『感染症内科版TBL』気になったところまとめ
高尿酸血症
無症状の高尿酸血症は治療不要。治療をしても、してなくても予後は変わらない。(Kelly's Textbook of Rheumatology 8th ed.)
2013-10-05 17:24:26アロプリノールはDIHS(Drug-induced hypersensitivity syndrome)を起こしやすい。予後不変なのに無症候高尿酸血症を治療してDHISを巻き起こすなど言語道断。
2013-10-05 17:25:51リウマチ性多発筋痛症のご老人(89)
例えば89歳PMRの患者さんを教科書通りに側頭動脈生検・上下部内視鏡して、ステロイドを入れることに意味があるのか考える。医師がポンポンとオーダーする検査のために患者さんは大きな苦痛を被る。検査や治療薬の副作用があるので患者個別に天秤にかける必要があると。
2013-10-05 17:31:14検査や治療しないでもし「なにか」あったらどうしよう…というのは患者さんのためというより自分の不安のため。自分が心配だからっていう理由で行動を起こして、本当によい結果をもたらすのかを考えない場合もあるだろう。
2013-10-05 17:36:25やらない選択肢とやる選択肢があるとき、やる方がいいんじゃないかと考えがち(Do-ismという)。しかし、"アクションをとらないことと、アクションをとることは等価にリスクである"。
2013-10-05 17:36:31そもそも89歳の"生命予後にどういう風に意味があるのか。そもそも89歳まで今まで頑張って生きてきた人が、あと何年間これ以上生きなきゃいけないの。どのくらいの命をぼくらはその人に期待しなきゃいけないの。長生きというのは大きな価値なんだけど、どこまで長生きすれば許してもらえるの"
2013-10-05 17:39:29教科書どおりに治療するというよりも、患者さんの訴え次第ってことかね。なるたけ長生きしたいのか、まず痛みをとってほしいのか、何の病気かわからないのが怖いのか。30歳だと話は別かもだが、90歳くらいだと「孫の結婚式まではなんとか」とかフレキシブルに考えないといけない面が多そう。
2013-10-05 17:45:25この89歳のPMRに対し全力で教科書に下部内視鏡検査するぞ!とかいって大腸ぶちぬくより、アセトアミノフェンで痛みをとってあげるだけのほうが結果的にいいこともある("引き算の医療")。大腸穿孔させなくても、高齢の内視鏡はそれだけで体を弱らせる。天秤にかけなくてはいけないね。
2013-10-05 17:50:57ちなみに大腸内視鏡検査では0.2%の割合で穿孔が起きる(生検を行えば0.6%)(Management of complications of colonoscopy-Surgical Treatment-NCBI Bookshelf [cited 2012 Sep 20])
2013-10-05 17:56:20"医者というのは、問題先送りはない"、"「両論どっちもどっち」とか、「それぞれ言い分はあるよね」とか、そういうことは許されず、どっちかに決めないといけない”。
2013-10-05 18:01:12髄膜炎を疑ったら
jolt accentuationは感度90%以上を見込まれているので、手軽だし、頭痛を訴える人に進んでやる価値がある。Kernigや項部硬直はせいぜい感度6割ってところ。
2013-10-05 18:14:13髄膜炎を疑ったら、まずjoltをやったほうがいい。あと眼底を見るのも忘れない(乳頭浮腫)。また、肺炎球菌や髄膜炎菌のような特殊な髄膜炎には足首・手首に点状出血が起こることがある。
2013-10-05 18:15:16リンパ節の腫脹
首の診察法:顎下(顎下腺を触れる)→前頸部(胸鎖乳突筋の前。細菌性咽頭炎でよくリンパ節腫脹)→甲状腺→後頭部(胸鎖乳突筋の後。伝単ではよくここのリンパ節腫脹が起こる)。首をコンパートメントに分けて考えると見逃しが少ない。
2013-10-05 18:17:20PubMed
PubMedには「Clinical Queries」というのがあります。治療、診断、予後など知りたい内容を指定して、病名をうちこめばスタディを一覧にだしてくれる。BroadとNarrowにわけて検索できる。
2013-10-08 07:41:09感度、特異度、尤度比
検査をすることでいったい何が患者さんに得られるのか。大事なのは「患者さんに得られるか」であって、医者が情報を得るという目線で考えたらだめ。
2013-10-08 07:42:09ある検査をしたときに、その検査によってその病気がどれくらい「ある」とか、どれくらい「ない」とかいうことを決めてくれるのが尤度比。
2013-10-08 07:43:09