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色ばかりがあふれるように、花々が降り積もる午後にふたりだけ閉じ込められているようだと思っていた。かたわらにいる日々は、踏まれる花だけ明るい道を行くみたいだと感じていた。行き先が間違っているからこそ、その道は輝くのだと、その頃はまだわからなかった。 #twnovel
2013-12-07 13:16:17「会社辞めたい」と呟いた。「大丈夫」と返してくる男がいた。プロフィールには55歳。「会社辞めたい」毎日呟いた。「大丈夫」毎日返してきた。ある日呟いた「死にたいです」。次の日、何の前ぶれもなしに父が上京してきた。20年ぶりに私を抱きしめて言った。「大丈夫」 #twnovel
2013-12-07 14:09:07地図を持って外へ出た。予め考えていた道順通りに行けば店に着くはずだ。しかし実際は工事中だったり一方通行だったりと思うように進めない。回り道を繰り返してやっとの思いで店と思われる所に着いた。そこで気が付く、私はメモを忘れてしまったのだ。一体ここへ何しに来たのだろう。#twnovel
2013-12-07 14:30:05翌日。クリスマスまであと5日―――。優紀子は美容室に来ていた。「奈須くんをビックリさせようと思って」嬉しそうに私に言った。「ショートにするの?似合うかしら」「え、なんで分かったの?………あ、そうか。キューピッドさんは私のこと全てわかるんだったっけ」 #twnovel
2013-12-07 14:38:01写真をよく撮っていた。光や影、時間や場所により同じ物も違う印象を与えてしまう、そんな不思議が大好きだった。次第に気に入った物が撮れなくなり絵筆を手にした。忽ち絵は評価され更に評価されようと頑張った。ふと振り返ると写真が落ちていたが、それが何なのか思い出せなかった。#twnovel
2013-12-07 14:42:52「私はふぁぼ子よ」優紀子は私の話を無視し、すぐに話を変えた。「ふふふ。奈須くんビックリするだろうなあ♪」といって、何やらチケットの様なものを出した。「何よそれ」「よくぞ聞きました!これは奈須くんへのクリスマスプレゼントですよ」 #twnovel
2013-12-07 14:45:25何もかも、いつかは忘れてしまうのかな。きみに大事な言葉を貰ったはずなのに、今はもうそれが思い出せないんだ。憶えているのは肌の温もりと、嬉しかったという気持ちだけ。そんなことを言ったらきみは悲しむだろうか。どうか、ぼくのことを嫌いにならないで。 #twnovel #twpoem
2013-12-07 14:48:05「あ、明日のピアノのコンサートの奴ね」「え、それまで知ってる…」「あなたのことはなんでも識ってるわよ………………………………………それと、私他の人からは見えてないから」…………………………後で殴られました。 #twnovel
2013-12-07 14:49:57美容室の後は、ショッピング………………モールのトイレに居た。「あのねー!先に言ってよー!!」「いやあ、ごめんなさいね…!」「お陰で恥ずかしい思いをしたじゃない!!」「だからって殴らなくても良かったじゃない」「皆に変な目で見られたのよどこがキューピッドよ!」 #twnovel
2013-12-07 14:56:49#twnovel 万の群衆が見つめる中心で少女は静かに目を閉じる。闇夜に射し込んだ一筋の光に照らされてついに、唄い出す。始まりのレクイエム。その神々しいさまに手を合わす者、涙を流す者、恐怖に震える者…始まってしまう。鳥たちは羽ばたく。その美声に応える様に、空が少しずつヒビ割れた。
2013-12-07 14:58:50「今も1人で喋ってるンゴww」「いい加減にしてよ〜!」首を絞める優紀子。「わあ〜!苦しっ!ギブ!ギブ!」………そんなこんなでもう15時。優紀子は一旦家に帰り、服もメイクもバッチリ決めて喫茶店に向かった。 #twnovel
2013-12-07 15:01:27予備校が終わり、ルミナスはテツと歩いていた。「このあとゲーセンいかね!?」「いや、今日用事あってだな………むりだわ」テツはシュンとしたが「ルミナスがそうならしゃあねーな」と言ってフェードアウトしていった。 #twnovel
2013-12-07 15:07:02ルミナスはそのまま消えたテツを探すこともせずに喫茶店へ向かった。店に入ったが、優紀子は居ない………と思ったら、髪の短い子が手を振っていた。「どーも」ルミナスはマフラーを顔の半分に寄せながら、変わり映えした優紀子のもとへ行った。 #twnovel
