無垢なる君の終焉は笑顔

純粋無垢なる天使と僕の、出会いと別れについて。
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黒巣真音 @catnap_7
無色透明な日常だった。面白くもなく、ただ、家と学校とを行き来するだけの毎日。そんな僕の日常に、文字通り、天使が舞い降りて来た。#twnovel 「初めまして。私は天使です。あなたの願いを叶えに来ました」「は?」「天使です。私の姿は、あなたにしか見えません。さあ、何か願って下さい」
黒巣真音 @catnap_7
垢が溜まって汚れた世界を、綺麗にするために、神様によって、こちらに送り込まれたんですよ。と言われても信じられない。証拠を見せてくれと言うと、彼女は、かしこまりました、とその場でふわりと宙に浮いた。その背中からは、絵画の中で見たような立派な天使の羽根が生えていた。#twnovel
黒巣真音 @catnap_7
なんなんだよ、ありえねぇ。僕がぼそりと呟くと、天使は悲しそうな顔をした。「ごめんなさい。けれど、これが現実ですから。邪魔はしないのでお側に置いてください」しおらしくなってしまった天使に、僕は少しだけ同情した。#twnovel 「仕方ないなあ」その言葉でパァっと顔が明るくなった。
黒巣真音 @catnap_7
るんるん、という表現がぴったりの足取りで天使が僕についてくる。他人に見えないとはいえ、なんとなく気まずいので、歩いてもらっている。「天使って名前とかあるの?」「ありますよ。私は、雨といいます」「飴?」「キャンディじゃなくてレインですよ」「…ふうん。よろしくな雨」 #twnovel
黒巣真音 @catnap_7
君さ、そういえば僕の名前とか知ってるの?聞くと、もちろんと答える。「上から見ていましたから」「なんか、ストーカーみたいだな」「酷いです!私たちが見ているおかげで、神様から幸運をプレゼントしていただけているのにー!」「ごめん、冗談」僕は彼女の言葉に自然と笑っていた。#twnovel
黒巣真音 @catnap_7
のんびり歩いてとうとう自宅に着いた。天使の雨も、もちろん、付かず離れず、隣にいる。#twnovel 「雨。お前本当に僕にし見えないんだよな?」「はい、大丈夫ですよ。声も聞こえませんから。なので、私との会話には気を付けてくださいね。大きな独り言を言ってるようにしか見えませんから」
黒巣真音 @catnap_7
終わりは、唐突にやってきた。雨と出会ってから一週間ほど経った頃だろう。雨の具合が悪くなったのだ。足の先なんかは、薄く透けていて、床が見える。#twnovel 「どうしたんだよ、雨!」「言ってなかったんですけど、一週間以内に願いを叶えなかった場合、上に帰らなきゃならないんです」
黒巣真音 @catnap_7
焉んぞ君帰らんや。どうして君が帰らなきゃならないんだ。必要ないだろう。多分、そういう使い方だったはずだ。なんて。現実逃避。#twnovel 「帰らなかったら、どうなるんだよ」「ご覧の通り、消えて、無くなります。消滅します。安心してください。春さんの記憶からも私は、消えますから」
黒巣真音 @catnap_7
は?!僕が大声を出すと、雨は慌てた素振りをする。「大声出したら、変な人に見られちゃいますってば!」「そんなこと、どうでもいいよ!雨!なんでお前そんな大事なこと黙ってたんだ」僕の問いに雨は涙した。#twnovel 「春さんと、離れたくないと、願ってしまったんです」
黒巣真音 @catnap_7
笑顔だった。雨は泣きながら笑っていた。見れば、足の先は無くなっていて、下半身が透明になっている。ポロポロ崩れそうな下半身に気を遣いつつ、僕は雨を抱きしめた。#twnovel 初めて触れた天使は暖かかった。「春さんに抱きしめてもらえるなんて思わなかったです、嬉しい。春さん、大好き」
黒巣真音 @catnap_7
顔まで透けているのに雨は満足だと言うように笑っていた。雨と離れたくないと、僕も思った。「雨、まだ願い事、間に合うか?!」「た、ぶん」「お前と、雨と、もう一度出会いたい。別の形で」雨はそれを聞いて凄く満足そうに笑った。#twnovel 「好きだ、雨」「私もです」そして雨は消えた。
黒巣真音 @catnap_7
さて。昨夜からの全十一遍のツイノベ。書き出しの文字を繋げて見てください。それが、この話のタイトルです。

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