大罪戦闘企画

大罪戦闘企画 第四公演 憤怒-フェンヌー(@s_akiyui) 憤怒-オルゲー(@b7s_mt)
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【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

りぃん……りぃん…… 鈴が鳴る。鈴の音が響き渡る。 りぃん……りぃん…… 誰かを呼ぶかのように鈴が声を上げている。 りぃん……りぃん…… 何度も、何度も、鳴らされて。 ふと、溜息の音。 −−退屈だなあ……

2013-11-03 11:25:42
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

もっと楽しいものが欲しい。 もっと楽しいものが見たい。 なんでも良い、演目なんて気にしてられない。 新規公演?なんて心踊る響きだろう! 再公演?ああとっても楽しみだ! だからみんな此処に来て! 踊り続けて踊り狂って壇を転げるその日まで! 楽しませてよ、最期まで!

2013-11-03 11:25:57
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《演者紹介:第四公演》 【憤怒】オルゲー (@b7s_mt) vs 【憤怒】フェンヌー (@s_akiyui)

2013-11-08 23:50:42
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《まもなく……11月9日0:00より……第一公演、第二公演、第三公演、第四公演が同時開演致します…… ご観覧の皆様はお席にお着きくださいますようお願い致します……》

2013-11-08 23:51:38
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

役者は揃った。舞台も整った。 さあ殺し合って! 狭い狭い箱の中だけど、無惨に死んで楽しませてよ! あはは、さあ始めよう! 楽しい舞台の開演だ!

2013-11-09 00:00:02
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

扉を開け、境界を踏み越える。ザリ、と靴が地面を、いいや、地面が靴を削る音が響く。開いた扉は男の背後でギイギイと音を立て、やがて音も無く閉じられた。 放り出された空間で、まず視界が捉えたのは新たなる境界。焼け落ち枯れ果てたかのような荒涼の大地と、凶兆の雲に覆われた嘲笑いの空。

2013-11-09 00:06:54
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

地平線は相容れぬ一本の線として横たわり、視線を滑らせども荒廃は絶えず。一縷の苔さえ認めぬ荒野に唸る風だけが其処に許されていた。 グラリグラリと激情が湧き上がる。身の内に焼き付き、不快を叫ぶ。敵を、害を、殺せと湧き立つ。嫉妬の言葉は無駄になるだろうな、と何処か冷静な頭で考えた。

2013-11-09 00:06:59
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

扉の閉じる、鈍重な音が響きわたる。ひゅうひゅうと吹き荒れる風は埃っぽい。 荒れた大地。視界を遮るものはなく。 重畳、小さく呟いた。 ざりと砂を踏みにじるように足を進める。この荒野の何処かに、不当たる紅は有るはず。警戒するように出現させる杭は五。四つは己の前方へ控えるように、

2013-11-09 07:25:12
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

残る一は、細く伸ばして右手で握る。

2013-11-09 07:25:44
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

静かに正面を見据える男の視界が荒廃以外の存在を認める。ザリ、ザリ、と鳴らされる足音。その前方には四本の杭が従うように控えている。 その姿から感じ取るのは敵意。殺意。害意。あれこそが『黒』。あれこそが敵。 あれこそが、彼女の、害。

2013-11-09 10:31:08
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

ぶわりと全身の血が沸騰するのを感じた。感覚が研ぎ澄まされ、風の音が鼓膜を大きく震わせる。 煩わしい。だが、どうでもいい。視界が紅く染まる。思考が紅く染まる。理性の糸は張り詰め、今直ぐにでも千切れんとする。 「問う。お前が、害か」 低く唸るように男は声を絞り出した。

2013-11-09 10:31:09
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

人影を視認。杭と人影とを視界に収めて、少し眉を寄せた。肩にあるのは、青年だろう男には少々似つかわしくないように思えるかわいらしいぬいぐるみ。だが、まあいいかとぬいぐるみに関する思考を放棄。次いで、男が発した言葉に返答。 「害?何を問うのか、不当たる紅よ」 目線は違わず、男へ。

