日本線維筋痛症学会第5回学術集会(2013.10.4~5)

表記学術集会について、日本線維筋痛症学会会長宮岡等先生と、鈴木映二先生の呟きをまとめました。
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宮岡等:大学病院を定年退職した精神科医です。 @Paratheraps

日本線維筋痛症学会第5回学術集会市民公開講座、繰り返しのご案内です。今回は横浜ですが、今後各地で開催できるように提案したいと思います。 http://t.co/3dlbMEqYQ5

2013-09-22 10:19:44
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宮岡等:大学病院を定年退職した精神科医です。 @Paratheraps

日本線維筋痛症学会第5回学術集会を明日と明後日、横浜で開催します。痛み全般に関する問題を広くとりあげていますので、時間のある方はぜひご参加ください。以下でプログラムをみていただけます。http://t.co/NcFI45wPVa

2013-10-04 05:50:34
宮岡等:大学病院を定年退職した精神科医です。 @Paratheraps

線維筋痛症学会「エチゾラムの適切な用い方」終了、鈴木映二、松本俊彦両先生の説得力あるお話でした。身体医の、もちろん精神科医もですが、デパスの安易な使用が少しでも減ることを願っています。

2013-10-06 13:02:04
宮岡等:大学病院を定年退職した精神科医です。 @Paratheraps

この規模の学会の朝一番のプログラムに、あれだけ多くの方が来てくださったということは、気にしている医師が少なくないということでしょう。

2013-10-06 13:02:14
鈴木映二 @suzuki_seishink

今日は繊維筋痛症学会(会長宮岡等北里大学主任教授)に参加して、松本俊彦先生のお話を聞いて大変勉強になりましたので、復習を兼ねて呟かせていただきます。テーマはエチゾラム(デパスなど)という抗不安薬・催眠薬についてです。まず、この薬は日本の薬物依存の原因として長い間第3位の地位を確保

2013-10-06 19:25:57
鈴木映二 @suzuki_seishink

エチゾラム(デパスなど)の処方はおよそ75%が精神科医であるが、他科の医師も30%以上処方している。足して100%を超えるのは、複数の科で処方してもらっている人がいるから。依存症の人の間では、エチゾラムのように短時間型の物は人気(?)らしい。

2013-10-06 19:28:55
鈴木映二 @suzuki_seishink

エチゾラム(デパスなど)の処方状況を調査すると、処方が切れる前に新たに処方されることが多い。つまり処方が被っている、過剰処方となっているという事。また、本人が診察を受けずに処方してもらってしまうケースも目立つらしい。

2013-10-06 19:31:49
鈴木映二 @suzuki_seishink

エチゾラム(デパスなど)は、適応症が広い。例えば不安、抑うつ、不眠に加え、頭痛や腰痛などでも処方可能である。そのため、複数の施設から処方されてしまうことが珍しくないが、その組み合わせとしては内科と整形外科とのこと。なぜなら法的にエチゾラムは向精神薬に分類されていないから。

2013-10-06 19:34:24
鈴木映二 @suzuki_seishink

エチゾラム(デパスなど)の落とし穴は、向精神薬に指定されていないことにある。科学的には、他の抗不安薬と差はないのであるが、構造式が他と少し違うせいか、通常の薬の扱いになる。そのために、精神科医以外が気軽に処方しやすく長期(一月以上)処方も可能になっている。

2013-10-06 19:36:09
鈴木映二 @suzuki_seishink

エチゾラム(デパスなど)の場合は、さらに数多くの後発品がある。おそらくは精神科医でも覚えきれないくらいの商品名があるので、他の医師の処方を見ても、それがエチゾラムだと気が付かずにおねじ薬を出してしまうことが珍しくない。このようにして大量のエチゾラムを長期に服用する人が出てくる。

2013-10-06 19:38:05
鈴木映二 @suzuki_seishink

やはり、慢性の疼痛に関しては、薬だけに頼らず、ストレスを見直すことや精神療法的な治療を受けることを怠らない方がよさそうです。エチゾラム(デパスなど)に限らず、消炎鎮痛薬であって、使用するうちに効果が薄れてくるので、そうなる前に、様々な取り組みをしていくべきだとのことです。

