悪い男に騙される山城【解】『HAruna's waRD』二章二日目パーティー編
変な意地張らないで素直に高速修復財使えばいいのに。許可は下りてるんだから。 ドッグの病室の1つ。ベッドの上の日向に向けて言う。私も日向も高速修復財の使用の許可は下りたというのに、彼女は頑なに拒否した。 しばらくの間安静にしなければならないとの事。やっぱり重傷だったのね。
2013-11-25 19:04:51今回の負傷は、私の慢心と油断が招いたものだからな。痛みを甘んじて受け入れ、反省の機としなければならないさ。 高速修復財だって限られているしな。『いざという時』の為にとっておくべきだろう。
2013-11-25 18:51:33真面目というか何というか…。日向らしいけどさ。 私は既に入渠済みで、あれだけ包帯だらけだった全身も身軽になっている。ただ、あまりに複雑な傷な上に後から余計なダメージも与えられた左手だけは完治し切らずに、ガーゼと包帯が巻かれたままだ。それでも無理に動かさなければ痛みは無い。
2013-11-25 19:07:23やっぱりそんな事考えてたのね。死なせるわけがないでしょ、日向を。次に同じ事しようとしたら、その前に私が殺してやるからね。 それに、お礼を言うのはこっちの方よ日向。貴女とコブラ提督の銃弾が無かったら、私も『帰ってこれなかった』かもしれない。 ありがとう。
2013-11-25 19:10:14お互いに笑い合う。 私の為に引き金を引いてくれた日向もコブラ提督さんも、私の為に怒ってくれた最上さんも、あの場にいたみんなも。 誰かが欠けていたのなら今のこの時間は無い気がする。 私はこうして笑えていない気がする。
2013-11-25 19:12:28日向の瞳を見詰め返す。 一瞬だけ返答に迷う。 私は平気。どうにかする方法も見えたわ。山城と一緒に元通りになるから安心して。
2013-11-25 19:17:34ごめん、日向。嘘をついたわ。 口にはせずに、心の中で謝る。 方法は、まだ、見付かってなんかいない。 日向の顔からは嘘に気付いている様子は見えないけども、絶対に見抜いている。 けれども彼女は言及してきたりしなかった。 ありがとう、日向。必ず本当の事にするわ。
2013-11-25 19:20:06本人の見た目がそんなに変わってはいないが、左肩から先の包帯がなくなり、綺麗な肌が袖から見え隠れしている。 改になると怪我とかが綺麗さっぱり無くなるという噂は聞いた事があったけども、どうやら本当のようね。理屈は全くわからないけども。
2013-11-25 19:25:42今更何を言っているんだか。 いいんだよ。私はこの通りしばらくレベルを上げられそうにないしな。 改になれるのにずっとならないでいたら、提督に悪いだろう。 それに、山城が少しでも強くなってくれたのなら、私も嬉しい。 明日からも頑張れよ。
2013-11-25 19:31:55始終申し訳無さそうにしている山城と、自分の事のように嬉しそうな日向の2人を見守る。 そうしながら、山城の様子を注意深く伺う。 私達が出撃している間の、山城の話は既に聞いた。 切れて裂けて潰れて折れて斬れて砕けて割れて血に塗れた左手と左腕の事は。
2013-11-25 19:38:16出撃したわけでもない山城の重すぎる負傷。 そして何よりも、本人は何も覚えていなかったらしい。 どうしてそんな傷を負ったのか、何も。 目線を落とす。包帯の巻かれた自分の左手を。 同じ。 きっと同じように傷付けたんだ。山城は自らで自分の体を。 頭が、痛かったのよね。
2013-11-25 19:41:36