2013-11-09 18:02:53
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

狭間にあるのならば、これは紅でしかありえない。 「私を指して害というのなら、貴様らこそが害だろう」 苛立ちながらの言葉と共に前方に並べた四本を撃ち出した。

2013-11-09 18:15:14
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

金の髪、暗緑の目。相対する『害』の姿。発される言葉に糸が千切れた。 ぐらりと湧き立つ。ぐにゃりと歪む。 思考と感情と理性とが掻き混ぜられて正体を無くす。沸騰する血がざわりざわりと騒ぎ立て、紅い視界がどろりと落ちる。ふらりと足元が揺らいで、辛うじて立ちながらも、男の顔は伏せられて。

2013-11-10 00:56:33
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

「……潰れろ」 囁くように声を絞った。 ばきり。ぐしゃり。 鈍い音が虚しく響く。それは大地と杭が割れた音。男の周囲、円を描くように罅割れた地に、残骸が落ちる。されど男にそれを気にする気配は無く。 「ならばお前は正当だとでも、言うのか」 その囁きは、不思議と響いた。

2013-11-10 00:56:45
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

「貴様―――!!」 内容を聞き取れるほどの声ではなかったが、その後に起きた現象から察しが付く。即ち男の罪科の行使。砕けた杭が散らばった。 地を蹴る。駆けて、男との距離を詰める。 響いた声には叩きつけるように叫ぶ。 「正当だとも!!私は正当、正当たる黒の憤怒(オルゲー)だ!」

2013-11-10 01:08:19
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

「紅など不当、――潰してくれる」 二本を出現、先行させる。 このまま進めば範囲内。砕けた杭を回収し再度撃ちだすことが可能。

2013-11-10 01:16:27
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

不当。正当。『黒の憤怒』を正当と断じ、『紅の憤怒』を不当と断じ。ならばアレは裁くとでも言うのだろうか? 「それは……それはそんなにも、素晴らしいものなのか?」 男は両手を静視する。色の無い空(から)の目で、駆けるを音を聞きながら、強く両手を握りしめ。

2013-11-10 10:26:03
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

「…………そうか−−」 耳朶に叩き付けられた声に底が騒ぐ。どくりどくりと煩い血が、体が、心が、湧き立ち、沸き立ち、湧き立ち、沸き立ち−−凍える。 「そうか……」 奥底が冷え、歪んでいく。革手袋に包まれた両手をぼうっと視界に映して、凍りつく思考に焔が降る。

2013-11-10 10:25:20
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

「潰れろ」 囁きに、地面が割れ、砕け、ひしゃげた。隆起し、沈下し、波のように渦巻き唸り、爆ぜて。

2013-11-10 10:26:11
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

男の動作には構わず、声に返答。 「『素晴らしい』?そんなものではない、そんなに程度の低い話などではない」 走る。 「正当は正当でしかなく不当は不当でしかないそれ以上もそれ以下もない、」 言葉と杭とを、叩き込む、 「潰れるならば貴様が潰れろ!!」 が、 「――!」 地面が崩れる。

2013-11-10 13:07:34
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

足がとられる。前のめるようにして、かろうじて転倒を回避。しかし視界から外した杭は鈍い音を立てて落ちた。舌打ちを一つ、再度視認し飛ばす。

2013-11-10 14:13:40
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

「そうか」 言葉は強く、男の中に入り込む。凍える底に焔が降る。嗚呼、嗚呼…… 肩の彼女に頭を寄せる。彼女の腕は男を慈しむように触れ、包み、撫で、離れていく。飛び上がり、ふわりふわりと体を浮かせ。男はぼうっと視線を送る。 正当、不当−−繰り返される言葉が、不快で不快でたまらない……

2013-11-10 14:14:14
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

「そうか……そんなにも正当は貴いものなのか」 ゆっくりと冷めた目で『害』を見遣る。迫る二本の杭を認め、『潰す』。バキリと響く音。けれど一本は潰しきれずに男になおも迫り来て。 左手で受け止める。貫通した掌、滴り落ちる血、走る痛み。だが、その全てがどうでもいい。握り締め、『潰し』た。

2013-11-10 14:14:20
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

「貴いなどというものではないと、言っている!!」 目線の先、二本は潰された。崩れた地面をさらに崩すかのように蹴り駆けて、 「価値を測ろうとすることが間違いだ!!」 走る先、砕けた杭の破片を消失、回収した四本のうち二本を再度出現。 眼前の男を、紅を潰さんと、突き出す。

2013-11-10 15:05:17