じぃじの臨床医学統計学講座!

「じぃじ」こと@wstonemd先生による臨床医学統計学講座でつ!
6
MaskedER @wstonemd

正しい仮説を棄却しない、誤った仮説を棄却する、この2つが正しい統計解析である。そして、2X2表の残りの2つがエラーである。

2010-10-13 01:33:25
MaskedER @wstonemd

ひとつは正しい帰無仮説を棄却(有意と)すること。「お前の落とした斧はこの鉄の斧だね」「有意に違いますので、金の斧です」これを統計のtype I errorという。

2010-10-13 01:35:39
MaskedER @wstonemd

肺がん患者のステージを考慮せずに、手術を有効とする(手術と非手術は同等という帰無仮説を棄却する)のはtype I errorである。このエラーの原因外部交絡因子の調整を行わないことで発生する。

2010-10-13 01:37:35
MaskedER @wstonemd

学会寸前で、「有意差が出ない!」とお悩みの先生方に朗報です。統計のtype I errorを使えば、先生方のお悩みを解消できます!交絡因子になりそうなものは、全部解析から省いてしまいましょう。ついでに解析方法も、ノンパラからパラメトリックにしちゃいましょう!

2010-10-13 01:40:21
MaskedER @wstonemd

というわけで、外部交絡因子のコントロールがなされない単変量解析の小さなスタディのほとんど、学会で最も多く見るパターンは、type I errorを「利用」している。

2010-10-13 01:41:49
MaskedER @wstonemd

まとめると、デザインの不備で有意差が出てしまうのがtype I error

2010-10-13 01:43:03
MaskedER @wstonemd

もうひとつのエラーは、誤った帰無仮説を棄却(有意と)しないこと。「お前の落とした斧はこの金の斧かい?」「はいその通り」

2010-10-13 01:44:37
MaskedER @wstonemd

肺がん手術の生存期間延長が正しいのに、有意にならないのがこの種のエラーである。これが統計のtype II error。検出力不足、nが不十分なために生じる。

2010-10-13 01:46:31
MaskedER @wstonemd

再び、学会寸前で「有意差が出ない!」とお悩みの先生方、… それはnが小さいのですよ…

2010-10-13 01:47:39
MaskedER @wstonemd

多くの後ろ向きのsmall studyはtype II error とtype I errorを併せ持つ。nが小さくtype II errorのため有意水準に達しない。だから「有意水準に到達させるために」デザインを不適切に変えて、type I errorを利用する。

2010-10-13 01:50:16
MaskedER @wstonemd

嫌いですね。有意差にこだわらず、素直にnon-significantで出しなさいと言ってますRT @bosszaru21 俺はその手の統計遊びが大嫌いです。そんなことするくらいなら症例報告を大事にしたいです

2010-10-13 02:01:18
MaskedER @wstonemd

一連の統計ツイートは、学生に統計学を教えるための予行演習でした。

2010-10-13 03:16:45
MaskedER @wstonemd

大事なことつぶやき忘れていた。統計は差があること(有意)を示す手法であり、差がないこと(有意ではない)は結論に出来ない。帰無仮説を棄却出来ないから同等であるとは、原則として言えない。

2010-10-13 11:07:40
@yossi_ni

質問!有意差はないが傾向が見られたっていう結論はOKですか? RT @wstonemd: 大事なことつぶやき忘れていた。統計は差があること(有意)を示す手法であり、差がないこと(有意ではない)は結論に出来ない。帰無仮説を棄却出来ないから同等であるとは、原則として言えない。

2010-10-13 11:12:34
MaskedER @wstonemd

傾向が見られた、今後もっと積み重ねて行きましょう、オーケイですよ!1種の過誤に注意して下さいねRT @yossi_ni 質問!有意差はないが傾向が見られたっていう結論はOKですか?

2010-10-13 11:17:04
Shinya Nakazawa @shinyanakazawa

では先生、同等性を肯定した場合はどうすれば? RT @wstonemd 大事なことつぶやき忘れていた。統計は差があること(有意)を示す手法であり、差がないこと(有意ではない)は結論に出来ない。帰無仮説を棄却出来ないから同等であるとは、原則として言えない。

2010-10-13 11:18:40
MaskedER @wstonemd

@shinyanakazawa 一番簡単なのは、nを減らせば良いのですw それは冗談として、十分に大きなnで、仮に有意差があったとしても、係数、リスク比、オッズ比などががほとんど同等であることで十分です。

2010-10-13 11:24:00
MaskedER @wstonemd

非劣性検定とか、裏技もありますけどね。

2010-10-13 11:24:30
UO @druoh

@wstonemd 非劣性試験の時は帰無仮説を差があること、にするんでしたよね?その場合の検定はstudent tとかではなく何か違うものを使うのでしょうか?

2010-10-13 11:23:11
MaskedER @wstonemd

帰無仮説はひっくり返され、「差がある」からスタートです。詳しくはこれがよさげ http://ow.ly/2SBKi RT @UosakiH 非劣性試験の時は帰無仮説を差があること、にするんでしたよね?その場合の検定はstudent tとかではなく何か違うものを使うのでしょうか?

2010-10-13 11:47:13
@StrayOrthopod

@wstonemd どのへんから傾向がみられたって言っていいんですか?でも、いっつも傾向がみられたって聞くと、あ、有意差無いのね、って変換しちゃいます。

2010-10-13 11:27:32
MaskedER @wstonemd

お約束はP<.1ですが、危険率にこだわるよりも、有意差当たり前で係数にこだわりましょう。type II errorが出ないのは、前提だと思いますRT @StrayOrthopod どのへんから傾向がみられたって言っていいんですか?

2010-10-13 11:48:45
MaskedER @wstonemd

ある治療法の解析で、例1 OR 4.8 95%CI [0.1-90] P=0.98, 例2 OR 1.2 95%CI [1.1-1.3] P=0.006 後者は「有意差あり」ますが、どちらの解析のほうが、実践的に、より確からしく同等をしめしていると思われますか?

2010-10-13 11:56:09
MaskedER @wstonemd

僕も疫学者ではなく、あくまで統計を使う医師の立場ではありますが、具体的な解析がありましたらどんどん聞いて下さい。RT @StrayOrthopod どもです。統計はホントに苦手で。。。

2010-10-13 11:58:50
MaskedER @wstonemd

微妙に嫌がる後輩に疫学研究をなだめすかしてやらせ、学会発表させてみたら、その翌日から自分で新しいネタを見つけてきて自主的にデータ取りをはじめていた!最初のハードルを超えさせることが大事なのね。

2010-10-13 13:48:29