精神科の薬について(2)

表記、鈴木映二先生の呟きをまとめました。 (2013.9.30~10.24) 抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬、抗精神病薬など。 対応する病名は、うつ病 躁病 双極性障害、統合失調症、アルツハイマー病など。
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鈴木映二 @suzuki_seishink

統合失調症のドパミン仮説は、アンフェタミンなどの幻覚妄想を引き起こす薬がドパミン類似物質であったり、ドパミンの代謝を阻害する薬が幻覚妄想を引き起こすことなどから提唱されるようになりました(スライド参照)。 http://t.co/qLKqBLu1mG

2013-10-12 21:23:58
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鈴木映二 @suzuki_seishink

したがって、幻覚妄想や興奮に対する治療薬として、ドパミンの受容体を占領して、ドパミンが受容体に結合することを拒む薬が使われます。これらはドパミン遮断薬と呼ばれ、服用者の脳では、80%以上のドパミン受容体が遮断されるそうです。 http://t.co/qKSP7uhrGP

2013-10-12 21:27:27
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鈴木映二 @suzuki_seishink

しかし、実際の統合失調症患者さんの主な症状は幻覚妄想ではありませんから、ドパミン遮断薬だけで治療が完結するわけではありません。また、アルツハイマー病の方のおよそ40%以上で、一過性あるいは軽度に幻覚妄想が出現しますが、この疾患では脳内のドパミン神経の機能は勿論低下しています。

2013-10-12 21:30:11
鈴木映二 @suzuki_seishink

一方、抗うつ薬は、不足したセロトニンやノルアドレナリンの作用を補うために、それらの再取り込みを阻害します。再取り込みとは、セロトニンなどを放出した神経が再びセロトニンなどを取り込むことです。スライドをご参照ください。 http://t.co/5SzRUNa0AP

2013-10-12 21:34:04
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鈴木映二 @suzuki_seishink

ランセットという一流の医学雑誌があります。しかし、私は個人的に、最近この雑誌に載る精神科関連の論文は信用できないと感じています。6月27日号に載った論文を、先日MRさんが持ってきました。その内容を少しだけ呟きます。(続きます)

2013-10-24 22:56:12
鈴木映二 @suzuki_seishink

ランセット記事への呟き①この論文では、全ての抗精神病薬の中で、副作用は考えないで効果のみ考えた時に、優れた順位は①クロザピン②アミスルピド(国内未発売)③オランザピン④リスペリドン⑤パリペリドン⑥ゾテピン⑦ハロペリドール・・・となっています。(続きます)

2013-10-24 23:01:02
鈴木映二 @suzuki_seishink

ランセット記事への呟き②クロザピンは副作用が大変強くて特殊な薬ですが、それだけに対象が特殊なので一般的に論じるのに無理があると思います。ただ、ハロペリドールよりオランザピンやリスペリドン、パリペリドンの方が効果があるとするのは全く了解できません。

2013-10-24 23:03:02
鈴木映二 @suzuki_seishink

ランセット記事への呟き③、何の根拠もないのですが、もし本当にオランザピンやパリペリドンがハロペリドールより効果があるとしたら、私は自分自身の臨床医としての観察力を根底から見直さなければならないと思います。本当にそうなのでしょうか?

2013-10-24 23:04:30
鈴木映二 @suzuki_seishink

ランセット記事への呟き④以前にも、この雑誌には抗うつ薬を比較して、セルトラリンという薬が最も有用であるという論文が出ました。それもかなり怪しいと思いますが、抗うつ薬は、どれも効果に大差ないので、まあ、そんなものかなア実感と大分ずれているけれど・・位に思っていました。

2013-10-24 23:05:54
鈴木映二 @suzuki_seishink

ランセット記事への呟き⑤しかし、抗精神病薬は、薬によるプロフィールの違いが大きく、効果は臨床医にもかなりわかりやすいものがあります。私は、この論文には統計に頼る最近の解析の落とし穴を見るようです。勿論学ぶべきは学ぶ謙虚さは持ち合わせたいと思いますが、信じることはできません。

2013-10-24 23:10:01