「学ばんやつだ!弱敵!」スポスポスポ!リグレートは小型スリケン三連発射!命中を確信した! しかしその時である!「イヤーッ!」アドミラルの体が一瞬沈み込み跳躍!飛来する三連スリケンの軌道よりもわずかに上空を飛行!
2013-10-05 22:21:53恐るべきニンジャ魚雷と化したアドミラルはクロスチョップをリグレートの胸板に叩きこむ! 「何!グワーッ!?」リグレートは思わぬ打撃を胸に叩きこまれ、仰け反りながら地面をスライドして後ずさる!
2013-10-05 22:22:27アドミラルはバックフリップを決め着地!耐久力に優れた巨体ニンジャを倒すには 実際一撃では不足であることをアドミラルは手応えから感じ取っていた。 穴に落ちた敵は更に棒で叩くべし!更なる攻撃を叩き込むべくリグレートを続けざまに強襲する!
2013-10-05 22:24:41「ヌゥーッ!小賢しい真似を!」スポスポスポ!スリケン三連発射!スリケンガンの射線を掻い潜り、アドミラルは突進!背後で硬い金属音! スポスポスポ!スリケン三連発射!肩口を掠めるが命中せず!巨漢ニンジャの顎を狙ったポムポム・パンチを繰り出す!
2013-10-05 22:27:20「グワーッ!」攻撃を命中させたのはリグレートだ!彼は左のスリケンガンを最初からフェイントとして使い、 トラック衝突めいた破壊力の右フックを準備していたのである! アドミラルは視界の外からその大振りのフックをくらい、吹き飛ばされる!
2013-10-05 22:30:40KRAAAAAAAAAASH!吹き飛ばされたアドミラルは雑誌が平積みにされた書棚に叩き込まれる! 色とりどりの書籍が棚から落下し、降り注ぎ、ちぎれ飛んだページが羽毛のごとく宙を舞う!
2013-10-05 22:33:51リグレートの処刑的カカト落としが振り上げられ、振り下ろされる! しかしアドミラルの朦朧とする視界にはその光景すらもはっきりとは見えていない!巨漢ニンジャの振り下ろされるカカトが、舞い散る雑誌ページが、ぼんやりとした夢でも見るかのように映っている。ただ静かなゼンめいた光景。
2013-10-05 22:36:46無数のページが舞い散り、巨大なカカトが迫る。アドミラルの目の前に飛び散る雑誌ページ。 ぼんやりと見える視界めいっぱいに飛び散るそれは、軍事雑誌のページである。アドミラルの視線はカメラのフォーカスが合うようにそれに引き寄せられていた。 ライジングサンの意匠。旧世紀戦闘機群。
2013-10-05 22:40:10飛んでいる。飛んでいる。飛んでいる。アドミラルの脳から危険量の脳内麻薬が分泌され、 それは彼に無数の艦載機が飛び交う様を幻視させる。艦載機が空母から勇ましく発進し、敵の空母から飛びだった艦載機と戦い、撃墜し、撃墜され、或いは敵艦に攻撃を仕掛ける光景。味方の空母が攻撃を受ける光景。
2013-10-05 22:44:28「ブッダ……」彼は憤怒とも悲嘆とも感嘆ともつかぬ声で、ひしゃげたメンポの奥で呟く。更に脳内麻薬が分泌され、 今や振り下ろされるカカトは止まって見えるほどである。「許さん…許さん…」憤怒が、彼のニンジャソウルというフォージに新たな薪を、いやニトログリセリンを大量投入する!
2013-10-05 22:47:09「イィィィヤァーッ!!」アドミラルは瞬間的に跳ね起き全身のバネを使った強烈なヘッドバット! 突如塹壕から発射される噴進砲めいて放たれたそれはリグレートに反応を許さない! 避けきれず顎に直撃!「グワーッ!?」巨体が宙に浮き、タタミ10枚分ほど吹き飛ばされ仰向けに倒れる!
2013-10-05 22:49:44アドミラルのダメージは重篤である。しかし、新たなる憤怒が、使命感が彼を突き動かし、立ち上がらせる。 「二度と、二度と……」よろめきながらも構えを作る。 リグレートが跳ね起きる。顎骨に亀裂が入ったか。いずれにせよ戦闘続行は可能である。
2013-10-05 22:50:55「貴様…ちょこざいな真似をしおって!おとなしく殺されろ!」 怒り狂ったリグレートはその巨大な拳を振りかぶりながら突進! 対するアドミラルは深いダメージであり、立っているのもやっとというところである。 「イヤーッ!」巨大な拳が隕石のごとく振り下ろされる!
