劉度
@arther456
「そういや、その文字、なんて書いてあるんです?」提督が絵に書かれたドイツ語を指差す。すると意外なことに、ホラニアはどもって顔を赤くした。「べ、別になんでも良いだろう」「あ、ひょっとしてあれですか。『おとーさんありがとー』みたいな?」「そんな幼稚な文ではない!」24
2013-11-29 22:19:02
劉度
@arther456
何が何でも教えないつもりのホラニアと、それをなんとか教えてもらおうとする提督。そんな二人を、波間から見つめる白い影が一つ。海水に濡れた花束を手にとる飛行場姫だ。ホラニアの姿を遠くから見ながら、彼女の口が動く。25
2013-11-29 22:22:20
劉度
@arther456
『父様、いつもお国のために、私達のために戦ってくれてありがとうございます。私が今日まで育ってこれたのは、父様と母様のお陰です。どうか父様も母様も、これからもずっと長生きして下さい。――父の57歳の誕生日へ、リコリス・ホラニア』声は波間に消えたが、父には確かに伝わった。26
2013-11-29 22:27:38