2013-10-06 19:42:29
鈴木映二 @suzuki_seishink

繊維筋痛症は、最近話題となっている慢性疼痛疾患です。都合で学会を中座してしまいましたので、以後は抄録(学会の発表原稿のまとめ)を見ながら呟きます。この疾患は、精神科以外では珍しく客観的な所見を伴わない自覚症状のみで診断される疾患で、2~7%の人がかかるそうです。

2013-10-06 19:45:14
鈴木映二 @suzuki_seishink

東京医科大の西岡先生によると、他の神経因性疼痛と非常に似通っていることや、レストレスレッグ(ムズムズ足)症候群などの神経内科的疾患の症状を合併する人が多いそうです。北里大学の宮岡教授によると、保健医療制度や過剰診断などの社会問題とも関連した疾患のようです。

2013-10-06 19:48:42
鈴木映二 @suzuki_seishink

繊維筋痛症は北里大学の宮岡教授によると、患者さんは診断がつくことで社会的な保障も受けられ適切な治療に結びつくものの、製薬会社などの働き掛けによる過剰診断がなされると、薬の過剰投与や社会保障が本来必要のない人にまでされたりする問題が発生する可能性があるようです。

2013-10-06 19:51:22
鈴木映二 @suzuki_seishink

国立精神神経センターの堀越先生によると、繊維筋痛症は女性に圧倒的に多く発症し、時には生活機能も侵されるという事です。そして、不眠、頭痛、過敏性大腸障害、顎関節症など様々な合併症があり、3割近くは認知機能の低下や不安などのメンタルな問題を抱えているそうです。

2013-10-06 19:54:11
鈴木映二 @suzuki_seishink

堀越先生のお話の続きとして、繊維筋痛症の治療においては、実際の痛みと苦悩(認知的な面)をしっかり区別し、前者にはリラクゼーション法や身体感覚暴露などの痛みのマネージメントを、後者に関しては症状によって破局的な考えに至らないように支える事が大切なのだそうです。

2013-10-06 19:57:25
鈴木映二 @suzuki_seishink

繊維筋痛症について、尼崎中央病院整形外科の三木先生によると、客観的な指標の無い疾患であるが、脳脊髄液という体液部分にサブスタンスPという神経伝達物質が増加していたり、セロトニンの減少を示唆する所見が見つかっているそうです。治療は薬だけでなく運動療法が大切だとおっしゃっています。

2013-10-06 19:59:52
鈴木映二 @suzuki_seishink

北里大学の井上先生によると、子供の身体的訴えに関しては、症状の経過だけでなく日常生活の回復の経過に医師は目を向けるべきであると忠告しています。もし繊維筋痛症が過剰診断であった場合、終わりのない治療の渦に患児だけでなく家族や治療者さえも巻き込まれると警告しています。

2013-10-06 20:02:52
鈴木映二 @suzuki_seishink

行岡病院の行岡先生によると、繊維筋痛症の約90%に睡眠障害が認められるそうです。浅い目覚めのすっきりしない睡眠が特徴だとのことです。繊維筋痛症の睡眠障害にはセロトニンの欠乏が関係しているらしいということですが、残念ながら決め手となる治療方法は確立していないようです。

2013-10-06 20:06:01
鈴木映二 @suzuki_seishink

横浜市立大学の横田先生によると、若年性の繊維筋痛症は、小学高学年から中学1~2年生にかけて多く発症するそうです。そして、約80%は登校できないくらいの痛みを訴えるそうです。発症前はよい子で完ぺき主義、潔癖主義などの性格の子が多く、過剰なストレスが発症のきっかけになるそうです。

2013-10-06 20:09:59
宮岡等:大学病院を定年退職した精神科医です。 @Paratheraps

10月5,6日に開催しました日本線維筋痛症学会第5回学術集会、はじめの予想よりはるかに多くの方に参加していただき無事終了しました。私としては有意義な議論ができた楽しい学会でした。ご協力ありがとうございました。

2013-10-07 09:34:33