英語教育のこと＠國分功一郎

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

ちょうど西洋古典の先生と話をしていたのだが、大学生以上は英語しかやらない、けれど英語ができるわけじゃない。むしろ英語力は低下していると思われる。

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

とある政治学の先生から聞いたのは、ペラペラ英語を喋るが、英語の文献読解が驚くほどできない学生がいたということ。

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

日本語できちんと文章が読めないなら、外国語で読めるわけがない。そして、読めない人は書けない。

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

昔『元気が出るテレビ』に出た園児が忘れられない。肝試しの企画。泣いてるその子にナレーターが「お前は英語をやってるそうだな」「うん（泣きながら）」「英語で数を数えてみろ」。「ワン…ツー…」まではよかった。その後、下唇を前歯で噛みながら「フリー」、前歯に下を挟みながら「ツォー」。

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

つまり「thは前歯に下を挟みながら、fは下唇を前歯で噛みながら発音するのよ」ってだけ習ってるので、こんがらがってるわけ。3だったか4だったかが分からなくなってる。そりゃそうだよ。そして、そんなことを園児は分からなくていいよ。だって中学生になったら、そんなこと一瞬で覚えられるもん。

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

その代わり、幼児は少年期以降の人間は持たない別の強力な吸収力をもつ。毎日子どもを見てれば分かるけど「世界から学ぶのはもうこれぐらいでいいんじゃね？」と思うぐらい毎日吸収し、変化してる。その時に、後でやれば簡単にできること（たとえば英語）を、わざわざ苦労して教える必要はない。

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

いつから英語をやるべきかは、まだ検討の余地はあるだろうが、早めればいいとか、英語で授業やればいいとか、そういう発想は勉強したことのない人の発想。

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

語学は読解と作文をやらないと着実には身につかない。しかし、これが非常に軽視されている。

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

今は大学でも第二外国語が次々と必修から外されている。俺もそれをどうにもできなかったし、実際、二外がある限り永遠に卒業できないのだろうという学生がするなからずいる。しかし、かつて大学では、これができない人は門前払いだったわけだ。

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

第二外国語は身につかないとか言う人もいるが、身につかなくても英語以外の言語を学び、その文法を知るだけで、英語への理解も広がる。

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

俺は高校の時、"God save the queen"にという文についての授業等での説明に納得がいかず、モヤモヤしていた。ところがフランス語をやって、これが要するにフランス語で言うところの接続法なのだと知り、晴れ晴れとした気分になった。今はどう教えてるのだろう？

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

それにしても英語教育に携わっている先生の話を聞くと、今のやり方に問題があることは分かっている一方、社会の流れ、社会からの要求にも合わせたりしなければならないので、既成の問題含みのメソッドの中で何とか努力せねばならないようで、大変そうだ。

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

俺が勝手に一人でやってる講義なら「これが一番いいやり方だ！」と自分で納得がいくメソッドを採用できるが、英語は大きな機関で教えられることが多いからそういう訳にいかないことが多いのだろう。