2013-12-07 15:11:29ほら。柵の中に羊が入っていくよ…羊が11匹羊が2匹羊が3匹…羊が13匹。ママ、大変。羊が柵から逃げだしてる。3匹逃げた。あらあら羊は10匹…ママまた5匹逃げたよ。あら羊は5匹。あ!狼が来た。…羊達は沈黙し。私も沈黙するしかった。 #羊の数列 #twnovel
2013-12-07 15:16:39………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………沈黙。二人は緘黙。ルミナスは何かを話したかった。優紀子もまた然り。 #twnovel
2013-12-07 15:18:50他者なんて関係ない。ありのままの私を受け入れて。もしも他者がそれを咎めるというのであれば、それはそれで構わない。私が私であり続ける為には、こうするしかないのだから。だから誰か、どうか、お願い。罪や咎ごと、私を愛してください #twnovel
2013-12-07 15:19:59その美女は言葉を食べて生きているらしい。本心から発された言葉が美味いそうだ。試しに一番美味かった言葉を尋ねると前に付き合っていた男の話を始めた。愛の囁きが一番美味かった?と鼻で嗤うと「いえ、男の元カノが言った『くたばれ売女!』が一番美味しかった」と女は嗤った。 #twnovel
2013-12-07 15:26:33優紀子がようやくこの静寂を破った。「あ、奈須くん…。今日は来てくれてありがとう」「…別に」「今日は何か、奢るよ。…ほら、お礼に」「お礼なんて要らねぇよ」 #twnovel
2013-12-07 15:30:07世界が平坦で天は巨人が支えていた頃…神々の生き残りがビッグバン後に産まれたひとつの星に生命の種をまいた。進化し続けた生命達は宇宙からの死者たちの存在を感じながらも認められず。実はこの宇宙は神様の玩具…スノードームのような物なのかもしれない。#宇宙 #twnovel
2013-12-07 15:36:55始まる前から知っていたはずだったのに。本気で愛せば、降り注ぐほどに与えられる無二の至福と歓楽の引き換えに、差し出した心はむき出しにされ、必ず傷だらけになると。傷は癒えても傷痕は無限に疼くと自覚してしまったら、もう、復讐のように愛し続けることしかできない。 #twnovel
2013-12-07 16:16:18「私も剃った方がいい?」初めてのセックスの後、彼女は聞いてきた。「強制はしないけど…」曖昧に答えた。翌日ショーツを脱がすと彼女にはまだ陰毛があった。少し残念だったが…「待って」立ち上がると彼女は鞄から剃刀とクリームを取り出し「剃りたいでしょ?」と微笑んだ。(完) #twnovel
2013-12-07 16:38:09みなさんおはようございます。お風呂に入ろうとベッドから降りた私は、重大な事実に気づきました。……腰が抜けております。「隊長さん隊長さん」おいでおいで、と私は手招きして隊長さんを呼んだ。「だっこ」そう手を伸ばしながら言うと、隊長さんは苦笑してから私を抱き上げた。 #twnovel
2013-12-07 16:40:27クリスマス?くだらない。浮かれた電飾の街を低いヒールで叩いて歩く。カップルを遠目に睨みつけて、溜息。どうせ、楽しいのは今だけなのに。目の前には大きなクリスマスツリー。白い明かりが目に染みて、涙がにじんだ。あの日、私は彼とここに。 #twnovel 〈クリスマスツリーの日〉
2013-12-07 16:41:42#twnovel 寂れた村で神様を預った。年寄りしかいないこの村はいずれ廃村になるからと。神様は古具店の上の棚に置いた。珍しく客が多く訪れた日、気がつくと神様は消えていた。多分、客の中にあの村の血縁者がいたのだ。心配はしていない。ただ、遊び相手を失った飼い猫がションボリしている。
2013-12-07 16:51:35歌ってその鈴の様な声。水面に波紋が立つ様にボクの心をざわめかすキミの声。泣き崩れて雑音塗れでもその声は尚ボクの中へ響く。繰り返す歌にキミをみて‥枯れ果てるまで泣くからその声でボクを満たして‥。 #photonovel #twnovel http://t.co/L1WDDlmDt7
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