12/1-7twnovel

2013.12.1-7
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☯️青山藍明&トトちゃんとラブちゃんとリズさん @rangming

喫煙所を囲む植え込みのなかに、ガサガサと物音をたてながら、生き物が住み着いている。野良猫か、逃げたハクビシンじゃないか?同僚は気にもとめていない。煙は植え込みに向かって、残らず吸われていく。あいつが、漏斗のような口を突き出したところを、おれははっきりと見た。 #twnovel

2013-11-30 11:13:20
ヒンジ @hinge_

映画のような話でなければいけない、なんて思ってない。そんな大それた物語を待ち望まなくたって、小さな幸せは日常の中にたくさん潜んでる。ボンネットの上でニヤけた猫が眠っていた。私もニヤけて接写でピントを合わせシャッターを切る。今日も世界には、小さな物語 #twnovel が溢れてる。

2013-11-30 11:13:51
ヒンジ @hinge_

狭くて細長い箱のような場所に入り込んでしまった。「ここは何処?」天井の右上には「140」の数字。その数字がどんどん減っていく…何のカウントダウンなんだ!?ここは…! #twnovel の箱。気付いたところで、言いたい事なんて何一つ言えやしない。「…あ!」そして数字は「0」になる。

2013-11-30 11:16:11
☯️青山藍明&トトちゃんとラブちゃんとリズさん @rangming

土間に蹲って、泣いておる和服の女が出たと、長屋で女たちが騒いでいる。大家は、顔色が日に日に青くなっている。知っているんですか?女のひとりが訊くと、大家は知らないと、狼狽えながら答えた。長屋の住民は不気味さか、引っ越してしまった。やっとふたりだけだ。大家は笑う。 #twnovel

2013-11-30 11:18:18
ヒンジ @hinge_

#twnovel 地平線まで続く菜の花畑を歩く。空には二重螺旋の構造体がいくつも浮遊してるのに僕は好きなDNAを選べない。最後は絶対こうなる運命なんだ。僕の視界は、少しずつノイズが混ざって…プスン…クローズした。思い残すことなんてあるもんか…嫌気の差した現世ともこれで、さよなら。

2013-11-30 11:19:57
影時 @do_ob_eiji

#twnovel 天河神社のジンクス通り退職した。でも神意を知る為再参拝する意味がある?ドラマじゃあるまいし。でも俺は其処にいた。秋の大祭は初めてなのに何故か懐かしさを感じた。帰り道に眺めた天川の水は澄んでいた。無色透明なのにエメラルド色。無職透明な俺は透けてるだけなのか?

2013-11-30 11:38:28
ヒンジ @hinge_

#twnovel 僕の行き場のない思いは、とうとう体から脱皮して旅に出た。行き場もないのにどこへ行くと言うのだろう?僕はそれから、平穏を取り戻したものの気になって仕方がない。そうしてまた新しい行き場のない思いが脱皮しかかっている。もういい。旅に出るがいい。お前達のことは忘れるよ。

2013-11-30 11:38:48
德薙零己 @rtokunagi

#twnovel 「死刑になる前に何かやり残したことはあるか?」 「ああ。死刑は仕方ないが、それまで執行は延期して欲しい」 「それは何だ?」 「次の次のハレー彗星を見たい」

2013-11-30 11:59:00
パイパン男子bot @paipanman69

【探偵1】「犯人はあなたです」「ふざけるな!何の証拠があるんだ!」「被害者が握っていた麻雀の白牌は犯人がパイパンであることを示すダイイング・メッセージだったのです。あなたは被害者の寝室に落ちていたこの陰毛が自分のではないと自信たっぷりに否定しました」(つづく) #twnovel

2013-11-30 12:08:01
☯️青山藍明&トトちゃんとラブちゃんとリズさん @rangming

友人の結婚披露宴に、参加したときだった。彼女の父親が、手の甲を打ち合わせる拍手をしていた。ずっと反対していたと聞いた。あの拍手の方法は、なにを現すか、彼女には言えなかった。半月後、彼女の父親が病を患った。ほどなく退院したが、手の甲は点滴の跡だらけだったという。 #twnovel

2013-11-30 12:19:38
パイパン男子bot @paipanman69

書斎で剃毛していたところを娘に見られた。「お父さんが変態趣味だったなんて!」憎悪のまなざしを向ける娘。「ドアの鍵をかけ忘れたのは私が悪かった。だが、パイパンは趣味ではない…生き方なんだ」「知らないわよバカ!」叩きつけるようにドアを閉め、娘は出て行った。(つづく) #twnovel

2013-11-30 12:38:07
ブラッディーずきん @bloody_hood

やっぱり美味しいのは熊か狼だと思うの。人によって好みはあるからはっきりとは言えないけれど、少なくとも私はそう思うわ。まずは自分が美味しいと思わないと人には勧められないものね。というわけで、今、北アメリカに着いたわ。今日こそおいしい肉を手に入れなきゃ。#twnovel

2013-11-30 12:56:40
ブラッディーずきん @bloody_hood

この時期の熊はとても凶暴。冬眠前で食べ物を探して気が立ってるの。でも、だからこそいいんだわ。いっぱい食べて肥え太った熊の肉は、さぞかし美味しいでしょうね。森に入ると、同じく木の実を食べて太った兎やタヌキを見かけたけど、弱い者に興味はない。狙うはグリズリーのみ。#twnovel

