大罪大戦WoS:第一戦闘フェイズ【第二の扉】

第二の扉 紅の傲慢【 @nigayuki_sin_k 】 対するは 黒の怠惰【 @sin_meiji 】 演者よ踊り、紡げ
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紅の傲慢(アオマン) @nigayuki_sin_k

一度しか選べない選択。 斬るか、守るか。 白兵戦はその連続で命を繋ぐ。 命を繋ぐことを、当然優先する。 だから、守る。 ……が、この敵は知覚し辛い。ゆえに、斬る以外の選択肢は選びようが無かった。背を向けたのは致命的である。

2013-10-10 17:33:42
紅の傲慢(アオマン) @nigayuki_sin_k

地面を体が転がる。何があったか、分からない。肩甲骨が両方砕けてるのは、分かる。背骨も折れてしまったらしい。鼻から、口から、涙腺から血が出ているのも、分かる。 分かるのは、もう剣は握れないということか。気合いでどうこうする性質でもない。 ……あるのはただ、『傲慢』としての面子だ。

2013-10-10 17:36:22
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

男の右手が尾を固定していたのが幸いだった、互いに動けぬのなら質量が多いほうが物理的に優位に働く。 地に転がる男の顔の側に、龍の頭が目を細めて見つめていた。 「帰るのだろう?」 頭も前足の片方も無い龍は後ろから問いかける。

2013-10-10 17:49:43
紅の傲慢(アオマン) @nigayuki_sin_k

『一撃』受ければ、幕だ。 その前に、『仕留める』。 全身にありったけの電気を流す。 立て―背骨の折れたのは筋力の強化で補強。戦闘終了で破棄が必須の損耗を胴体に知覚。―肩甲骨の破損を肩甲骨の破片が肉内部を掻き回すことを前提に酷使――いける……!! 「勝って帰る。それが、傲慢だ」

2013-10-10 17:52:24
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

そろそろ頭は戻したほうが良いのだろうか、久しぶりに何かと戦うのに勝手を忘れてしまったが頭がないのは不便である。 「『帰結』」 ぼろりと崩れて、砂になる頭部がさらりと舞った。――戻りが遅い。

2013-10-10 18:00:07
紅の傲慢(アオマン) @nigayuki_sin_k

確かに一歩近づく。間合いは元通り。違うのは、戦いに対する『誠意』。そして、『無傷の脚』だ。 戦闘においてのアドバンテージはほぼ失ったか 「いや、俺の素体だけなら、これが最大だ。零雷、それが俺の本当のギフト」 拳を突き出す。瞬時に脳内に予測を立てる。来るとしたら突進、足、尾。

2013-10-10 21:42:07
紅の傲慢(アオマン) @nigayuki_sin_k

左足を先述の拳と同時に一歩外へ。右足裏で大理石を蹴り込み、上方へ。同時の攻撃交換なら、突進と足はかわしやすい。尾は、もう片方の手で握ればいい。なんの、肺の辺りが崩れるだけだ。肩甲骨には、殺されない。

2013-10-10 21:42:29
紅の傲慢(アオマン) @nigayuki_sin_k

拳は頭蓋より上に。無意識に笑みをこぼす。その理由にいつしか忘れ去り、自覚がないまま、笑っていた。

2013-10-10 21:45:29
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

最初の帰結より時間をかけて頭部が戻る、左前足はまだ戻っていない。 緩く首を傾げて欠けたままの前足を見たが、理由はわからなかった。 自身の体にも、罪科にも限界が有ることをすっかり忘れてる故の油断と慢心。 傲慢が駆けて飛び上がるのに、反応が遅れる。

2013-10-10 22:43:13
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

視界に映るのは傲慢の拳、受けようと翼を広げるがそれも貫通する鈍い音。

2013-10-10 22:43:16
紅の傲慢(アオマン) @nigayuki_sin_k

羽と、同時に傲慢の背が裂け血を吹く。五分ではならん。もっと、持っていく。そんな余裕の面をいつまでも、拝む気は毛頭無い。 「勝ちは、俺の手にしかはなから無いのだ。諦めよ」 叫び声と共に、足蹴を尾の付け根に放つ。

2013-10-10 22:59:25
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

黒い翼と、赤い翼が相対する。 この紅をもっと黒に染め上げてしまわねばならぬ罪としての使命。 「ならぬ、貴公を倒したわたしが戻るのだ」 頭部から入る罅、片目を使えなくするがそれでもまだ辛うじて見える、傲慢を感じることはできる。

2013-10-10 23:06:35
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

創造主の作り上げた美しい尾の曲線美も今はくれてやる、代わりに繰り出すのは似たような蹴り。 龍の爪が金の鎧を引き剥ごうと鋭い閃光を描いた。

2013-10-10 23:06:38
紅の傲慢(アオマン) @nigayuki_sin_k

表皮2センチといったところか。腹側の鎧ごと持っていかれた。こうなってはかえって動き難い。 怠惰の視界に重なるようにマントを脱ぎ捨て、地面を転がることで背中と脇腹の鎧のあまりも外し捨てる。 芯を捉えた一撃貰えばお終いだ。一手も無駄にはできない。気配を知覚するならよし。

