【二次創作な】ゲームブック「虚構のクロコニンジャ」エピソード2

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【11】 彼が一人で出歩くようになってから十数日。 「タダイマ…」 モーティマーはいつもの怒ったような顔で君のアジトに帰ってきた。君はアグラ・メディテーションを中断し、立ち上がりながら振り向く。目の前に突き出されたのは巨大な握り拳だ。

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【11-2】 少し擦り傷を負った拳が開かれると、そこには武田信玄が一枚、マツオ・バショーが一枚、クシャクシャになっていた。 無口なモーティマーがその巨体で示す意思は固い。君はこの六千円をどうする？受け取るなら【12】へ、奥ゆかしくその手を押し戻すなら【13】へ。

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【12】 君が湿った六千円を手にすると、モーティマーは丸々とした顔を多少動かした。君は彼にまだ笑い方を教えてはいない。それにしても六千円である…外食しよう！君はこの大男に何を食べさせたい？可能な限りの想像力を働かせつつ実際それを食べに行き、【15】へ。【好感度＋2】

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【13】 モーティマーはバツが悪そうに手を引っ込め、紙幣をポケットに仕舞いこんだ。しばらくそうして突っ立っていたが…やがて君がバイオサンマを焼き始めると、いつも通り手を洗って食卓に着く。ウシガエルの鳴き声めいて、その腹が鳴った。→【15】

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【14】 鍛え上げられ、組み上げられた鋼鉄には魂が宿る。ヒッタイトの鍛冶職人から幾千年が経とうと彼らの仕事は変わらない。「そうあれかし」と祈り、そして戦場に鋼の悪魔を送り出すのだ。君は鉄クズの塊に負けたのではない。人間の、男達の意思に負けたのだ。

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【14-2】 なればこそ君はきっと打ち勝てる。人と人の意思がぶつかり合う時、その勝敗を決めるのは火力でも重量でもない。君が内なるカラテを研ぎ澄まし、また挑戦してくれる事を切に願う。【ＧＡＭＥ　ＯＶＥＲ】

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【15】 更に数日が経過した。モーティマーは最後に君から幾ばくかの金を借り、アジトを去った。闇の世界の住人である君はセンチメントとは無縁かもしれないが、それでもこの狭い部屋の大半を占めていた物体が急に消えれば喪失感はある。手持ち無沙汰となった君は、はたと本来の目的を思い出す。

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【15-2】 つかの間の家庭生活は既に失われた。本来生きるべきサツバツの世界に帰る時が来たのだ。毛先の開いたハブラシ、スモトリサイズのパンツ、安全カミソリ。君はモーティマーの忘れ物を処分し、夜の街へとダイブする。→【16】

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【16】街頭オイラン放送が鉄鋼関係株のにわかな高騰を告げている。前回の事件から丸一月は経っているはずだが、アナウンサーの告げる日付は君が最後に記憶した物と同じだ。君は喧騒の中に情報を求め、チョイノミ・バーのノーレンをくぐる。

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【16-2】 バーはそれなりに繁盛していた。ドリンクを注文した君は、労働者達のグチに耳をそばだてる。ネオサイタマに積もる陰謀はその全貌を容易には明かさないが、こぼれ落ちた情報は下層へと沈殿する。「あの監督を殺してやる」「飲んだら乗るな」「ジョルリがよう」「コレガコレモンデ」

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「オジャマシマス」会話の断片を拾い集める君の隣に、背広の男が腰掛けた。ブルーカラーの溜まり場であるチョイノミにその装いは若干異質だったが、やがてそれも埋没する。男はタコスを注文した。そしてそれを…君に勧めた。→【17】

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【17】 優男のフレンドリーな笑みに油断してはいけない。幾多のシュラバを経験した君は、この男が只者ではないことを既に悟っている。見よ、ワイシャツの袖から覗く、引き締まった腕を。日常的に命をやり取りする者にしか備わらない筋肉だ。ヤクザか？…あるいは？「ドーモ。僕はこういう者で…」

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【17-2】 男が紺スーツの懐からちらつかせたのは、幸か不幸かチャカではなかった。ただしそんな物よりも余程剣呑だ。黒地に金箔押しのガーベラがあしらわれた、デッカー手帳である。 「タバタ・ヤスキリです。食べてくださいよ、タコス」→【18】

