特定秘密保護法に潜む行政法上の問題点は?

特定秘密保護法には主に、 1 第三者機関の独立性が不十分なこと 2 特定秘密の載った文書の移管の手続が不十分なこと …って問題点があると思ってます。 続きを読む
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行政法たん @admi_tan

特定秘密保護法には問題があるって言われているよね。わたしもそう思うよ。どこら辺に問題がありそうかを少し見ていこうか。

2013-12-08 22:20:37
行政法たん @admi_tan

特定秘密保護法に潜む行政法上の問題としてわたしが重視しているのは次の2つだね。 (1)特定秘密の指定、解除等の運用をチェックする第三者機関の独立性が不十分なこと(もっと言うと、第三者機関といえるような機関がないこと)、 (2)特定秘密の載った文書の移管の手続が不十分なこと。

2013-12-08 22:27:01

1 第三者機関の独立性が不十分なこと

行政法たん @admi_tan

まず、第三者機関の独立性だね。特定秘密の指定などの妥当性をチェックする第三者機関としては「情報保全監察室」が設置されるみたいだし、この組織がどんな構成になる予定かを見てみようか。(参照 http://t.co/eCzUouWZnu http://t.co/WXl9dRmUNr

2013-12-08 22:33:34
行政法たん @admi_tan

情報保全監察室の概要:(1)内閣府に置かれる20人程度の組織。将来的には「局」に格上げされる。(2)トップは課長級の職員(局に格上げされたら局長級になるのかな。)、人数はたぶん1名。(3)職員は外務省、防衛省、警察庁など機密性の高い情報を扱う省庁からの出向者で構成する。

2013-12-08 22:34:52
行政法たん @admi_tan

(1)について:内閣府に置かれるのはいいとして20人は少ないね。将来的には増やしてほしいな。特定秘密の前身、防衛秘密だけでも結構な数があったはずだし。(防衛秘密だと技術的な事項が件数をかさ上げしているって話だけど、それでも20人は少ない気がするね。)

2013-12-08 22:41:10
行政法たん @admi_tan

(2)について:トップが1人でしかも課長級(局長級)っていうのはどうかな。いろんな圧力を回避するためには、独立行政委員会にした上で委員は国会両院の同意を得て任命されるようにした方がいいと思う。情報を違法に隠していないか等をチェックする重要な機関なんだからその位はした方がいいね。

2013-12-08 22:45:25
行政法たん @admi_tan

(3)について:他省庁から来た職員で構成するのは仕方ないね。ノウハウとかを引き継ぐ必要があるし。でも、元の所属官庁に戻るのは禁止した上で職員の採用は自前で行うのがいいと思う。原子力規制庁みたいに。他省庁からの出向者で占めるんじゃなくて、独立した官僚組織を持つ方がいいってこと。

2013-12-08 22:47:22
行政法たん @admi_tan

第三者機関として独立性を保って公正なチェックをするには、チェックの対象となる組織からある程度距離を保って、その組織からの命令や干渉をあまり受けないようにする必要があると思うよ。その点からすると現在設置される予定の「情報保全監察室」は心もとないかな。

2013-12-08 22:52:16
行政法たん @admi_tan

国会にも監察機関が設置されるっていうニュースを話もあるみたいだね。しっかりした官僚組織を整えるのなら、組織形態や有する権限によってはアリかもしれない。 チェックされる特定秘密の件数が少なすぎると効果は薄れるから、数をこなせるようある程度の人員は確保されないとね。

2013-12-08 22:53:19

2 特定秘密の載った文書の移管の手続が不十分なこと

行政法たん @admi_tan

次に、特定秘密の載った文書の移管の手続だね。現状だと公文書管理法に基づいて廃棄されることになるんだけど、廃棄するかどうかは行政機関の長と内閣総理大臣の権限で決めることができるんだよね。30年を超えて特定秘密の指定を延長しようとして内閣の承認を得られなかったっていう場合を除けば。

2013-12-08 22:54:54
行政法たん @admi_tan

でも、特定秘密に指定されていたことがあるような重要な情報が載った行政文書は、原則として国立公文書館とかに移管するのがいいんじゃないかな。現状のままだと、内閣総理大臣の政治的な判断で当時の政府が何をしていたのかを示す貴重な歴史資料が闇に葬られかねないよ。後世にとっては損失だよね。

2013-12-08 22:58:14
行政法たん @admi_tan

それに、現状でも歴史資料として重要な公文書その他の文書のうち国立公文書館などに移管された「特定歴史公文書等」は無条件に公開されるわけじゃないんだよ。利用したい(見たい)って請求を受けても、情報公開法でいう不開示情報と同じような情報が載っていれば請求を拒むことができるんだ。

2013-12-08 22:59:14
行政法たん @admi_tan

「特定歴史公文書等」として国立公文書館などに移管されていれば、今は非公開でもいつかは日の目を見るかもしれない。でも、廃棄されてしまった行政文書は永久に失われるんだよね。貴重な歴史資料になるかもしれない類型の行政文書を廃棄できる今の公文書管理制度には、問題があると思うよ。

2013-12-08 23:05:31
行政法たん @admi_tan

(まあこれは特定秘密の載っている行政文書に限らず、特定秘密の載っていない行政文書や公文書管理法の適用を受けない公文書なんかにも言えることなんだよね…。)

2013-12-08 23:06:08
行政法たん @admi_tan

以上の問題を解決するためには少なくとも特定秘密保護法、内閣府設置法、公文書管理法の改正は必要になるかな。

2013-12-08 23:07:39

余談

行政法たん @admi_tan

(ほんとは今つぶやいた2つのことよりも特定秘密の漏洩・取得について共謀、独立教唆、扇動をすることまで処罰対象になっていることの方が問題だと思うんだよね。 でも、それを論じるためには余白が…じゃなくて、わたしの刑事法の知識が少なすぎて論じ切れないかな。)

2013-12-08 23:10:23
行政法たん @admi_tan

【余談】わたしは特定秘密保護法(案)について長々とつぶやいてきたけど、実は「一度くらいは触れても良さそうなものなのに一度も触れていない条項」が2つほどあるんだよね(確か触れていないはず…)。どの条項なのかを推理してみて、なんで触れていないのかを考えてみても面白いかもしれない。

2013-12-09 00:04:24