【二次創作な】ゲームブック「虚構のクロコニンジャ」エピソード2

欺瞞動画の会社 @naclaqns

ニンジャスレイヤーアンオフィシャルノベルゲームブック「虚構のクロコニンジャ」より：「モータードリヴン・ブルース」

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【0】 物語を始める前に、準備をお願いしよう。紙に欄を追加してくれ。小さくていい。次にその欄の横にこう書く…「好感度」。古式ゆかしいシステムだ。【好感度＋1】といった表記に出会ったらこの欄に数値を追加してくれ。初期値は【0】、マイナスの値を取り得ることに注意してほしい。

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【0-2】 君が「レイジ・アゲンスト・トーフ」をプレイしてくれたなら、恐らくHPやジツの使用回数に傷を負っていることだろう。今や君は十分な休息を取った。【ニンジャスレイヤー】の【ナラク・ウィズイン】で減少した最大HP以外の数値は全て回復する。…気分を壊してすまなかった。【1】へ。

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【1】 「グワーッ！？グワーッ！？グワーッ！？グワーッ！？」ただならぬ悲鳴と殴打音を君は聞きつけた！普段ならニンジャの世界に生きる君がモータル同士のいさかいに興味を示すことなど無かっただろう、だが未だに黒幕のシッポすら掴めていない状況では、何がサイオー・ホースとなるか分からない！

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【1-2】 トタン屋根を跳び移り、君は凶行の現場へと急ぐ。そこで君が見た物は…ナムサン、濡れたアスファルトに転がる大柄な男、そして彼を取り囲むモヒカンの群れだ！男の出で立ちは極めて奇妙だ。宇宙服と甲冑を足して割ったような白い装甲服！それだけがモヒカンキックから男の身を守っている！

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【1-3】 だが…鉄パイプやバールが登場するに至ってついにその加護も失われた。容赦無く加えられる打擲！へこみ、ひしゃげ、引き剥がされる装甲服！座視すれば男の運命は明らかだ、助けるなら【4】へ、もう少し様子を見るなら【2】へ。

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【2】 「キグルミ野郎！」「ファックしたい！」「グワーッ！？グワーッ！？グワーッ！？」尚も続く暴行！装甲服の電装が火花を散らし、金属的だった打擲音は肉を叩く鈍いそれに変わりつつある。【好感度-1】、そろそろ助けてやってはどうだ？慈悲があるなら【4】、君がサディストならば【3】へ。

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【3】 「グワーッ！？グワーッ！？グワーッ…グ…」もはや男は胎児めいて身を丸めるのみだ。流出オイルにどす黒い血が混じる様はもはやジョークでは済まされぬだろう。これ以上の傍観は選択肢に無い、君はトタン屋根からアスファルトへと降り立つ！【好感度-1】【4】へ！

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【4】 「何だァ？」「ダレ？狂人？」「ダチ？こいつのダチ？」「オカネある？」「ファックする？」カラテシャウトに振り向いたモヒカン達は手に手に凶器を携え君を取り囲み始める。被害者の男は地面に突っ伏し動く素振りを見せない。

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【4-2】 改めて戦闘の方法を説明しよう。まずダイスを2個振る。一つは君の、一つは敵のダイスだ。それぞれの出目をそれぞれの【カラテ】値に加算し、その数値の差分が、値が低かった方の【HP】から引かれる。先に【HP】がゼロになった方が敗北だ。

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【4-3】 君が勝利した場合でも【HP】は特に回復せず、そのまま次の戦闘に持ち越される。さて、モヒカンは【カラテ：3　HP:2】。４人居るから４回戦わなければならないが、所詮はヨタモノだ。全員蹴散らしとっとと【5】に進め、ブザマにも敗北したなら【14】へ！

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【5】 「「「「グワーッ！？」」」」アザヤカ！君は呼吸をするようにモヒカンどもを蹴散らした！君は倒れ伏す大男に近寄る。ワイシャツは裂け、スラックスはもうハーフパンツだ。何よりも時おりうめく他は動く素振りすら見せない…命に別状は無かろうが手ひどいダメージだ。

