佐々木弁護士の解雇特区おさらい
- ChihiroShiiji
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しかし、「解雇特区」なんて馬鹿なものできるはずあるまい、と思っていたら、安倍内閣は本気でやるらしい。何とも常識を超えたことをやらかそうとしているようだ。これは何としても阻止しないと、とんでもないことになる。
2013-10-03 19:33:04何度も言っていますが、おさらい。日本の解雇「規制」→「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」(労働契約法16条)
2013-10-03 19:33:49法律を、特に民法を少しでもかじったことがあれば、「権利濫用」という言葉を知っていると思いますが、それを労働契約の使用者からの一方的解約について定めたものが、先ほどの条文ということになりますね。
2013-10-03 19:35:09要するに、使用者に解雇権が存在することを前提として、「でも濫用はいけません」という構造になっている。なので、濫用ではない解雇はできるのが我が国の法制度。このことを国家戦略特区とか考えている人は、頭からすっとんでいるのでしょうね。いや、最初から知らないのかもしれません。
2013-10-03 19:38:02もちろん、何を解雇事由とできるかは争いがあるところですが、今は就業規則に解雇事由の記載は義務づけられていますので(労基法89条3号)、争点は、就業規則に書いたらそれに拘束されるという説(限定列挙)と、いやいやそれはあくまでも例示だよという説(例示列挙)の対立です。
2013-10-03 19:42:48実務的にはどっちも裁判例があるので、普段はそれほど意識はしませんが、たまに就業規則に書いてない解雇事由を会社が掲げている場合があり、その場合は鬼の首を取ったの如く主張するのが労働弁護士のならわしです(自分調べ)。
2013-10-03 19:44:23話がややそれましたが、解雇特区は、「権利の濫用は、これを許さない」ということをやめて、「権利の濫用は、これを許す」特区を作ろうとしているのです。
2013-10-03 19:49:19八田達夫さんは、大阪大学社会経済研究所招聘教授だそうです。何を研究されているんでしょうか。と思ってグーグル先生に尋ねたら、ウィキペディアにありました。法学者じゃないことは確かのようです。
2013-10-03 19:55:10八田さんの考える雇用社会では、「権利の濫用は、これを許す」という基本原則が成り立つのでしょうね。どんな社会を構想して、国家戦略なんて考えているのでしょうか。まさか、使用者は権利を濫用しないとか思っているんでしょうかね・・。
2013-10-03 19:57:56八田氏の文書の別紙2が特区の内容ですね。(1)~(3)まで、どれも???なのですが、まずは(2)の解雇ルールのところです。そこにはこう書いてあります。
2013-10-03 19:59:31「契約締結時に、解雇の要件・手続きを契約条項で明確化できるようにする。仮に裁判になった際に契約条項が裁判規範となることを法定する。」「→ 労働契約法第16条を明確化する特例規定として、「特区内で定めるガイドラインに適合する契約条項に基づく解雇は有効となる」ことを規定する。」
2013-10-03 20:00:19問題は矢印の後のところですね。「特区内で定めるガイドラインに適合する契約条項に基づく解雇は有効となる」の部分。これがどんな解雇でも有効となるマジックワードです。大体、ガイドラインって何だよ、法律じゃねえだろう、アホかよ、とつっこみたくなりますよね。私はアホまでは言いませんが。
2013-10-03 20:02:21たとえば、「遅刻3回」とやったら、5分の遅刻でも3回で解雇されることになります。元々契約で定めているのだからいいのだ!というのかもしれませんが、これを応用すれば過酷な労務管理が可能となります。たとえば、遅刻ではなく、「業務上のミスを3回で解雇」としたらどうでしょうか?
2013-10-03 20:11:08解雇されたくない労働者は必死にミスをしないようにしますが、人間ですから必ずミスは出ます。そのミスの大小を考えずに3回で解雇が常に有効なのですから、労働者としてはたまりません。使用者も、お気に入りの労働者にはおめこぼしをし、気に入らない奴は細々とチェックなど、色々考えられますね。
2013-10-03 20:12:58さらに、ミスをしてもサービス残業を月間30時間したらミス1回帳消し、とか、変な社内ルールを作れば・・・と思いましたが、特区では残業代も払わないでいいのでした。う~ん、なんともおそろしい。もっと別のことでミスを消すルールを作って支配が強化されますね。
2013-10-03 20:16:27多くの労働者は賃金で生活しており、労働契約をいきなり解約されると一方当事者である労働者が過酷な状況になるという点が、労働契約の特徴です。ですから、解雇はケースバイケースで判断するほかないのです。それを「契約に定めたから」という理由で「権利の濫用は、これを許す」ではまずいのです。
2013-10-03 20:23:47@ssk_ryo 解雇特区について疑問なのが、そこで働きたいという人がいるのかって事。ただ、自分が働いている地域が突然、解雇特区に指定されたり、解雇特区で働かざるをえない状況に追い込まれる人も出てくるんでしょうね。そもそも一点突破によるなし崩しが狙いだろうが、違憲立法としか思えず
2013-10-03 21:01:27弁護士も大変だな。まぁ、いつものように、初めは小さく導入し、後に拡大する手法。批判を弱めないのが肝心ですね。:雇用特区の対象者、弁護士などに限定 解雇規制を見直し :日本経済新聞 http://t.co/ExwGRKCQ70
2013-10-04 10:11:37解雇規制を見直しとか、まだ日経は言っているが、解雇規制は権利濫用法理だから、見直すっての無理だろうに。日経は本当に財界の提灯持ちだよね。まぁ、今に始まったことではないが、少なくとも正しい知識くらいもってほしいもんだ。
2013-10-04 10:14:38解雇特区は、どこか無人島を特区に指定して、そこに物好きな企業が新法人を設立して、物好きな解雇規制緩和論者が労働者として集まってやってみればいいと思うよ。
2013-10-04 10:18:35まぁ、私の経験上、解雇規制緩和とか、規制はいらないとか威勢のいいことを言っているほど、自分が解雇されると烈火のごとく怒るんだけど。
2013-10-04 10:19:06