国内ゲーム文化史メモ:遊演体系/ホビーデータ系/コスモエンジニアリング系

日本の大規模参加型ゲーム、特にプレイ・バイ・メイル(PBM)やプレイ・バイ・ウェブ(PBW)は、海外のMUD,MOO,MMORPGなどともやや異なる独特の文化を作っています。 しかし、実際2013年時点でアクティヴなPBWがどういう沿革の末に運営されているのか、ちょっとよくわかっていませんでした。 2013年10月11日に飲み会でしゃべっていて気になったことを、翌日朝に調べてみたメモです。
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坂東真紅郎 @sinkurou

まあ、需要があるんなら「かって、日本にはメイルゲームというジャンルがあった」ではじまる薄い本とか作ってもいいが、たぶん苦労する割にそんなに売れない

2013-10-12 23:45:00
坂東真紅郎 @sinkurou

ああ、そりゃきますわね。なにせわし、「(遊演体の)ネットゲームというジャンル1つ潰した首魁」と罵られたことありますからw>どこぞのブログで RT @shakeeach @sinkurou そのうえイチャモンとか難癖とかがどっとやってきそうで。

2013-10-12 23:47:35
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

@sinkurou 資料をご紹介頂きありがとうございます、勉強になります。1985年ごろからの企画概要が年代順にあるのですね。当初気になったのは“各社ごと”の資料でしたが、ここの情報を元に各社の流れを再構成すると、求めていたものがうっすら見えてきそうです。

2013-10-13 03:45:53
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@sinkurou 今回あんな呟きをしていましたのは、現在のトミーウォーカーおよびクラウドゲート(旧テラネッツ)の大元の企画会社だったと目される札幌企業・コスモエンジニアリングの情報が、噂話程度にしかないという気づきから始まってました。1980s-92までの活動情報がないのです。

2013-10-13 04:09:52
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@sinkurou 旧テラネッツの創立メンバーとされる寺岡敏明氏(近年SNS事業に関与してからの活動動向が不明?)や、現在の各社の古株スタッフなどに話を伺えばその辺りは整理できるのかもしれませんが、それを探査する興味本位以上の重大な意義が見込めないと、中々遂行しづらいですね……。

2013-10-13 04:13:44
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そういえば、フライング・バッファロー社が、T&Tを生み出す前はウォーゲーム系PBM企業だったことをすっかり忘れかけていたよ。

2013-10-13 05:02:16
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ざっくり:1960年代からハワイのヲタク海軍士官リック・ルーミスがアバロンヒル社のウォーゲームを郵便で遊んでいた。1970年にNuclear DestructionというPBMを開発。これがフライングバッファロー社設立につながる(※それ以前はディプロマシーのPBM的運用が主流)。

2013-10-13 05:07:36
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ディプロマシー発売は1959年。その後1961年、物理学者ジャック・メルトン・ボードマンPBM的なディプロマシーの遊び方を考案とのこと(※これは英語版Wikipedia情報なので要検証)。空飛ぶバッファロー社については手元に文献があるので追証できる。

2013-10-13 05:12:38
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ともあれ、(1) 郵便チェスでない近代ゲーム的な文脈でのPBMの発祥は1961年頃ディプロマシーを契機として行われ、(2) 1960s-70sにはフライングバッファロー社などウォーゲーム系PBMでビジネスを展開する者が続出、(3)1976年にはすでにStarwebが登場。

2013-10-13 05:14:19
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(4) 1980s中盤の日本では、当初Starweb http://t.co/EChmuBFnoC 日本語版が紹介される(※Starwebは、米国系のゲーム賞を何度も獲ってる老舗PBeMという理解でよさげ)。(4) 1986-88の間に国内商業PBMの動きが始まる。

2013-10-13 05:21:07
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海外PBM/PBeM(特にFlying Buffaloのルーミス的な展開手法)は1980s前半にはすでに確立していたという事実が確認できた。日本にそれがどのように紹介されたかはまだ不明。1975-1988の間においてPBM/PBeM的なものの日本への紹介の流れがわかると良い。