2013-10-05 22:52:16「クマリンコ!」対抗して繰り出されたのは渾身のチョップ!モストファンダメンタルアーツである!最小限の動きで繰り出されたそれはリグレートの左目を直撃!スコープとその下の眼球破壊!しかし巨体の勢いは止まらず!「グワーッ!」「グワーッ!」アドミラルは肩にビッグパンチを受けよろめく!
2013-10-05 22:54:04左目を失ったリグレートは敵の実力を見誤った事を後悔しながらも、更なる憤怒を元に凶暴なカラテをぶつける。 アドミラルは極めて冷静に、他人ごとのように自らが受けるダメージが最小限かつ 敵にダメージを与えられる攻撃を、自らの乏しいカラテ技巧から導きながらの反撃を積み重ねる。
2013-10-05 22:55:24いくどもその巨大な岩石のような拳が、丸太のような脚がアドミラルを捉えるが、 アドミラルはズンビーめいて決して倒れず、ダメージを受けながらも有効打を繰り出し続ける。
2013-10-05 22:55:46「貴様、貴様!いったい何者だ!?イタミ・ニンジャクランの…!?」リグレートは 自らのビッグカラテを叩きこまれながらも倒れぬ相手に対し、焦りを覚えていた。「鬼が復讐のために村を焼いた……村人は勇敢にこれをタケヤリで突いた……」 返答はなく、謎めいたモージョーを唱えるアドミラル。
2013-10-05 22:56:50致命的フックがアドミラルに迫る。アドミラルはそれをぎりぎりのところで回避し、敵の腹にカラテパンチを叩き込まんとする。しかし、その時である!リグレートはフックの勢いを殺さずにそのまま体を回しメイアルーアジコンパッソで奇襲! アドミラルはそれをガードしようと咄嗟に左腕を上げる!
2013-10-05 22:58:46丸太めいた蹴りの衝撃で大きくアドミラルの体が傾ぐ。だが見よ!アドミラルの両目に宿る闘志と狂気の炎は未だ消えず! 「当然俺は貴様の死角を狙う、これがタクティクスというやつよ!グフフ、死ぬがいい!」
2013-10-05 23:00:14リグレートは巨体に見合わぬ軽快なステップインでアドミラルの死角となった左側へ回り込み、致命的なアッパーカットでとどめを刺さんとす!
2013-10-05 23:02:24「甘し!メロンチャン!」ブル・ヘイケがベンケ・ニンジャの回転ムテキ攻撃を頭上から押さえ込んだという故事には 遠く及ばぬながらも、アドミラルはビッグアッパー拳を踏み台に小跳躍!「イヤーッ!」「グワーッ!?」強烈なアッパーの勢いを乗算した膝蹴りがリグレートの顎を直撃!粉砕!
2013-10-05 23:04:15アドミラルは後方宙返り着地を決め、更にオーバースロー投手めいて折れた左腕を鞭のごとくリグレートの顔面に叩きこむ! スパーン!「「グワーッ!」」痛烈な掌打を叩き込んだアドミラル自身も苦痛に呻く!しかし確実にリグレートの顔面には掌の最も硬い部分が直撃していた!
2013-10-05 23:05:47読者諸君に女性に思い切り平手打ちされた経験はお有りだろうか!?繊細な女性の手ですらそれなりのダメージを与えることが可能な平手打ちは、ニンジャによって繰り出されれば重大なダメージを与えるものになりうるのだ!
2013-10-05 23:06:42「アバッ……」この掌打がもたらしたのは、更なる追撃チャンスである! 顔面を強かに打たれたリグレートは一瞬ではあるが視界を失い、敵の姿を見失うこととなる。 つまりニンジャのイクサにおいては次の攻撃をノーガードで受けることとなり、より致命的なダメージを受ける可能性は実際高い!
2013-10-05 23:08:20リグレートは己のニンジャ回復力をフル回転させる。左だ。敵は完全に潰した左目の方から攻撃を仕掛けてくる。 「サーペントの暗号」。自分ならばそうするだろう。左。舞い散る雑誌のページ。 その向こう側にアドミラルの影は見えず。敵はどこに!?
2013-10-05 23:09:44