利さ。今後、国連関係で訪米する際には、このホステルに限る。勿論、もっとえらい人もしくは金持ちになればその限りではないが。

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今回の国連総会は例年に比べても日本の要人の参加が多い様子。IOC総会で味を占めたのか、安倍総理も「ミレニアム開発目標」（MDGs）特別イベントやその関係で開催されるサイド・イベントにも出演する。国連でもアベノリンピクスの下で「日本推し」を進、米国と「先進国再興」の旗を振るわけだ。

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宿泊するホステルの近くにあるFedExに印刷とコピーに行ったところ、すべて自動カード決済のシステムになっておりびっくり。何をどうすればよいのかわからず、店員に頼ってしまう。機械の作動が遅く、故障かと思ってうっかりストップボタンを押してしまったり。失敗が多く金が余計にかかる。

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安倍総理が国連の一般討論演説で「女性が輝く世界」アピール http://t.co/M0N4X6PDp1 情報をどう取捨選択してこの記事になったかわからんが、最近IMFが一貫して日本に勧告しているのは労働市場への女性の進出促進。安倍政権の「女性推し」の火元は基本IMFだろう。

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午後３時から国際ワールドビジョンの国連向けオフィスでBeyond2015主催のNGO会議だが、30人ほどの出席者の殆どが欧州人。英語圏のアフリカ人すらいない状況に危機感すら覚える。これでは国連サイドもMDGs特別イベントでのNGOスピーカーの選択をNGOに任せられないのでは？

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ニューヨークはさすがに亜寒帯だけあってもうかなり涼しく、スーツを着ても丁度良いという感じ。Tシャツでも大丈夫だが、風邪をひかないようにしないと。YMCAホステルはトイレとシャワーは共有。部屋からトイレまでが遠い…。ロケーションと値段はニューヨークではベストだが。

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国連本部の第２会議室で、「持続可能な開発目標」（SDGs）に関連して、非国家主体の利害関係者（NGOを含む９つの「メジャー・グループ」）と国連総会議長、国連経済社会局（DESA）の対話会合。今回の国連総会議長はカリブ海の小島嶼国アンティーグァ・バーブーダのジョン・アッシュ大使。

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アンティーグァといえば日本語にも訳されている作家ジャメイカ・キンケイドを思い出す。「どんな種類のものであれ、主人というのは全て屑であり、どんな種類であっても奴隷というのはすべて高貴で気高い。これに関して疑問の余地はない。」（「小さな場所」）端的なコメントだが端的に正しい。

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アッシュ国連総会議長は市民社会からの質疑応答に相当熱心に答え、好感を得ていた。結果、会合の時間が相当押している。それにしても、30の政府議席で構成されるSDGs検討のオープン・ワーキング・グループに非国家主体であるメジャー・グループがどのように参画できるのか疑問は尽きない。

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と思っていたら、SDGsのオープン・ワーキング・グループ（OWG）へのメジャー・グループの参加についてまとめたプレゼン。１．OWGのセッションの各日程の朝９時から、メジャー・グループと共同議長とが会合を持つ、２．セッションにメジャー・グループの席が設置され、出席が保障される。

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このセッションでは、SDGs策定プロセスへの市民参加をネットを通じて実現するということで「私たちが望む世界」（The World We Want）の双方向ウェブ http://t.co/YIx53E4kaZ が紹介される。しかし一目見て複雑、しかも英語なのでやる気が出ない。

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オープン・ワーキング・グループの共同議長を務めるハンガリーの国連大使の退屈な説明、特に「経済成長抜きに貧困解消なし」に質問が続出。「『我々が望む世界』より前に『我々が望まない世界』について議論すべき。企業の利益独占、大国の横暴にもう我慢ならない」とのストレートな質問が喝采受ける。

