大罪大戦WoS:第一戦闘フェイズ【第二の扉】

第二の扉 紅の傲慢【 @nigayuki_sin_k 】 対するは 黒の怠惰【 @sin_meiji 】 演者よ踊り、紡げ
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紅の傲慢(アオマン) @nigayuki_sin_k

心臓や首の骨や脳など、一度壊れたら二度と機能しなくなる部位においてはいずれも死が確約だ。今のは、危なかった。 「俺は勝利に愛されている」 大きく一歩を踏み出し両側から平手を放つ。狙いは頭。脳震盪というものがこの者にもあるのか、少し悩んだ。 「この俺が、勝ち、獲る……ッ!」

2013-10-11 11:25:42
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

「その愚かな幻想を打ち砕いてやる」 男でも女でもないただの石像の自分が相手で残念だったのかもしれない。 黒の罪たちには見せたことのない必死な声も、こんなものが自分から出ることに驚いてしまう。 長く罪として在った筈なのにまだ、知らないことに出会えて。 「貴公には感謝しよう」

2013-10-11 12:51:29
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

勝負を急いでいるような傲慢に気づいたら、そこに付け込むまで。 「残念だったな、わたしは死に見放されている」 リーチの差も圧倒的に不利、だとしても撃ち込まなければならない拳がある。 石の重み、見送った罪たちの歴史、創造主の残したもの、若い罪との約束。 「帰る場所が見えている」

2013-10-11 13:03:27
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

回避行動は取らない、龍の時と同様に頭部を犠牲にしながら両拳をそろえ傲慢の胸部へと突き上げた。 体重をかける脚にも罅は入り、剣で傷つけられた所から崩壊の音は止まらない。 それでも、時間をかけるの止めて勝負に出たのはこの傲慢に、暑苦しい想いに引きずられたから。 全く自分らしくない。

2013-10-11 13:07:59
紅の傲慢(アオマン) @nigayuki_sin_k

頭部を壊す直前に突きの動作に入っていたなら、地走りの足払いで、左手のみを頭部に叩き付け、同時に足に攻撃を仕掛けることも、さらに体の捻りで回避まで可能だった。頭部を犠牲にする決心が、それをさせなかった。頭部を破壊してから、突きを視認する。ああ、今までに見た事が無い類だ。

2013-10-11 13:28:52
紅の傲慢(アオマン) @nigayuki_sin_k

血を噴いて胸板が裂ける。 「ハッハ、死ぬとでも?まだ、諦めてはいない」 ふむ、と呟いた。 「だがもう命が尽きる」 だから。

2013-10-11 13:58:52
紅の傲慢(アオマン) @nigayuki_sin_k

「怠惰ァ!褒めてつかわす。この『傲慢』を討ち取れてさぞ気分が良かろう。だが覚えていろ、紅の大罪はお前を殺す。絶対に、お前を殺す。殺すッ殺すッ殺す……生きて黒の世を拝めると思うなァ!……最後に。いい戦争であった」 仰向けに倒れ、目を閉じて、眠った。いや、死んだ。

2013-10-11 13:59:00
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

頭部を犠牲にした効果は確かにあったが代償も大きかった。 重い平手を受けて顔面にも罅が入る、生物だったのなら恐らく潰されていただろう強さは傲慢の想いをそのままぶつけられたかのよう。 代わりに打ち込んだのも、怠惰の、黒の罪の重み。 立てていたのは、自分だけだった。

2013-10-11 21:22:54
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

「貴公はどこまでも、傲慢である」 罪を倒して気分など良いわけが無いのに何を言うのだこの男は。 「一応覚えておこう、黒とて同じこと」 「紅を全て滅ぼすまで、止まらないのだ」 「黒の為に死すならそれも、良い」 「わたしは……――」

2013-10-11 21:27:01
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

ただ、この狭間で知らない感情が確かに芽生えたことだけは理解出来た。 力をぶつけあうことの面白さ、駆け引き、そして生を掛けること。 自身の身体が死ぬかもしれないという可能性。 「わたしの相手が貴公でよかったと思う、紅《アカ》き傲慢よ」

2013-10-11 21:31:32
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

名前を聞き忘れている、問いかけようとしてもう聞こえる音は自分の罅が広がる軋みだけだと気がつく。 「――楽しかった」 動くことがこんなにも満足感を齎すなんて、今までの自分《怠惰》なら認めなかっただろう。 思考を覆せるのもまた罪だけなのだと知る喜びに張り詰めていた肩の息を抜いた。

2013-10-11 21:34:49