2013-11-30 12:59:27
ブラッディーずきん @bloody_hood

見つけたわ。まだ子供ね。でも子供の肉も柔らかそう。と、思ってたら後ろに気配を感じた。振り返ると母親が立っていた。全長3.5m。私の身長の優に2倍はあるわね。大物が釣れるのは嬉しいけど、今回は細い山道を通るから斧は置いてきたのよね。時間は掛かるけど、鉈でやりますか。#twnovel

2013-11-30 13:00:43
ブラッディーずきん @bloody_hood

熊が右前足を振り降ろす。それを避けつつ首筋に鉈を。と思ったけど、枯葉に足を滑らせて狙いを外しちゃった。少し肩をかすった程度。しかも血を見て熊が興奮しだしたわね。地の利は向こうにある。これは長引かせると危険かしら。私は鉈を握り直す。#twnovel

2013-11-30 13:02:11
ブラッディーずきん @bloody_hood

先手必勝。今度は私が先に動いた。熊の息を吐いた時を見計らって懐にダッシュ。大地を蹴って熊の首を狙う。でも、足元が悪い中で跳躍力も半減。おまけにこの身長差。首を深く抉ることはできなかったわ。しかも着地した時に足を滑らせて転んじゃった。あーあ、お気に入りのスカートが。#twnovel

2013-11-30 13:07:17
ブラッディーずきん @bloody_hood

その私を狙って熊が右前足を振るってきた。転んだ女の子に手を差し出すのは男の子の役目よ。そう言って私はその手をかいくぐって熊と距離を取った。私を捉えそこねた腕は太い木をなぎ倒す。私と熊の間に木が倒れこむ。こんな事なら斧を持ってくるんだったわ。斧なら一発なのに。#twnovel

2013-11-30 13:11:51
ヒンジ @hinge_

#twnovel 雨だと思ってたら急に晴れた。8時だと思ってたら10時だった。おやつが戸棚にあると思ってたら何もなかった。温かい珈琲だと思ってたらとっくに冷めてた。いけると思ってたらいけなかった。味方はみんな敵だった。世の中思い通りに行かないもんだ…世の中の通り思ってないだけか。

2013-11-30 13:13:15
すわぞ @suwazo

#twnovel いつもの古具屋に行く。お洒落なアンティークが並んでいて、どれだけいても飽きない。店主とも仲良くなった。たまに紅茶を淹れてくれたりする。「開店当初から一度も売れてない物があるんですよ」と店主。初老の男性だけど笑顔がキュートな。欲しいと言ってもいいという事だろうか。

2013-11-30 13:13:26
ヒンジ @hinge_

#twnovel 何となく繋いだ手を何となく離し「またね」僕は最後に嘘をついた。また、なんてもうない。何もかも曖昧だった僕たちに深刻な別れの言葉は似合わない。点滅するランプで赤く染まる踏切越しにいつまでも手を振った。君は僕を愛さない。もうずっと前から最後は笑顔でって決めてたんだ。

2013-11-30 13:14:33
ヒンジ @hinge_

#twnovel 目覚めたら全ての記憶が消えていた。名前も仕事の仕方も好きな人のことも。だけどなぜか漠然とした希望だけはあった…1から新しい自分になれるんだ!と云うような。まず、外に出よう!意気揚々とドアへ向かう。さて?僕は靴の履き方も忘れていた。どうしたら外へ出られるんだっけ。

2013-11-30 13:15:58
粉粧楼bot @fenzhanglou_bot

ここまで来てしまっては、できることは「もう忘れてもいい」を思い出に打ち込み続けて、セミコロンのような大きな区切りをつけることだけ。それだけの決意しか持てなくても、ブルムーンと見つめあうことができる夜だから、今だけは許されてもいいはずとは思える。 #twnovel

2013-11-30 13:16:17
ブラッディーずきん @bloody_hood

あ、そーだ。私は倒れた木を見て名案を思いついた。鉈で手頃な枝を切る。これだけ太い木なら枝も太く長い。私が切ったのはちょうど熊と同じぐらいの長さの木の枝。斧を持ち慣れてる私にはこれぐらい何てことない。これでリーチの差は埋まった。さあ、勝負を決めるわよ。#twnovel

2013-11-30 13:17:19
ヒンジ @hinge_

#twnovel 切ってしまえたらラクになるのかな。自分に繋がる無数の糸。ジョキジョキ…無心に切ってみる。フワリ浮かんだ体は満月に導かれ空へ空へ昇ってく。「痛!」全部切ったはずなのにグッと体に食い込んだ。振り返ればまだ繋がってる1本の糸。糸は月光に照らされて鮮やかな赤色に輝いた。

2013-11-30 13:18:04
ヒンジ @hinge_

#twnovel 君に不快な思いをさせてしまって僕はもう余計なことは言うまいと思った。君を怒らせてしまってもうなるべく話すまいと誓った。君も話さなくなって穏やかな日々が過ぎてゆく…僕は悟った。2度と話すまい。君は驚いて泣いてくれた。棺の中に手を伸ばし、やっと僕を見て泣いてくれた。

2013-11-30 13:21:23
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