【公式】金魚Twitter小説大賞　物語だけ【①】

キヨシロウ @kiyoshiro_aoi

#twnovel 「わしなぁ実は金魚やねん。呪いでなぁ湯ぅにつこたら人間になってまうねん」温泉で話しかけてきたんはどう見てもただのおっさん。酔うてるんかそれとものぼせとるんか。暫くするとぐたっとしてるんで水風呂に放り込んだ。するとおっさん、口をパクパクさせて泳ぎだしたやないかい。

楠樹 暖 @kusunokidan

#twnovel 「あねごー！」何を勘違いしたのか後輩の彼女は私の子分気取りで、いつも金魚の糞のように付いてくる。私としては、おしとやかな路線でいきたいのに。友達は選べと言うから、いっそ……。「あねご、今日は何して遊びます？」でも、屈託のない笑顔を見たら、まぁいいかと思えてきた。

くにさきたすく @taskuni

「金魚って言ってみて」「きんじょ」「もう一回」「き、き、きんじょ」「だめだなぁ。君はやっぱり滑舌悪いね。牛乳は？」「じゅうにゅう」「ぎゃぎゅぎょが言えないの？」「じゃじゅじょ」「しかたがない。今後、金魚のことはゴオルデンフィッシュと言いなさい」「じょい」 #twnobel

クラ　シキフミ @kura_shikihumi

ねえ、と彼女は私を見る。「明日も会えるかな」もちろん、笑って答えると彼女も笑ってくれた。夏祭りの隅っこ、金魚が入った袋を空にかざしてみる。赤い魚はまるで空を泳いでいるかのようにゆらゆらと。「忘れないでね」半透明の彼女は小さく言う。もちろん、私も小さく答えた。　#twnovel

千夏@うつ病 @chinatsu_moon

金魚のようだ、という言葉がやけにしっくりときた。そうかもね、なんて自嘲する。小さな世界で飼われて、貴方が悪戯に掻き混ぜる水に、流されまいと必死で泳ぐけど、貴方が止めるまで私は振り回され続けるの。零れた言葉だって、目の前の貴方へと向かうことはなく、水面に溶けて消えるんだ。#金魚大賞

黒巣真音 @catnap_7

女の子というには私は成熟してしまった。真紅の着物が似合う様になった。この囲われた世界で、真紅の着物を身に纏い、夜な夜な寝具の間を泳ぐ私の姿は、さながら、金魚鉢の中の金魚。逃れられもせず、愛でられ、欲望のままに扱われ、最後は、金魚鉢の中でふわりと浮かぶ。哀しむくらいなら愛でて頂戴。

黒巣真音 @catnap_7

ゆらり。宙空に金魚が泳いでいた。青空を優雅にゆらゆらと。最初は見間違いかとも思ったのだが、どうやら、それは本当に、其処にいるようなのだ。ゆるり。旋回しては私を誘う。触れたい。そんな衝動に動かされ手を伸ばした。その指先に金魚の方から触れてきた。くらり。そして金魚はいなくなっていた。

【垢停止】 @pp26gmp

“好き”っていつの間にか想ってることだと思うの。修学旅行先のホテルであの子は言った。だからいつからとか、私には分からないと、大人びた笑みを浮かべた。愛を知っているあの子が、酷く遠く思えて。何も変わらないのに、何もかもが違くて。ただ自分だけが、子どもに思えた。 #twnovel

【垢停止】 @pp26gmp

金魚の中に数匹、黒い金魚がいる。何故か親しみを覚えて、立ち止まり金魚たちをじっと見つめた。すると中に、赤黒い金魚を見つけて。少しずつ赤が抜けていき、ついには黒くなった。黒の金魚は次々に掬われていく。あぁ、きっと束縛された空間に絶望して、逃げることすら諦めたんだ。 #twnovel

MZAβ @gogosamesame

彼女はいつも制服の下に赤いチュチュを着ていた。ふわふわと揺れるソレが可愛くて「金魚みたいだね」と話しかけたら「金魚、大好き」と笑った。友達になれるかな？と思ったのに、夏休み開けすぐ教師と入水自殺をしてしまった。二人が逝った河には、時折赤い金魚が泳いでいるらしい。 #twnovel

さきは＠11月は毎晩21時更新_のべるくびづか参加中 @SAKIHA_HAENO

赤の尾鰭に瓦斯燈の蒼がゆらいだ。仄白い灯を呑んだ丸い目が私を一瞥する。金魚とは游ぐものだ。だから、ずっと見ていたいのなら、鉢にとじこめなければ。金魚は街を游いでいく。だから、私は腕を伸ばし、赤服の少女の指を絡めとった。 #twnovel

想 @sou_teddy2

青緑色の瓶の中に、柔らかな朱を見た。赤く。ひらめく。揺らめく。炭酸の中に。君が本当に存在するかなんて、どうでもいいんだ。夢でもいいなんて綺麗事は言わない、ひと夏の寂寥さえくれれば、僕は。そう呟いて、もとは人魚だったかもしれない泡を、飲み干した。 #twnovel