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一方でこのハンガリーの国連大使は、寄せられる多くの質問にユーモアを交えて答える努力はする。国連経済社会局も真摯な態度。一応、この場には途上国の現地NGOも多い。この点では、Beyond 2015など既存のNGO枠組みはNGOの立場に甘えるのでなくもっと努力すべきだろう。

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無知な開発系市民社会関係者の一人である私はこれまで、「ポストMDGs」プロセスに着目する一方、Rio+20プロセスに位置づくSDGsの方を十分に把握していなかったが、今回のメジャー・グループの企画は、誰がどんな発想で何をやっているかの雰囲気を直接つかむ上では、よい経験となった。

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GCAPの元議長クミ・ナイドゥー氏が締め括り。期限もゴールもまともに設定されなかったMDG7、MDG8を批判、最貧国が最も過酷な代償を払っていることを指摘。市民社会はパートナーシップを維持しつつも国家や企業に挑戦し、人間の尊厳を守り続けるべきと喝破。誰を代表するのか再認識せよと。

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ナイドゥーのコメントは力強く市民社会に原則を再提示し勇気を与えるもの。しかし、それは現代の国家や企業、社会、経済が我々に強いる適応なり挑戦なり闘争なりに対して具体的な答えを与えるものではない。我々に必要なのは鼓舞ではなく、原則をどう現代に適用すべきかの具体的な方法論なのだ。

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午後の会議は国連非営利リエゾン・サービス（UN-NGLS）主催の、SDGs/ポストMDGs関係のセッション。アッシュ国連総会議長、エリアソン国連事務次長、MDGs特別イベントの共同議長のアイルランド、南アの政府代表も発言。割とハイレベル。市民社会の参加は重要云々というお経が続く。

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南アのドラミニ社会開発相は、ポスト2015目標に「共通だが差異ある責任」の考え方を反映させることが絶対に必要と主張。女性の権利について踏み込んだ発言。市民社会と政府の考え方についても、単に参加重要というお経に終わらせなかった。一定問題はあるにせよ、踏み込むこと自体は悪くない。

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UN-NGLSの発言は、先日亡くなったスリ・ランカの女性人権・平和活動家アベイセカラ氏への言及から。ポストMDGsチームはわずか６名で市民社会の参画を積極的に図ったとのこと。南アの大臣もそうだが、「貴重なご意見拝聴しました」の官僚答弁に留まらない発言があることは嬉しい。

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エジプト経済社会権利センターの発言は、国家が民主主義と人々の利益に基づいて貿易の権利を設定すべきところ、自由貿易協定がこれらの国家を破壊しており、G8や国際金融機関がこうした破壊を推進していると喝破。外国によって作られた債務に抵抗する運動はアラブ全体に広がっていると主張。

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第３世界ネットワークは、アジア太平洋地域の経済発展は民間だけでなく国家セクターによる役割が大きかったと述べると共に、この地域において民主主義と公平性の確保が今最も必要だと指摘。ポスト2015開発目標には不平等を是正するゴールが必要と述べた。また、民間セクターの野放図な導入に警告。

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NGOセッションを仕切るラテンアメリカ・カリブ海経済委員会（ECLAC）の議長は各NGOのスピーチに的確なコメントを投げる。さて、ソーシャル・ウォッチの代表は、多国籍企業の不透明性を指摘。南米は経済的不平等が最も激しい地域だが、過去10年、不平等を最も減らした地域でもあると主張。

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アイルランドの貿易・開発相は四民社会の質問への返事で多国間主義（マルチラテラリズム）の重要性について提起。それこそ市民社会が重要な役割を果たせる場だと。ECLACの議長は、ウルグアイで今、そうしているように、政府と市民社会が垣根を取り払って一緒に政策を作ることが必要とまとめる。

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第２部、ドイツのカトリック開発NGO連合MISEREORの代表は、先進国の経済の在り方を変えるうえで連帯経済の重要性を説くと同時に、近年の開発トレンドである公共・民間パートナーシップ（PPP）について、透明性を欠く資金の流れが開発のガバナンスを脅かすと提起。