国際法学たんによる防空識別圏に関する解説

国際法学たん( @kokusai_law_tan )による防空識別圏についての解説が分かりやすかったのでまとめて見ました。
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NHK国際部 @nhk_kokusai

おさえておきたいのは、「防空識別圏」は「領空」とは全く違うという点です。まるで防空識別圏が領空であるかのような中国の主張は、国際的には通用しないと思います。【時論公論 "中国防空識別圏"と東シナ海対立の行方】http://t.co/ne4dGlerWw

2013-11-27 18:57:16
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

防空識別圏(Air Defense Identification Zone:ADIZ)について話そっかなー。

2013-11-27 20:24:15
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

まず、領空(territorial airspace)と防空識別圏の関係からやなー。

2013-11-27 20:29:28
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

領空というのは、みんな知っているとおり、国家の領域の一部やなー。ここには領域国の主権がおよぶ。そして、領海みたいに、他国の無害通航権のような、領域国の属地的管轄権を制約するものもないんやわー。

2013-11-27 20:35:14
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

つまり、外国の国籍を有する航空機は、領域国の許可と、許可の条件に従う場合に限って、その領域国の領空を飛行できるっていうわけやなー。

2013-11-27 20:37:58
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

これを、領空主権の絶対性というんやわー。 だから、許可なく他国の領空に侵入した場合、それは「領空侵犯(airspace incursion)」にあたる。

2013-11-27 20:42:10
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

領海の場合は、単に領海に侵入したとしても、無害通航権というものがあるから、領海侵犯とは言われない。これが、領空と領海の違いやなー。侵入すること自体が即ちに主権の侵害を意味する領空と、そうじゃない領海との違いやー。

2013-11-27 20:45:22
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

領空侵犯があった場合、領域国は直ちにこれを停止させることが可能や。属地的管轄権の行使としてなー。

2013-11-27 20:49:34
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

何故、領空には領域国の主権が強くおよぶのかというと、それは航空機の特質に関係があるんやわー。航空機は高速で機動性に優れとるからなー、早く対処せんと首都上空にまで到達してるという場合もあるんやわー。

2013-11-27 20:55:22
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

これは、安全保障上の脅威になる。だから、「飛行計画(flight plan)」の提出を飛行の許可の条件にしたり、飛行計画と照らして不明な機が存在する場合に、要撃機をスクランブルさせるんやなー。

2013-11-27 21:00:02
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

スクランブルにおいては、領空に侵入しないように警告、領空侵犯がなされた場合は退去を命令、必要なら着陸命令を出し、ダメなら強制着陸させる、といった事がなされるんやわー。

2013-11-27 21:02:59
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

これらの強制措置は、領域国の属地的管轄権の一環であり、領域の安寧・秩序維持を目的とする警察活動であるとされとるわー。航空自衛隊が普段やってる領空侵犯対処措置というのも、国際法的にはこのような性質の活動なんやなー。

2013-11-27 21:07:28
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

警察活動である事から、法益侵害の程度と比例する限度内、つまり警察比例の原則に従っての「武器の使用」が認められる場合もあるわー。強制着陸させるための威嚇射撃とかは、この「武器の使用」にあたるわけやー。

2013-11-27 21:12:28
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

ADIZの話はどこに行った(驚愕 まあ、領空を理解せんことにはADIZの理解は難しいからなー。退屈やけどがんばってなー。

2013-11-27 21:14:54
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

しかし、非武装の商業民間機による侵犯の場合は、シカゴ条約によって、武器の使用はいかなる場合も禁じられとるな。進路妨害も最後の手段になっとるわ。当事国はシカゴ条約の規則に従わんとアカンのやなー。

2013-11-27 21:19:57
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

(問題は自衛権による武力の行使の場合やけどな。この場合は民間機であっても撃墜がなされることもあるかもしれへん)

2013-11-27 21:22:35
狼たちは知っている @wolvesknow

@kokusai_law_tan 大韓航空機撃墜のソ連はこれに当たるのですか? http://t.co/DAbLz79OTf

2013-11-27 21:25:12
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

@wolvesknow まさに武力の行使がどこまで認められるかというのが不明確やったからおきた悲劇やなー。当時は、民間機に対する「武器の使用」が認められるかどうかでさえ、対立があったから。

2013-11-27 21:37:08
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

さて、「領空」において、領域国が属地的管轄権として、何ができるかという話を一通りやりおえたなー。領空においては、領域国の主権は強くおよぶ。シカゴ条約といった条約によって、一定の制約はあるけれども、何もなければ原則的には、とても強く主権がおよぶんやー。

2013-11-27 21:27:18
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

では、その領空の限界はどこか? 水平的限界と垂直的限界があるけど、ここでは前者のみ扱うでー。

2013-11-27 21:40:26
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

「領空の水平的な限界=領土・領海の限界」つまり、海がない国は領土の範囲内、海に面する国は基線から12海里までの領海の範囲も領空があるというこっちゃなー。

2013-11-27 21:43:35
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

つまり日本みたいな島国なら領海上空も領空にあたるからお得というこっちゃなー。

2013-11-27 21:46:07
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

では、どこの国の領空でもない空域はどうなるか? これは「公空(international air space)」と呼ばれる空域にあたる。全ての国の航空機・飛翔体が自由に飛行できるんやなー。公海上空はまさに「公空」なんやわー。

2013-11-27 21:50:07
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

基本的に、国際法の中では、この領空と公空という二元的な分類があくまで認められとるんやわー。では、防空識別圏(ADIZ)とは何なんやろなー?

2013-11-27 21:52:41
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

防空識別圏(ADIZ)、それは領空侵犯に対する対処の実効性を確保する目的で、自国領空の外側に各国が独自に設定する空域のことなんやー。

2013-11-27 21:56:56