第2回「アメコミとクトゥルー神話」

森瀬繚先生の連投ツイートをまとめました。 ※「アメコミとクトゥルー神話」総集編 【 http://togetter.com/li/601396
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えんじ @enzienzi

出典が書かれてるので、問題の箇所をそのままピックアップします。もとはクトゥルーではなくて、ハワードの小説ということに落ち着くのか・・・ http://t.co/ViIZi3Ah6U

2013-02-26 21:40:17
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闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

先のRTは、『コミックゲーメスト』誌に連載されていた市川裕文氏によるアメコミ紹介の一部です。「ロイ・トーマスによれば、シュマ=ゴラスの元ネタはシュブ=ニグラス」(大意)といった話が紹介されておりまして、僕も割りと最近までそれを受け入れていたのですが--

2013-11-23 19:12:28
闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

検証してみますと、ちょっと見過ごせない問題が判明しました。まず、「シュマ=ゴラス」という名称の出典そのものは、前述の“The Curse of the Golden Scull"で言及される「鉄の装丁あるいは鉄錠で封印された『シュマ=ゴラスの書』」です。これは間違いありません。

2013-11-23 19:14:01
闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

【修正】 海外のWEBサイトでは、「ハワードがシュマ=ゴラスというワードの元ネタにしたのがシュブ=ニグラス」という説明を幾つか見かけました。しかし、時系列を確認してみますと--

2013-11-23 21:39:28
闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

【修正】“The Curse of the Golden Scull"の執筆年は1928年と推定されています。シュブ=ニグラスの初出はラヴクラフトがアドルフォ・デ・カストロのために代作した「最後の検査」で、これが"Weird Tales"誌に掲載されたのは1928年11月号。

2013-11-23 20:53:27
闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

執筆時期は1927年の10月から11月にかけてのこととされます(『H・P・ラヴクラフト大事典』調べ)。ハワードが何月に"The Curse of the Golden Scull"を執筆したか次第では、「最後の検査」を読んでいても問題ないように思えます。

2013-11-23 19:20:49
闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

しかしながら、ハワードとラヴクラフトが親交を結び、彼がラヴクラフトたちの「設定を引用しあうお遊び」に参加したのは、1930年のことなのです。

2013-11-23 19:21:28
闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

森瀬の個人的な考えでは、「シュブ=ニグラスが元ネタ」というのは、ロイ・トーマス自身のことではなく「ハワードがシュブ=ニグラスを元ネタにした」と考えていたか、或いは単なる記憶違いだったのではないかと。ちなみに、シュマ=ゴラスは登場時から「He」、すなわち男性神として扱われています。

2013-11-23 19:28:33
闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

さて。"CONAN THE BARBARIAN"誌に話を戻しましょう。このエピソードでは、シュマ=ゴラスがアトランティス崩壊前の時代に封印されたという情報が示されます。 http://t.co/iO97AqOnlO

2013-11-23 19:25:47
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闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

この封印に使われたのが、「鉄の留め具で封印された3冊の書物」です。書名は書かれていませんが、この描写は“The Curse of the Golden Scull"で言及される『シュマ=ゴラスの書』そのものですね。 http://t.co/C0RfUHziQi

2013-11-23 19:27:20
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闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

なお、原文では「Iron bounded」としか書かれていないので、『ゲークト』では「鉄の装丁あるいは鉄錠で封印された」としておきました。コミックでは「鉄錠で封印」された状態で描いています。

2013-11-23 19:30:16
闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

最終的に、コナンがこの書物を用いてシュマ=ゴラスを再封印するわけですが、そのやり方は「呪文を詠唱する」とかではなく、「本を投げつける」でした。バーバリアン!

2013-11-23 19:31:03
闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

ちなみに、一番右のページの下に描かれている赤い怪物は、ホーンド(有角の)・ナイトゴーントだそうです。 http://t.co/C0RfUHziQi

2013-11-23 19:32:02
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闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

カプコンの『MARVEL SUPER HEROES』が稼働したのは1995年。いつ頃から開発が始まったかにもよりけりですが、1992年の段階でドクター・ストレンジものの2シリーズ、蛮人コナンの1シリーズでシュマ=ゴラスが描かれていたということになります。

2013-11-23 19:34:58
闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

『ゲークト』の方ではもう一作、“INVADERS NOW!”(2010年)を紹介しました。インベーダーズというのは1940年代に活躍したヒーローチームで、キャプテン・アメリカ、サブマリナーなどが所属しています。 http://t.co/LP8LRU4GEO

2013-11-23 19:36:23
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闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

物語は、戦時中に遡ります。インベーダーズはかつて、ナチスのミュータント化ウイルスの実験を食い止めるべく、一つの村を壊滅させたことがありました。 http://t.co/ff6Td79iHe

2013-11-23 19:37:58
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闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

この村というのが実はシュマ=ゴラス崇拝者のコミュニティで、どうやら"CONAN THE BARBARIAN"誌で邪神が封印されたクロム山であるようなのです。おそらく、ミュータント化ウィルスの出処も……。

2013-11-23 19:39:24
闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

虐殺の生き残りであるシュマ=ゴラスの老司祭は、運命の槍(どう見てもロンギヌスの槍です)を用いてシュマ=ゴラスを復活させ、インベーダーズに復讐しようとするのですが、死んだ家族の霊に諌められてそれを思いとどまります。 http://t.co/2qMqcn71bN

2013-11-23 19:41:05
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闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

この時、ちょっと面白いのがサブマリナーの行動です。彼はアトランティスの王子(父親が人間)なのですが、彼の実家には何と、「三冊の本」の一冊が保管されていたのです。

2013-11-23 19:43:36
闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

アトランティスといえば、R・E・ハワード作品はじめヒロイック・ファンタジーと縁の深い土地ですが、こんなところでまさかの伏線拾いとは、なかなか味なことをするものです。 http://t.co/92Bam938Mc

2013-11-23 19:44:41
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闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

ここから先はまあご想像通りで、復活したシュマ=ゴラス、インベーダーズ、そしてナチスドイツのヒーローチームとの三つ巴の戦いが繰り広げられます。 http://t.co/Cyf6l04hpy

2013-11-23 19:45:47
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闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

"CONAN THE BARBARIAN"誌との繋がりを重視して『ゲークト』ではこちらを紹介しましたが、その少し前、2006年にファンタスティック・フォーとシュマ=ゴラスの対決エピがありました。"The Resurrection of Nicholas Scratch"です。

2013-11-23 19:48:10
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