第一回　全部覆面同題バディSS　作品一覧

覆面同題バディSS @fukumenBuddy_SS

【R-3】 いろいろな色があるんですね。うん、でも、俺はこれがいちばん好き。ポーンと高く放り投げて、キラと光った。甘い、グリーン。お前の瞳の色だよ。はは、あなたの正義の色だ。

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【R-4】 砕かないで。何度も教えたはずなのに、熱とともに与えられるいくつものかけら。僕の内側で、すこしだけ痛みをのこしてそれは溶けていく。……れ、もん？ 溺れかけた魚みたいに掠れた声で尋ねれば、琥珀はしずかに揺れて。いや、爆弾。そう言って、あなたはまた、僕を塞ぐ。

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【R-5】 不安がり、宥めるより先に。最近は、不埒な事を思うようになった。ふるふる震え、はたはたと泣く、宝石みたいなマスカットグリーン。美しい、きれい、それともう一つ。舌を差し出せば、ひ、と震えた白い喉。ああ、…きっと、うまいよ。お前のそれも、昂揚に濡れた、俺のまなこも。

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【R-6】 ブランド名“BBJ”――例えば、ハンサムなソーダは基本形。知性は林檎…ある時は皮肉屋の薄荷。照れ屋なレモンに、気遣うブルーベリー。そして夜のお前は、セクシーなワイン…若しくは愛慾の蜂蜜。全部味わってしゃぶりつくせば、ラストノートは素のお前。とびきりスイート。

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【R-7】 新スポンサーから試作品が届いた。袋の中に個装の菓子が何個か入っていて、小さいがＷＴの形をしている。スーツ姿、私服姿など種類も豊富だ。「って、またすぐ噛む」「だって癖なんだもんよ」「もう少し舐めて味わえな…」「どした？」「これ、商品化却下しませんか」「なんで？」

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【K-1】 どうぞ、と差し出されたガラスの瓶。どうも、と応えて、ひとつ口に放り込む。途端に甦る、いつだったかの、あの味、空気。オフィスだった。誰もいないから、悪戯のつもりで、がりごり、賑やかなそこに強引に口づけた。幸せだった。手の中にあった。そんな日々。驚くほど鮮やかに。

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【K-2】 ころころ転がすと、あまく溶けていく。かみ砕いたら小さな粒に。粒は口の中の至るところに飛び散って、その味を口いっぱいに広げる。そうする内に、点から面に。最終的には口の中が完全に支配されて。「バニー、俺はお前のことが」続く決意の言葉は愛。あますぎて、まるで。

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【K-3】 「全く、困ったねぇ。虎徹君の悪い癖、バーナビー君にすっかり移っちゃって。しかも変なところばっかり。…ま、柔らかく笑うようになったのはいいんだけど。それにしても、虫歯になりそうだからこれ以上は止めてほしいんだけどね」始末書に添えられた包みに思わず笑みがこぼれる。

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【K-4】 その笑顔を目にするたびに、生まれていた想いのかけら。色とりどりで、まんまるの。胸の奥でころがる音を、ずっと聞こえていたとあなたは笑う。とうとう僕から溢れてしまった日。こぼれ落ちたものを指ですくい、舌に乗せて。やっぱり、甘かったな。呟いた唇がそっと、瞼に触れた。

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【K-5】 舐めて、齧って、転がして。とろとろと溶け始めたみどりいろに、お休み、と告げたのは少し前だ。手元のマグには、ラム酒を足したホットミルク。これで果たしていつまで代用が効くだろうか。甘くて美味しい、お菓子みたいな彼を、うっかりと自慢の牙で噛み砕いてしまわないように。

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【K-6】 ワイルドタイガー墜落！見出はこれで決まりだな。ワイヤー尽きて相棒間に合わず、残念無念。と腹を括ったら、倉庫の屋根を突き抜けた。「すげえオチだな」「ひどいオチですよ！」涙目で怒る相棒へ、ひとすくい進呈。「これで機嫌直して、兎ちゃん」あーあ、賠償金すごそうだなあ。

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【K-7】 もぐもぐと動くその口元を見てため息をつき、僕は呟く。「またですか」「またですよ」とペロッと舌を出される。可愛い。僕もその舌を出す動きが見たくて、つい何度も注意してしまうのだけれど。ほらまた、もぐもぐして。「またですか」「お前の気を引いてんの」「え」「なんてな」