減反の廃止では、農地の集約はできるはずがない。

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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

減反廃止の話って、「目的は大規模農家への土地集約」だと政府も学者も言い張ってるんだけど。 本当に土地集約が目的なら、彼らが「小規模農家」と呼ぶ人たちに土地を売り渡すインセンティブを与えるのがスジでしょ? 減反廃止程度では、いわゆる「先祖代々の土地」を手放すはずがないよ。

2013-11-27 20:11:19
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

現実には、「農地」は全く農作業をしない人も含めて、多種多様な人の「資産」になっている。 その所有、権利関係がどれだけ複雑になっているかは、宮城県や岩手県で「高台移転」が、土地の名寄せがうまく行かない為に、進まないさまをみても分かる。  @karitoshi2011

2013-11-27 20:14:39
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

福島県でも、中間貯蔵施設や仮置き場の設置が進まない理由の一つとして、土地の所有者を確定できない事が挙げられた。元の所有者が死んだ時に、本来ならば相続人を確定して新しい所有者の名義にすべきだったのだが、相続で波風が立つのを避けて手続きしなかったのだ。 @karitoshi2011

2013-11-27 20:18:40
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

ここからは私見。 この国は、古代から「土地本位制」とも呼べるような状況だったのだと思う。公地公民制で、土地は一度すべて国家のものになった。しかし、荘園を許すことで、土地の国家独占は崩れ、貴族や寺社が権勢を獲得した。 @karitoshi2011

2013-11-27 20:25:45
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

平安時代の貴族や寺社の土地所有は、鎌倉幕府の地頭制度で崩された。幕府による土地の支配権独占で、一旦は中央集権に近い制度が実現した。しかし、幕府の権限が空洞化していく。やがて、戦国時代に至ると、土地の実質的支配権は戦国大名に移って行く。 @karitoshi2011

2013-11-27 20:33:20
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

江戸幕府は、大名達の土地支配権を認める、という形で統治していく。 部分的に大名の土地支配を変更することは行ったが、一度に全国の領地換えを行ったりはできなかった。土地支配権をある程度固定化させ、有力な大名を移動させずにいる間に、支配権の変化が来る。 @karitoshi2011

2013-11-27 20:43:07
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

明治維新で、支配者は一旦土地を集約し、大きな面積の土地を国家支配にして、残りを個人所有にした。全ての土地を政府が直接支配したままでいることは困難だった。代わりに、購入した土地を開拓して価値を生み出すなどの手法で、支配層は利益を拡大した、 @karitoshi2011

2013-11-27 20:48:11
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

明治時代の延長線上に、現在の土地所有があるのだが。 明治の民法下では、長子単独相続。土地を集約するには、これは良い制度だったのだろう。資本主義下の資本集約と平行して、「金を持つ者」のところに土地の所有権も集約され、地主ができる。 @karitoshi2011

2013-11-27 20:57:28
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

敗戦による米軍の政策で、強制的に巨大地主の土地が「解放」される。その時、土地を所有した人たちは思ったはずだ。「この土地が、私の財産である」と。そして、土地を含む財産の相続も、子どもが均等に相続権を持つことになった。 @karitoshi2011

2013-11-27 21:02:25
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

おそらく、敗戦のときに、土地の所有権は一旦整理されたのだろう。 しかし、それ以降は強制的に土地の所有権を確認されることはなかったので、以後、所有者が死亡しても名義の書き換えを行わずに、言い換えればうやむやにして、今の土地の状況が存在するのだ。 @karitoshi2011

2013-11-27 21:05:44
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

ハッキリさせようとすれば、親戚や近所同士でいがみ合う関係になることが分かっているのに、わざわざ土地の所有権をハッキリさせようとする人間が、一体どれ位いるだろうか?「地域の和」や「親戚の絆」を崩すことは、殆どの場合非難の対象となるのに。 @karitoshi2011

2013-11-27 21:07:43
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

薄本筋に戻る。 農地の集約を行う為には、その前提として所有権の確定が必要になる。 さらに、所有する土地、この国では権利の源泉ともなるものを、手放すという大英断が必要になる。 たかが減反政策が終わる程度で、そんな面倒なことをする人は、少数だろう。  @karitoshi2011

2013-11-27 21:10:41
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

私の眼には、大規模土地集約を国民が拒む、もう一つの理由もある。 いわゆる「兼業農家」や「やる気のない農家」の中には、自家消費と交際のために作物を作っている人達が、多数存在する。敗戦後の「農政」はそういう人の「農業」を、政策の視野から外してきた。 @karitoshi2011

2013-11-27 21:13:56
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

本気で、大規模農業のために、国民多数から土地を奪うつもりなら、 政府にはできること、なすべきことがある。 零細土地所有者から、国の権限と予算で土地を買い取れ。 それなら、国民の相当数が土地を売り渡すだろう。ただし、代償は金じゃない。生涯の生活保障だ @karitoshi2011

2013-11-27 21:17:35