2013-10-13 05:24:47
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

それはそれとして、ネットゲーム88を契機に「日本的PBM」の流れ{遊演体系,ホビーデータ系,コスモエンジニアリング系を軸に、その他M2、P.A.S.、エーアイ・スクウェア、K&J企画、野猿堂、GODDESSなど}ができて、1988-2003くらいまではPB"M"が在ったと。

2013-10-13 05:28:57
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(※個人的には、『番長学園!!』も、個人的にはRPGシステムというよりも、RPGマガジン上で行われた読者参加企画というイメージのほうが強くて、あれはPBMと呼ぶべきなのか単なる雑誌企画と呼ぶべきなのか分類が難しい。)

2013-10-13 05:31:14
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で、たぶん、遊演体がネットゲーム98『星空までは何マイル?』を終え、トミーウォーカーが旧テラネッツから分離独立した1998年が多分第一の“日本的PBM”の時代の区切りで、ホビーデータ廃業(2003年)をはさみつつ「日本的PBW」に遷移していったのが1998-2013なのかな。

2013-10-13 05:33:36
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A.海外PBM/PBeM発展期(1961-1986)、B.PBMスタイルの輸入紹介と日本的PBM発展期(1980s−1998)、C.PBMの曲がり角とPBW事業への段階的遷移期(1998-現在) ということで、1960s-2010sのスパンでゲーム文化史を眺めるとよさげ。

2013-10-13 05:35:39
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たぶん、海外PBM/PBeMの話って、海外での情報社会論/コミュニケーション論/社会学の文脈ではむしろ「MUD(マルチユーザーダンジョン)」でのコミュニティ形成の話や、ハビタットやセカンドライフでのユーザ行動研究の話に行きがちなんですよね。

2013-10-13 05:37:06
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

シェリー・タークル『接続された心』とか、ジャネット・マレー『デジタル・ストーリーテリング』とかでそういう文脈が紹介されていますが、それの日本的展開として1980s後半を振り返ると、まだパソコン通信がそこまで成熟していなかった時代のコミュニティ形成過程として対比されるのかも。

2013-10-13 05:38:54
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でも一方で1980s後半は既にFRPGなど、パソコン通信とゲーム文化の接近もすでにありましたね。「頑張ればオフ会ができるくらいの国土」とか、「日本国内限定での高度な郵送インフラ」とか、「それらを前提としたコミュニティ形成」とか、そういうものを改めて浮き彫りにすることになるのかな。

2013-10-13 05:40:39
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ある文化について研究がされる際、「そのフィールドを調査することによって、何が理論的貢献(contribution for theory)となるか」という見込みがなければ単なる物見遊山で終わってしまうわけですが、そこがもっとクッキリ見えればいいのだけれども。

2013-10-13 05:42:34
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

MUDMOOを通じて語られてきた古いcontributionが、日本的PBM/PBeM/PBWの動向を全然違って見える」という話は、もしかしたらできるのかもしれない。ただし、そう言い切れるまでにはきちんとしたreviewが必要。

2013-10-13 05:46:36
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

まあ、本当にモダンなゲームデザイン文化って、基本的にはアヴァロンヒルが元気にゲームを売り始めてから初めて途切れなく続いているんだなあということを改めて認識させられます。それ以前もモノポリーとかはあるけど、1920s-1950sまでは断続的。

2013-10-13 05:58:21
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

ずっとアメリカが強かったわけじゃなくて、各国でも独自の流れはあれど、基本的には日米間の動きを追うとわかりやすいのは致し方ない。ドイツゲームの流れについては、昨今はこちらに大変詳しい批評的解説が出た。http://t.co/X6AK1ly009

2013-10-13 06:01:21
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

19世紀にも『ルド』 http://t.co/RcsEYcL275 などのゲーム販売があったけど、今みたいに毎年新作が……みたいなカルチャーを前提に出ているものではないからなあ。

2013-10-13 06:04:03