ささかま。@小説家になろう等 @soranouta_sasa

赤更紗、白更紗。泳ぎ泳ぎて回る回る。 ポッピンを吹きつつ、ビイドロの金魚鉢を覗きこむ浴衣娘。嗚呼、硝子玉のように輝く瞳、その赤々とした両奴をも、閉じ込めてしまいたい。そう僕はただ焦がれ焦がれるばかりで。泳ぎ泳ぎて回る回る。 #twnovel

ささかま。@小説家になろう等 @soranouta_sasa

貴方と手を握り合って、想いを告げる夢を見た。深い硝子の金魚鉢の中、私は涙を流す。尾ひれを失って水を自由に泳げなくなってしまった私に、果たして貴方は「嗚呼、綺麗だ」と言ってくれるのでしょうか。 #twnovel

しぃとろん @seatoron

遺伝子組み換えにより、空中で生きることができるようになった金魚。鳴かず、毛も飛ばず、餌も少量。飼い主の近くを無心に泳ぐ姿に癒される。どこにでもつれていくことができるのも魅力。世界は空前の「金魚ブーム」に沸いた。―帰ったばかりの宇宙飛行士が語る。「地球は赤かった」　#twnovel

しぃとろん @seatoron

「そのワインは毒入りだ！」男がグラスの中身を水槽にあけると、金魚が浮いた。パーティ会場は大騒ぎ。「なぜ、あの男は毒が入っていることを知っていたんだ！」「犯人か？捕まえろ」「いや、探偵じゃないか？」「通りすがりのマジシャンです。これから死んだ金魚が生き返りますよ」　#twnovel

白田 @shirota_yama

朝起きると、水槽の金魚が人魚になっていた。赤い尾びれで泳ぐ小さな女の子。人魚じゃないわ。金魚の人魚、略して金魚よ。ぴちぴちと水を散らして怒る姿が可愛い。むくれる彼女を優しく宥める。人魚か金魚かなんて些末な問題だよ。もともと君は赤色か金色かも曖昧な生き物なのだから。#twnovel

𝕤𝕙𝕚𝕣𝕠 @yakak21

#twnovel 人ごみの中ですぐ見つけてしまう背中がある。すぐ聞き分けてしまう声がある。望んでも見つめ返される事はない、遠い人。きらきら光り輝く世界で笑顔を振りまき泳ぐ君。その世界が限られた場所であっても、その笑顔が今だけの幸運だとしても。金色の鰭で水槽を泳ぐ金魚のように。

瀬口 @an2a_09

突然「足が欲しい」なんて言うから驚いたわ。本当は声と引き換えなのだけど、理由が恋なら可哀想でしょう？だから友達のよしみで預かるだけにしたの。鰭を。視線の先には金魚姫だという少女と空の水槽。季節外れの浴衣をひらひらと揺らし、僕の心を奪った魔女は微笑む。 #twnovel #金魚大賞

瀬口 @an2a_09

「彼氏が出来そうなの」はにかんだ姿が可愛らしくてせつなさで一杯になった。彼女は何も悪くない。悪いのは一人で勝手に思い続けた私。「友達」という境界線のギリギリで私は繋いだ手をぐいと引き寄せる。無邪気な笑顔はまだ知らない。ここが友情と愛情の狭間だと。 #twnovel #金魚大賞

咲良 潤　#言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

パイロットフィッシュとしてすぐに処分するつもりだった金魚が、誰よりも私のそばにいた。妻は5年前に先立ち、子供たちも元会社の同僚も、見舞いに来たのは1回きり。せめて金魚だけは、と家から持ってきてもらったが、環境の変化でみるみる弱っていった。そうだな。最後がお前となら悪くない。

咲良 潤　#言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

小さな世界で生きていた私たちは、本物の友情で繋がってた。生まれ変わってもまた三人で遊ぼうね。…でも、新しい世界は私たちを壊した。人間になった私たちは、あの頃のように容易くお互いを信じることはできなくなっていた。あの、小さな水槽を三人で仲良く泳いでいた頃が懐かしい。#twnovel

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

@chocolatesity　#金魚大賞　#twnovel　大事な皿を割った償いに、金魚を一晩で青くしろって……。ああ、朝日が……。奥様。はい、青い金魚です。え？　服の袖を切り抜いただけ？　ご存知無いんですか？　青い金魚は一晩で普通の金魚を産んで、布みたいになって死ぬんですよ。

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

@chocolatesity　#金魚大賞　#twnovel　友情？　詐欺師の私にはほろ苦い。お前が彼の息子？　殺すかどうか、聞いてから決める？　あの時、彼を撃った奴を撃って、瀕死の彼の脳を奴に移植し、彼の悪事は全て俺がかぶった。だから、お前の息子の事は気の毒に思っている。

たまや　しげる @vermoutheaster

#twnovel ブリキの金魚を洗面器に浮かべて眺めた。お風呂がわいたのでそのまま湯船に浮かべあそんだ。風呂あがり、縁側でスイカを食べた。蚊帳を吊りながら私はそんなことを思い出していた。ここはアフリカ。マラリア除けの蚊帳を吊る。 http://t.co/fesWiPlPn6

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