茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1123回【バンドって、イイネ】連続ツイート

2013.12/19 茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【バンドって、イイネ】連続ツイート …声が合わさると、それまでにない力が生まれる、というのは、音楽の素晴らしさというか、可能性だろう。それで、時々考えることがあるのは、ビートルズはなぜあのような素晴らしい楽曲を生み出すことができたのか、ということで、それは、やはり個性のハーモニーとか言いようがない…
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1123回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日、歩きながら思っていたこと。

2013-12-19 07:17:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

ばい(1)先日、ある人に言われたことがずっと気になっている。それは、歌で、ソリストは才能がないと難しいけれども、合唱は、訓練次第で高みまで行ける、という話。そう言われて、ケンブリッジのキングス・カレッジのChorなんて見てると、確かに、一人ひとりは普通のにいちゃんだ。

2013-12-19 07:18:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

ばい(2)以前、ミュンヘン駅で、ハンブルクから来たフーリガンたちが完全なユニゾンで気勢を上げているのを見て、さすが合唱の国ドイツ、サッカーのあばれんぼう若者まで声がそろっている、と思ったものだが、『魔弾の射手』の狩人の合唱も、ソリストそろっていなくてもナントカなりそうだ。

2013-12-19 07:20:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

ばい(3)声が合わさると、それまでにない力が生まれる、というのは、音楽の素晴らしさというか、可能性だろう。それで、時々考えることがあるのは、ビートルズはなぜあのような素晴らしい楽曲を生み出すことができたのか、ということで、それは、やはり個性のハーモニーとか言いようがない。

2013-12-19 07:23:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

ばい(4)ジョンにしても、ポールにしても、もともと素晴らしい才能を持っていることはもちろんのことだが、単体で聞くと、ジョンらしさ、ポールらしさが際だって、それはそれでいいのだけれども、ジョージ、リンゴと4人がそろった時のあのクオリアは、そこにはないように思う。

2013-12-19 07:25:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

ばい(5)京都から大阪に行く新幹線の中から、よく、サントリーの山崎蒸留所が見える。チーフブレンダーの輿水精一さんにうかがって忘れられない話は、ウィスキーの原酒の個性。原酒は、樽詰めして寝かしている間に、制御不能なプロセスを経て、たくさんの個性へと枝分かれしていく。

2013-12-19 07:26:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

ばい(6)それで、一つひとつの原酒で、個性が際立ちすぎて、これはちょっと尖りすぎて単体では飲みにくい、とううようなお酒も、ブレンドの際にちょっと入れると、いい仕事をして、全体の味が、きりっと引き締まるのだという。ウィスキーのブレンディングは、音楽におけるバンドと同じだ。

2013-12-19 07:27:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

ばい(7)人間の社会全体も同じことだろう。こいつは、ちょっと個性がきつすぎる、というようなやつも、ブレンドしたり、バンドを組んだりすると、いい味が出るようになる。チームの醍醐味は、そこにある。「みんな違ってみんないい」を、単独ではなく、バンドで考えると世界が広がる。

2013-12-19 07:28:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

ばい(8)アイルランドを舞台にした映画で、The Commitments という作品があるのだけれども、ダブリンの人たちがバンドを作る話で、私はまだ見ていないのだけれども、いい映画なんじゃないか、という予感だけずっとある。バンドを作る、というのは、人の社会の成り立ちの根源。

2013-12-19 07:30:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

ばい(9)プロレスにおけるヒールとベビーフェイスはやっぱり大切なんじゃないか。ヒールがいてのベビーフェイスだし、ベビーフェイスあってのヒールだ。一見対立構造に見えるものも、プロレス興行として見れば面白い。ヒールとベビーフェイスは、一つのバンドのメンバーで、一つの音楽を奏でる。

2013-12-19 07:32:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1123回「バンドって、イイネ」でした。

2013-12-19 07:32:44