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【18】 狡猾なデッカーはターゲットを決して暗い路地裏に追い詰めたりはしない。衆人環視こそが彼らの武器だ。君がやむなくトルティーヤを掴むと、タバタと名乗ったデッカーはアンブッシュめいて本題に切り込んできた。「この方、御存知です？」タバタが取り出したのは雑誌のスクラップだ。

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【18-2】 「強くて凄い！モーター理念の飽くなき成長」と題された記事には…ナムサン、血色の良いモーティマーが吠え掛かるような顔で拳を振り上げているではないか。君はタバタの顔を見てしまう。これでは関係者だと白状したようなものだ。既にデッカーの術中である。タバタは薄く笑って頷いた。

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【18-3】 「デスネー。モーティマー…コズマ＝サンでしたか？何でも、知っている事があれば」タバタはジンジャーエールを注文し、タコスをつまんだ。決して心を許せる人物ではない。だが同時に悪徳デッカーでもなさそうだ。シラを切り通すか、探りを入れてみるか。それぞれ【19】、【20】へ。

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【19】 「…そうですかァ、勘が外れちゃったなあ。ああ、タコスはオゴリです。せっかくだし食べちゃって下さいよ。どうです？景気は」タバタはまだ諦めてはいないようだ。ちょくちょくとタコスをつまみながらも君に世間話を持ちかける。デッカーのセオリーが身に染み付いているのだ。

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【19-2】 何度目かの「デスネー」と同時に、タバタの顔が強張った。君も同時だ。喧騒に混じり、かすかに聞こえてくる悲鳴…そして…モーター音…！ 「今夜はスミマセンでした。いずれ、また」君はタバタに別れのアイサツを返した。そのコンマ二秒後！→【21】

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【20】 「デスネー。見ての通り、彼はオムラ・インダストリの社長職にあります。その彼がなぜあなたに養われていたのか？僕にはもう分からないですよ。あります？心当たり」聞かれたところで君に何が言えるわけでもない。君は出会いから今までにあったことをタバタに語った。

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【20-2】 独特の相槌を打ちながらそれを聞いていたタバタだったが…突然君と目を合わせた。「今夜はスミマセンでした。いずれ、また」突然のオヒラキの理由を君は知っている。先程から響いてくる悲鳴とモーター音！君とタバタは席を飛び離れる！→【21】

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【21】 「イヤーッ！」ＣＲＵＵＡＡＳＨ！！間一髪！君とタバタの居た席は瞬時に木屑になった！バーの半分をガレキに変えつつ突入してきたそれは…鋼鉄のゴリラ！振り下ろされたパンチはまるで解体ハンマー！「ピガッ！ドーモ、モーターサスガ、デス！今ナラ降伏ヲ受ケ付ケテ！イマス！イマセン！」

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【21-2】 「イヤーッ！」無闇に快活なメカ音声とともに鋼鉄ゴリラは左腕を一閃！瞬時に体勢を落とした君の頭上を固定式歯車ブレードが通過、半径五メートル圏内の物体は高さ一六〇センチより上部を喪失！バー真っ二つ！君は素早く店外へと脱出、視界の端に匍匐で逃げ出すタバタを確認！→【22】

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【22】 既にストリートはゴアとアビ・インフェルノの混沌だ！崩壊するバーの中からモーターサスガが身を起こし、積もった埃をエンジン振動で振り払った。二基の肩部サーチライトが旋回、最終的に君に狙いを定める。それだけではない、大げさな構造音とともに歯車ブレードを盾めいて構えた！

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【22-2】 力強くショドーされた「モーター理念」とは一体何事であろうか？だがそれを確かめるヒマなど無い！「ピガガッ！ドーモ、モーターサスガデス！迷イガ実際無イ！ニンジャ発見、デモンストレーション、ヲ、開始シマス！イヤーッ！」

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【22-3】 再び襲い来るハンマーパンチ！モーターサスガは【カラテ：5　HP:10】、ただしその火力超ヘビー級！君が受けるダメージは【＋1】上乗せされる！勝利したなら【23】へ、敗北したなら【14】へ進め！