大罪戦闘企画

第十二公演《雪の果て》
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【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

−−りぃん…… 聳えるほど高い棚。紅と黒の背表紙の本が収められた本棚。 周囲に浮かぶは本の群れ。ぺらりと独りでに捲れては、文字の森を踊らせる。 「……かつて、」 大罪は八つであった。奪い合い、潰し合い、消え去ったのは、『憂鬱』と『虚飾』。座を獲得したのは、七つ。 少年は嗤う。

2013-11-21 22:03:08
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

演者は選ばれたよ! ああ楽しみだなあ! こんどはどれだけ僕を楽しませてくれるのかなあ! あははははははっ!

2013-11-21 22:03:45
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《演者紹介:第十二公演》 【怠惰】Тася&Ваня (@battle_atom) vs 【傲慢】アロガンサ (@b7s_mt)

2013-11-21 23:47:02
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《まもなく……11月22日0:00より……第九公演、第十公演、第十一公演、第十二公演が同時開演致します…… ご観覧の皆様はお席にお着きくださいますようお願い致します……》

2013-11-21 23:47:26
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

準備はみんな整ったかな? それじゃあ楽しい劇の時間だ! みんな殺し合って!奪い合って! その箱の中で惨めに踊り狂ってよ! 君らは愉快な操り人形なんだからさ! あははははははははっ! さあ、始めよう! そして、 . . 死ね。

2013-11-22 00:00:18
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

己の庭園を抜け門をくぐる。久々に踏み出した庭の外は、しかし庭園と変わらぬ荒れ具合。それらを気にすることも目を遣ることもなく、歩を進めていく。 歩き続け、また一歩、踏み出して。 きぃん、急な冷気。吐息は白く曇る。荒れ朽ちた木々は消え、広がるのは銀世界。薄く積もった雪が真白に輝く。

2013-11-22 00:19:47
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

空はインクを滲ませたような雲が覆い尽くしていた。 すこし目を丸くしたものの、すぐに無表情へ。ぎしぎしと足音を立てて雪原へ踏み込んでいく。真直ぐな点々とした足跡だけが残る。

2013-11-22 00:24:25
華夏の勇者 @battle_atom

「あら、周りが真っ白だわヴァーニャ」 「真っ白だねターシャ」 続く限り白銀の世界、そこにぽつんと佇む幼い人影は、白い息を吐きながら、お互い身体を寄せ合った。 「どういうことかしら」 綺麗な服を身に纏う少女が、隣の少年へと声をかける。 頬を寄せるその仕草は、まるで甘えている様だ。

2013-11-22 00:54:32
華夏の勇者 @battle_atom

「私達はさっきまで一緒にお昼寝をしてたはずだわ」 「そうだねターシャ。僕たちは日向ぼっこをしていたよ」 「そして、周りには綺麗なお花が沢山さいてたわ」 「そうだねターシャ。だって春だったんだもの」 「これは絶対おかしいわ、ねぇヴァーニャ」 「そうだねターシャ。その通りだ」

2013-11-22 00:55:12
華夏の勇者 @battle_atom

寒いわ、凍え死にそう。少女の言葉に、少年はそっとその手を握る力を強めた。少しでも温もりを分け与えられる様に、少女に身を寄せる。「どこか暖かい場所を探そう?」少年が言うと、少女は小さく頷き「だっこしてほしいわ」と少年に強請る。少年はそれを当然の様に受け入れ、屋根を探し、歩き出した。

2013-11-22 00:55:42
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

ぎしぎしと雪を踏み荒らしながら進む。延々続く白い光景に飽きてきたころに、ようやくなにかの影、らしきものが。 無言で近寄っていく。かたちは人の様。けれども、気配は。 「なあ」 呼びかける。声は届くだろうか。 「お前は、何だ?」

2013-11-22 01:18:57
華夏の勇者 @battle_atom

寒さをしのげそうな場所は、歩いても歩いても見つからない。 白い息を吐きながら、少年は心配そうに少女を見た。 少女は体が弱い、こうして少年に抱かれているのも、そうしなければ移動する事が出来ないからだ。彼女の足は細く、脆く、歩くことさえ儘ならない。 「ごめんね、もう少しの辛坊だから」

2013-11-22 01:35:55
華夏の勇者 @battle_atom

眉を下げて少年が呟く。少女は鼻頭を赤くさせながらも、笑顔で首を振った。 「…大丈夫。ヴァーニャが抱いてくれるから、あったかいもの」 「絶対に、あったかい所見つけるから」 「ありがとう。でもね、ヴァーニャ、それはもう少し遅れそうよ」