2013-10-10 23:14:33
紅の傲慢(アオマン) @nigayuki_sin_k

マントがまだ怠惰の目と傲慢の直線上にある頃、屈んだ格好から掌底で地面の両手剣を撃ち放つ。それと同時、投擲を悟らせぬよう、瞬時に立ち上がって左方に駆け抜く。 両手剣は真っ直ぐではなく斜めに刃が入る格好で飛んでいったが、傲慢自身の動きは撹乱だった。同時に、剣で隙が出来たら叩きに行く。

2013-10-10 23:18:30
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

爪に確かな感触、致命傷に至らないのは仕方ないが想定内。 傲慢に帰る場所があるように、私にも帰る場所がある、守らねばならぬ約束がある。 まだ幼い暴食が、面倒くさい嫉妬が、真っ直ぐな傲慢が、皆が居るのだから。

2013-10-10 23:21:06
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

見えぬ右目を集中的に修復に回し、『帰結』をかけようとするが発動しない。 マントに視界を奪われて居る中で身を低くし、傲慢のいる場所を音で拾う。 そのまま鈍い衝撃が二つ、身体を貫いて足止めを喰らう。 短くなった尾では薙ぎ払えない、破損した翼でこの身体は支えきれない。 ――ならば。

2013-10-10 23:25:30
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

不便だが仕方ない、姿をヒトに近いそれに 変 え る。 最も傲慢の剣は突き刺さったままの、無残な格好には変わりはないが。 右目の代わりに開くのは、暴食から得たもう一つの左目。 自身の灰の目と、色の抜けた白の目が二つ並んで傲慢を捉える。

2013-10-10 23:32:09
紅の傲慢(アオマン) @nigayuki_sin_k

妖怪、か何かだろうか。チィートゥーは生まれ方を間違えたんだろうが、こいつも多分そうだな。 「親近感が湧くよ。殺し易くなってくれて、ありがとう」 子供じみた理由だが、嫉妬に勝ったことが無い。コイツに勝てば、少し雪辱した気分になれる。似てるし。羽盗ったらそっくりだろうな。 「ふっ」

2013-10-10 23:41:07
紅の傲慢(アオマン) @nigayuki_sin_k

能力が変化している可能性もある。だが自分には時間が無い。背骨の破損を維持するだけで筋が裂け壊れていっている。だから、一気に接近して全て軽傷以下で済ませて、ぶっ殺す。 右で足蹴を放つ初期動作に入ってから足裏を地面に着き直して左の脚に力を込めた瞬間、左脚を軸に右脚の回し蹴りを放った。

2013-10-10 23:48:00
紅の傲慢(アオマン) @nigayuki_sin_k

肺腑が血の袋と化したが、気にしない。 「死なんさ」 勝って帰るまではするが。その先の命は見えなくなっていた。ああ、でも人肉を食わなくていいのか。何事も巡り遇わせの因果応報というやつだな。 「他より先に帰還できたら、死体だけは持って帰れたって自慢になる。違うぞ、勝利も一緒だ」

2013-10-10 23:54:25
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

体重が軽く小柄になった分得るのは機動力と、視界。そして鼻。 紅の嫉妬と比べられていることなんて知らないまま、邪魔なマントをくぐり抜けてフェイクの蹴りに身構え続く右脚を石よりは柔らかな全身で受ける。 そのまま足にしがみついて衝撃をやり過ごせば傷は脇に走る罅だけで済むだろうか。

2013-10-11 00:55:38
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

「生き物には必ず死があるのだ」 「貴公とて、罪ならばそれからは逃れられない」 勿論の自分も同じ場所に立ってはいる、そのことは伏せつつ脚から離れ少し蹌踉めいた。 随分欠けた身体、人間でいうところ失血に近い。

2013-10-11 01:24:53
黒の怠惰 オクネーリア @sin_meiji

辺りに香る赤い匂いは、随分傲慢も出血していることが伺える。 状況は似たようなものなのだろうか、彫刻の少女めいた唇がふと弧を描いた。 こんなにぼろぼろになるのは覚えている限り初めてでそれがまたどうにも面白い。 自分が思う以上に戦うというのは命をかけているからこそ楽しいと感じていた。

2013-10-11 01:58:45
紅の傲慢(アオマン) @nigayuki_sin_k

「死ぬとしたら、女だ。傲慢でも、それからは逃れないさ」 紅の嫉妬に負けたからといって黒の怠惰に負ける理屈にはならない。 呻き声をあげる。よろめいた瞬間の隙を突こうと体を動かし始めて、心臓の表皮を骨の破片が掠めた。 零雷は、強制活動能力であって、生命維持や修復能力ではない。

2013-10-11 11:25:30