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【5-2】 君はその男を引き起こし、アザの残る頬を数度叩いた。巨大な頭部とは対照的につぶらな目を開き、男はこう言ったのだった。「そ…そこのオマエ…。助けろ…。僕は社長だぞ…！オムラの…！」何たる不遜な態度！君はある種の尊敬さえ覚えたが…男は再び気を失った。みるみる顔色が白くなる。

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【5-3】 君は逡巡した。マッポに通報しこの場を立ち去る事もできる。だが君は感じていた…バンディットを、あるいはシガキを、あるいはビホルダーを見た時と同じ、デジャブによく似た何かを。君はこの巨大な荷物を背負い、その場を後にした。→【6】

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【6】 都市の闇に生きる者…つまり君…にとって、アジトに求める条件は二つだ。まず人目に付かない事、次に可能な限り安全である事。故にこの場所がどこであるかはさしたる問題ではない。廃ビルの片隅、無人テンプル、退廃ホテルの一室、あるいは高級マンション…君の想像力に任せよう。

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【6-2】 ともあれ、件の大男が苦悶の表情で君のベッドに横たわっている事だけは確かだ。では君は何をしているのか？カレーライスを作っているのだ。男を一人アジトに残すわけにもゆかず、かと言ってアジト内ですべき事も無い。ならば栄養補給と休養に努めるのがニンジャのあるべき姿だろう。

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【6-3】 君は具材の浮かぶ鍋に不気味な塊を放り入れる。溶液は見る間に粘度を増し、やがてスパイシーな香りが…「ウオーッ！」何事だ！？→【7】

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【7】 君が振り向くと、そこには鬼気迫る表情の大男！鼻息が荒い…コワイ！君が【ヤモト・コキ】なら尚更だ！どうする！？アゴに一発お見舞いして黙らせるのはいい考えだ、【8】へ。もしくは…少し待ってみるのも手か。【9】へ。

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【8】 「グワーッ！？」裏拳が大男のうすらでかいアゴにヒット！よろけてベッドに逆戻りだ、しかしすぐにまた立ち上がり「ウオーッ！」タックルを繰り出す！もう一発裏拳！「グワーッ！？」再びよろける大男、それでも物理的に巨体タックルは止まらない！君は彼の下敷きとなった！

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【8-2】 君は抱きつかれたまま苦労して立ち上がり、男の顔を両手で張った。男は目を白黒させて意識を取り戻し、「ウーッ…」獣じみてうなる。→【9】【好感度＋2】

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【9】 「ウーッ！ウーッ！」君は男の様子をカラテ牽制しつつ探る。よく見ると血走った目は君を向いてはいない…男が見ているのはその背後、カレー鍋だ。君は注意しながらヒビの入った皿にライスを盛り付け、まだルウの溶けきっていないカレーをその上から注いだ。

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【9-2】 男は巨体に見合わぬ俊敏さでそれを奪い、ハシ立てからスプーンを抜き出して掻き込み始めた。数秒で半分ほど平らげたところで男はベッドに腰掛け、残る半分を味わいながら口に運ぶ。少し辛かったのか、目尻には涙が溜まっていた。

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【9-3】 皿が空になった頃には、男の頬には子供めいた赤みが戻っていた。周りにカレーが付着している口をモゴモゴと開く。 「ドーモ。モーティマー・オ…コズマです」偽名だ。故に君も偽名でアイサツを返そう。君が【ニンジャスレイヤー】でないならネーミングは自由だ。名乗り、【10】へ。

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【10】 君とモーティマーとの奇妙な生活はこうして幕を開けた。傷が癒えるとともに彼にできることは増えていった。初めは野球ミットのような手で皿を洗うところからだ。洗濯機の動かし方もトークン貨幣の使い方もモーティマーは知らなかった。

欺瞞動画の会社 @naclaqns

【10-2】 君は記憶喪失を疑ったが…過去をひた隠しにするような寡黙さは、それとはまた異なるアトモスフィアだ。いずれ何も語らぬこの男は、この男なりに真摯だった。→【11】