2013-11-22 01:36:45
華夏の勇者 @battle_atom

後ろを見て、と少女が言う。振り返ってみれば、自分たちの斜め後ろの方から何やら人影が近づいてきた。 「ご機嫌麗しゅう、ガスパヂーン。でも「お前」ではないわ。「お前達」よ。」 その人影から投げられた問いに、答えたのは少女の方だ。 「…それと、『何』、というのはどういう意味かしら?」

2013-11-22 01:37:33
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

「――それは失礼した。では改めて問おうか。お前たちは、何だ?ああ、何か、何かの意味、か。そのままだよ。お前たち、大罪なのだろう? ならば背負う罪は何かと、問うている。」 影の形がいびつだったのはそういう事か。少年と、少年に抱えられた少女。ふたつが、一つのかたまりだったから。

2013-11-22 01:46:22
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

距離は、声が届く程度には置き、仁王立つ。

2013-11-22 01:48:24
華夏の勇者 @battle_atom

「『大罪』…?それを聞くって事は、…そう、貴方も大罪さんなのね。」 スリ、と小さな体を少年の胸に寄せて、少女は少し悲しそうな声を漏らす。 少年の顔に手を添えて、首を伸ばしその柔らかな頬にキスをした。 「自己紹介をしましょう、ヴァーニャ」 「うん、そうだねターシャ。」

2013-11-22 13:36:53
華夏の勇者 @battle_atom

幼い二人は人影の方に向き合うと、朗らかな声をあげた。 「初めまして、ガスパヂーン。アナスタシア=オレゴヴナ=ゲルシューニといいます」 「イワン=オレゴヴィッチ=ゲルシューニです」 「私は【けたい】を、ヴァーニャ…イワンは【きぼう】をそれぞれ背負う…えっと、なんて言ったかしら?」

2013-11-22 13:37:41
華夏の勇者 @battle_atom

「怠惰だよ、ターシャ」 「そう、そう、それ!怠惰なの!…こんな格好での挨拶でごめんなさい。私、一人じゃ立てないものだから」 本当はお辞儀ぐらい出来れば良かったんだけど、と申し訳なさそうに少女は目を伏せた。 その後に続く様に、今度は少年の方が声をあげる。 「貴方は?どの罪何ですか」

2013-11-22 13:39:34
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

「けたい、きぼう、――怠惰か」 確認するかのように、小さく零し、少女の謝罪におざなりに返答。 「ああ、別に構わんさ。何か事情があるのなら、その程度の無礼は不問に処そう。しかしそうか、怠惰、怠惰か――」 ふたりが名乗った罪名を繰り返し呟きながら、問い返された声に目を眇めた。

2013-11-22 19:13:10
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

「私か?私は秩序、大罪の、一の罪たるArogansaさ。傲慢だよ。お前たちの名前に合わせるのならばвысокомериеとでも名乗ろうか。まあ、好きなほうで呼ぶがいいよ。私が傲慢であるということに変わりはない。全ての罪が始まる、秩序たる傲慢(わたし)は揺るがない」

2013-11-22 19:14:19
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

一息に告げて、だがと言葉を切る。 「だがね、お前たちは『怠惰』と言ったな?」 腰に帯びたエストックの柄に手をかける。 「もう少し前なら、良かったんだがなあ」 しゃらと、硬い音。 「もう、私の後ろに『怠惰』は在るんだ」 剣を構え。

2013-11-22 19:15:27
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

「二つも同じ罪は要らんな。『秩序』に相応しくない。ああ、すまない、ここで遭ったも何かの縁だ」 大変身勝手な理由で申し訳ないがね、 「お前たち、お前たちが在るだけで、お前たちは私の秩序を侵すのだよ。」 それは許せんなあと。揺らがずとも、秩序を侵すものは許せないと。うっそり笑う顔。

2013-11-22 19:16:26
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

「消えてもらうぞ、『けたい』と『きぼう』、私の秩序を侵す『怠惰』よ」 駆け出す。狙うのは少年の首。一息に突き刺さんと。

2013-11-22 19:16:43
華夏の勇者 @battle_atom

人影は、何かを手に構え、二人に向かって駆け出してきた。 わっ、と少女の顔が小さく悲鳴をあげ、反射的に少年にしがみつく。 少年は強く少女を抱きしめると、落ち着き払った表情で、トン、と雪の降り積もる地面を『軽く』蹴った。 ふわり、と宙に浮く身体。

2013-11-22 19:49:22
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