音楽史たんまとめ②【中世】編

いつになるかわかりませんが、そのうち音楽史bot化することを目標に日々追記している音楽史たんです。書いた分の時代区分別まとめを作ってみました。 第ニ弾【中世】編です。 これまでの復習にどうぞ♪ (前期・盛期・後期は便宜上の切り方です。参照する本によって違うかも。) 続きを読む
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【中世盛期】カンティガは南仏トルバトゥールたちの宮廷歌曲の影響を受けてスペインで作られた歌です。アルフォンソ10世(1221-1284)の『聖母マリアのカンティガ集』は当時の素朴なマリア信仰の曲を400以上伝えています。http://t.co/Dy04ysHv0l

2013-10-17 22:22:24
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【中世盛期】ラウダはイタリアで広まった俗語聖歌です。スペインのカンティガと同様、宮廷歌曲の様式を受け継いでいます。典礼外の祈りの場で歌われ、時には劇のように演技を付けたようです。後のオラトリオの前身になりました。http://t.co/eUg18IcIhn

2013-10-17 22:33:21
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【中世盛期】「モンセラートの赤い本」という、13世紀から14世紀にかけてのスペインのカンティガを集めた曲集があります。こちらでは簡単なカノンを用いたマリア讃歌が伝わっています。モンセラート寺院巡礼の際に口ずさんだようです。http://t.co/fnedvNDCP0

2013-10-17 22:48:24
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というわけで、1100年代後半から1200年代にかけての音楽を聞いてみました。古代ギリシャの衰退から、約1000年以上…止まっていた何かが急激に動き出した感じですね。「多声化」の時代です。

2013-10-17 22:55:39
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次に来る1300年代は、少し暗い時代です…なのでもう一山あるにはあるのですが、明るいルネサンスの時代を予感させてくれるような作風にそろそろなって来ましたね。

2013-10-17 22:58:45

中世後期(1300-1400)

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さてさて、昨日は13世紀でした。大学ができたり、ハーモニーを用いた大作が始めて登場しましたね。今日は14世紀です。

2013-10-18 21:12:03
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【中世後期】14世紀は暗い時代です。英仏の百年戦争(1337-1453)、ペストの大流行による人口激減(1347:西欧人口の1/3が亡くなったといいます)、そして教会分裂(1378-1417)がありました。教皇の権威は失墜し、王権の時代=世俗音楽の時代へと本格的に移っていきます。

2013-10-18 21:16:59
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それを踏まえて・・・です。ちょっと混み入った話になるかもしれません。音楽もかなり混みいった感じのがかかれました。

2013-10-18 21:18:37
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【中世後期】14世紀のフランスではより複雑なリズムによる書法が整えられます。アルス・ノーヴァ(新技法)の始まりです。フィリップ・ド・ヴィトリ(1291-1361)が自身の論文で提唱しました。ヴィトリの作品。http://t.co/anbvm3SCV8

2013-10-18 21:21:51
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こちらも先日お話した"モテト"です。三声ですが、みんなバラバラの歌詞を歌っていますね。

2013-10-18 21:24:08
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【中世後期】アルス・ノーヴァの最大の特徴はリズムです。モテトでは定旋律(テノール)を同じリズムで反復させ、それを軸に他の声部を複雑に動かしました。イソリズムと呼ばれます。代表的な音楽家はギヨーム・ド・マショー(1300頃-1377)。http://t.co/B2zZWYZDac

2013-10-18 21:30:02
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動画の楽譜の下から二番目、Tenorの段を見ると、リズムが反復いていますね。(ちょっと独特な演奏ですね…けど中世ってこんな感じだったのかも。

2013-10-18 21:32:48
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このマショーによる「ノートルダム・ミサ」は、一人の作曲家がミサ通常文を通作した最古の作品として有名ですね。キリエとアニュス・デイで、イソリズムの書法が使われています。

2013-10-18 21:33:30
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14世紀の音楽はどんどん複雑になっていきます…が、この時代独特のことなんです。みなさん、中世音楽のこと嫌いにならないでくださいね…

2013-10-18 21:49:56
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【中世後期】14世紀のフランスの音楽には、赤いネウマが現れます。音価(音符の長さ)は三分割が基本だったのですが、赤いネウマは二分割を意味しています。これはつまり、変拍子やヘミオラのような書法ですね。http://t.co/vnx4S3K3F6

2013-10-18 21:50:17
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譜面がハートがたですね…!この時期はなにやら楽譜をまっすぐに書かずに図形型にして写本に残すのが流行ったみたいです。14世紀後半の作品はアルス・ノーヴァとさらに区別して、アルス・スブティリオルと呼ばれたりもします。

2013-10-18 21:52:43
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【中世後期】14世紀後半には、暗い世相を反映するように、高度に技巧的で頽廃的な内容の曲が作られました。煙がゆらぐアヘン窟での恍惚感を描いた、ソラージュ(生没年不明)の作品…です。http://t.co/aeMwrqb23b

2013-10-18 22:00:43
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これ、聞いていると・・・なんだかこう、ゾワゾワします・・・。音楽史を通じてもう20世紀になるまで現れないような複雑な書法が使われています。

2013-10-18 22:04:26
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さてさて、混迷の14世紀フランスワールドから抜けだして、イタリアの方を見てみましょう。もうすぐルネサンスの予感です!

2013-10-18 22:16:03
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【中世後期】イタリアではペトラルカ(1304-1378)が現れて、各地の宮廷では彼の詩に曲が付けられました。ヤコポ・ダ・ボローニャ(1330-1390?)がペトラルカのソネットに曲をつけた作品。http://t.co/tTJDcyzjT2

2013-10-18 22:16:30
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ヤコポ・ダ・ボローニャの作品から個人的に好きな曲をもう一曲。『私は不死鳥だった』http://t.co/iRFJyIWuWb

2013-10-18 22:23:52
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手元の和訳を見るに、なんとも言えない歌詞・・・なのですが、去っていった女性を思い偲ぶ歌、だと思います。

2013-10-18 22:25:45
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【中世後期】14世紀のイタリアの音楽はトレチェント音楽(300:1300年代)と呼ばれます。最も代表的なのはランディーニ(1335-1397)ですね。ランディーニ終止というこの時期のイタリア独特の終止に名前を残しています。http://t.co/U7IYQajDWu

2013-10-18 22:35:51
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【ルネサンス】1300年代イタリアでは叙事詩や散文の分野でも世俗の言葉を使った偉大な作品が現れます。ダンテの『神曲』(1321)、民衆の生活をありありと描いたボカッチオ『デカメロン』(1351)などですね。さあいよいよ、本格的にルネサンスの始まりです!

2013-10-18 22:45:53