大罪戦闘企画

第二二公演《 》
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華夏の勇者 @battle_atom

僕の声に反応した女の人が、その刃をこっちへと向ける。 太刀筋はめちゃくちゃで、とにかく「殺意」が込められたソレを、上手く使えればいいんだけど。 男の人の持つ刃と、脇腹、そして僕の足を掴んだままの手。それが僕と彼とが触れ合っている所。 …とりあえず、手さえ放してもらえたなら。

2013-12-14 23:49:43
華夏の勇者 @battle_atom

だから、彼女を利用させてもらう。 「利用」なんて言葉、本当は大嫌いだけど。ごめんね。名前すら、僕はしらないけど。 もう必要の無い彼の後ろの【口】を消して、右手と左足の【口】を食いしばったまま、斬撃の方向へ向かって、体重をかけた。 そのまま二人して、そっち側に倒れ込めるように。

2013-12-14 23:50:02
華夏の勇者 @battle_atom

もしこのまま上手く体を傾けられたなら、二人とも斬撃の餌食だ。 …お互いがお互いを離せば、話は別だけど。 でも、彼は離さないかもしれないし、そもそも上手く倒れられないかもしれない。 一応、最後の【口】はまだあるけど、もしそうなったら嫌だなぁ、とか考えながら。

2013-12-14 23:58:41
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

——面倒だと、明確に、意識が吐き出す。同時に口が動いていた。 「『何もしたくない』」 抉る痛みはまだそこにある。女が此方に向かって来る、その耳に、意識にこの『音』が伝わっているのなら、たとえ言葉を知らずとも、理解できなくとも、『力』は伝わる。 「——『何も』『欲しく』『ない』」

2013-12-15 01:34:39
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

——状況を判断する事も、それによって思考する事も、思考に対し回答を導き出す事も、全ては結果を欲する為。 赤い方が力を込めようとするそれに身体が揺らぐ。倒れ込む、そのまま、ただ声だけは、二人に。 ——『求める』『結果』も『強欲』の『所有物』。 「——『お前達は』『何もしたくない』」

2013-12-15 01:34:39
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

草の上に倒れ込む、その背に、叩き付けられるように走った衝撃には僅かに息を詰めただけ。太刀を握る手は離さず、押さえ込んだ手、口ごと断ち切ろうと、振り抜かんとして。 「——『お前達は』『動く事を』『欲しない』」 力を込めた片腕。それでもただ呪詛だけは朗々と、詠い上げる。

2013-12-15 01:34:40
華夏の勇者 @battle_atom

(ほしくない…?) 目の前の、彼が、よくわからない事を言う。 ぐちゃぐちゃと、ぐるぐると、まるでここに来る前に見た夢の様に、頭の中が回って。 ぼんやりと、ただ彼のいう事だけを、必死に追った。 (欲しくない、僕は、動かない、なんで?)

2013-12-15 13:28:42
華夏の勇者 @battle_atom

全身から、力が抜けて。抑える力が消えた彼の刃が、そのまま僕の腕を断ち切った。 …僕はさっきまで、何が欲しかったんだっけ、何をしたくて、ここに来たんだっけ。 切れた腕をぼんやり眺めながら、思う。ああそうだ、僕は知りたかったんだ。 この紅の意味を、【パォシー】って言葉の意味を。

2013-12-15 13:29:02
華夏の勇者 @battle_atom

…結局思い出せないまま終わるのかな。何か、大切な事だった気がするけど。 走馬灯が交差する中で、全ての【口】を、閉じた。 食欲も、行動欲も、生きたいって欲も、彼の言葉を聞いてたら、どうでも良くなって。 でも、「知りたい」って気持ちだけは、まだ、ほんの少しだけ残っていた。

2013-12-15 13:29:24
【魔王】 @Tokimine_Seo

ばつん!と何かがちぎれる音がした。白色は端から黒に、急速に塗り潰されていく。最後に振りかぶった剣を、半ば取り落とすようにして崩れ落ちていく。 落ちた刃の行く末は、女にはわからない。 繰り糸を断ち切られた人形のように、ぴくりとも動かなくなった。

2013-12-15 18:32:42
【魔王】 @Tokimine_Seo

理性を失い、血液を失い、静寂を失い、望みを失った女には、自身を動かすものはもう、何も残っていなかった。 左腕を失い、右腕を捩じれさせた女は、何も見ていなかった瞳を見開いたまま、草叢に沈む。

2013-12-15 18:32:48
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

刃が食い込んで行く。断ち切って行く最中に赤が吹き出す。そのまま、振り切って。 落ちて来た刃が浮いた左腕を断ち切って行く音、熱と激痛、顔を歪めた上に吹き上げた赤が降り注ぐ。舌打ち、無事な方の腕をついて身体を起こした。 ——もっと早くやっとけば良かったか。思いながら、女の方を見やる。

2013-12-15 19:43:20
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

倒れた女は少しも動かない。二の腕、綺麗な断面をちらと横目にして、軽く息をついた。 ——瞬間、かは、と、喉が鳴る。血の塊を草の上に吐き出して、思いっきり顔を歪めた。 「……詭弁に決まってんだろうが」 面倒だからって対象を絞らなかったツケだろう、声にして打ち消そうと、呟く。

2013-12-15 19:43:23
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

そうしたところで、一度染みたものは時間でしか薄れない。自分の力が一番効くのが自分とは良い皮肉だ。 思いながら、立ち上がる。適当に外套の裾を引き裂いて左腕の断面を覆い隠すようにして強く縛り付け、簡単な止血を施して。 ——ま、いいか。これ以上も面倒だ。 背を向けて、歩き出す。

2013-12-15 19:43:29
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

さっさと帰って、手当でもして。後はゆっくり、土産話でもしよう——

2013-12-16 00:09:16
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《以上をもちまして……第二二公演は終演致しました…… どなた様もお忘れ物のございませんよう……いま一度、お手回り品をお確かめ下さいませ…… 本日はご来場頂き……まことに有難うございました…》

2013-12-16 00:19:21
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