南西諸島防衛体制について、国際関係論と安全保障論の学徒・fj197099さんのつぶやき

12月の防衛大綱改定を間近にひかえ、当初防衛について状況を整理。
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fj197099 @fj197099

今年12月の防衛大綱改定ではほぼ間違いなく南西諸島方面への陸自の重点配備等の所謂「島嶼防衛」の問題が大きく取り上げられるものと考えられる。尖閣海域であのような事件のあったことであり、この動きは当然と考えられるが、しかし島嶼防衛態勢をどのように作るのか、些か関心がある。

2010-10-16 11:57:41
fj197099 @fj197099

朝雲新聞社の記事参照(http://bit.ly/cgQ21a)。また防衛白書が中国の海洋活動をわかりやすく示す。http://bit.ly/c0xxRf こうした情勢下においてこれまでソ連の着上陸侵攻阻止のために北方配備を重点的に考慮してきた自衛隊としては、どうすればよいのか。

2010-10-16 12:06:37
fj197099 @fj197099

南西諸島は次の地図(http://bit.ly/di8PXR)が示すように離島が点在する地域だ。中国は台湾侵攻に当たって日米の介入を阻止するため、宮古・八重山等の先島諸島への侵攻を企てるかもしれない。ところが自衛隊は沖縄本島以西には宮古島の空自レーダーを除き配備されていないのだ。

2010-10-16 12:12:10
fj197099 @fj197099

この海域で常時24時間態勢で警戒監視が行われているという訳でもなく、防衛上の空白があるとされている。そのため海自・空自による情報収集・監視・偵察(ISR)活動の強化や、陸自の即応態勢の充実あるいは「海兵隊」化などを通じて南西諸島方面の防衛を強化しようという訳なのである。

2010-10-16 12:14:20
fj197099 @fj197099

陸自に注目して言えば、現在九州に第4・第8の二個師団があり、沖縄には第15旅団(今年1月に第1混成団から格上げ)が置かれている。島嶼防衛の観点からはこれらの部隊が重要な役割を果たすことになると思われる。しかし、地図を見れば明らかだが、先島諸島へは沖縄からも相当な距離がある。

2010-10-16 12:20:05
fj197099 @fj197099

尖閣ばかりが注目されがちだが、実際には宮古島や下地島には大きな滑走路があってこれを奪取できれば同地域の航空優勢確保の上で重要な役割を果たす。石垣島でも現在新空港を整備中なので状況は似たようなものである。港湾という観点からは余り大きな設備はないが、やはり宮古や石垣は重要であろう。

2010-10-16 12:24:16
fj197099 @fj197099

つまりこの地域の離島には中国にとって戦略的な価値が大きいものが多い。それ故に尖閣のような僻地ばかりではなく、これら人口の多い離島の防衛も重要な課題になる。しかも、「距離の専制」を克服するためには部隊はなるべく近くに置いておいた方が良い。この点どうするかが重要な課題なのだろう。

2010-10-16 12:27:06
fj197099 @fj197099

宮古や石垣に自衛隊の一部隊を駐留させるべきとの意見も散見するが、これらの島は反軍思想が強くて自衛隊配備には否定的であるとも言う。島嶼防衛は甚だ困難な課題なのである。そもそも予算上の制約から陸自が大きく定員を増やすということも難しく、防衛省としても頭の痛い課題なのは間違いなかろう。

2010-10-16 12:31:41
fj197099 @fj197099

島嶼防衛に米国海兵隊の役割を期待できるかも注目点である。日本は既に2005年10月の日米「中間報告」で独自の島嶼防衛にある程度コミットしているし、最近米国は中国のA2/AD能力の向上で海兵隊の前方展開それ自体の意義を再考し始めている。島嶼防衛に独自の努力が求められる可能性は高い。

2010-10-16 12:36:16
fj197099 @fj197099

12月に日米共同で南西諸島海域における離島奪還訓練が行われるとの報道があるが、ある報道(「自衛隊が離島奪還訓練、南西諸島想定し12月」読売8/19)によれば実際に離島奪還をするのは陸自の空挺部隊の役目となるようだ。米国海兵隊ではないのである。日本独自の島嶼防衛のあり方が問われる。

2010-10-16 12:39:31