RATTAさんのレポート「ジョセフ・クーデルカ展 Josef Koudelka Retrospective」

ペンギンのRATTAさんによるクーデルカ展のレポートです。 RATTAさんの見る力と表現力、いつもすごいなと思います。見習いたい。 (すごい、かっこいいしか言えないから) ジョセフ・クーデルカ展 続きを読む
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RATTA @norapen

先週金曜に観たクーデルカ展の感想など、頭から抜けちゃう前に連投メモしとく。

2013-12-23 10:14:57
RATTA @norapen

クーデルカ展感想メモ1 初期の作品ではフォルムや構図の面白さに目が向いた。同一のネガからトリミングを変え、あるいは露光やピントを変え、さらには覆ったり特性の異なる印画紙を使うなどの工夫を積み重ねていたことが見て取れる展示内容。この背後にある蓄積を観てみたいと思った。

2013-12-23 10:16:06
RATTA @norapen

クーデルカ展感想メモ2 「初期作品}〜「実験」の作品からは「ホワイトスペース」と「線の向かう先」をすごく意識させられた。極端にコントラストを上げることで生まれた「ホワイトスペース」にも元は何かがあったはず。それを飛ばして、見せたい形だけ・線だけを「描いている」みたいな。

2013-12-23 10:17:51
RATTA @norapen

クーデルカ展感想メモ3 そのときどきに興味を感じたものをフィルムに記録し、そのどこに興味を感じていたのかをプリントの段階でハッキリさせて作品化していたのが初期の作品群、という印象。

2013-12-23 10:18:53
RATTA @norapen

クーデルカ展感想メモ4 会場に入ってすぐの展示室と奥の大きな展示室を繋ぐ通路は、片側に「劇場」の、もう片側に「ジプシーズ」のシリーズという展示。同じ時期に撮影された作品群で、物語性は同じように感じられるのに、被写体の「目」から受ける印象がまるで違うのが面白い。

2013-12-23 10:21:41
RATTA @norapen

クーデルカ展感想メモ5 「劇場」は、リハーサルの時に舞台上で撮影したものだそう。役者からすれば劇中人物ではないクーデルカは、本来そこにいない存在。だから、パッと見、視線の方向がファインダのこちらに来ているようでも、撮影者の存在を微塵も感じさせない視線・目をしている。

2013-12-23 10:24:37
RATTA @norapen

クーデルカ展感想メモ6 他方「ジプシーズ」は、被写体であるロマの人々が明確にクーデルカへ視線を向けたものが多く、クーデルカも彼らと関わりを持ちつつカメラを向けている。

2013-12-23 10:25:44
RATTA @norapen

クーデルカ展感想メモ7 視線がカメラの方には来ていないものや、それこそ舞台の1シーンのような写真もあるけど、そこに写っているのは、役者でも芝居でもなく、ただの日常。クーデルカがやってきては写真を撮ることがロマの人達にとって日常のひとつになっていたからこそ撮れた写真。

2013-12-23 10:46:15
RATTA @norapen

クーデルカ展感想メモ8 非日常なドラマを撮っていながら客観的な印象の「劇場」シリーズ。他方、ロマの人々にとっては日常の出来事ながらドラマチックで主観的な「ジプシーズ」のシリーズ。通路的スペースに並行して展示されているからこそ見えてくること。展示の妙。

2013-12-23 10:49:40
RATTA @norapen

クーデルカ展感想メモ9 このあたりについて、担当学芸員氏はギャラリートークで「現実の暮らしを演劇のように撮り、演劇を現実の暮らしのように撮る」と解説していた。なるほどと思った。

2013-12-23 10:50:24
RATTA @norapen

クーデルカ展感想メモ10 「劇場」と「ジプシーズ」での「視線・目・瞳」の印象の違いが気になったまま奥の展示室へ入ると「ジプシーズ」の続きに加え左の視野に「エグザイルズ」が入ってくる。このシリーズの被写体の「視線・目・瞳」の有りようは「劇場」と似ている。

2013-12-23 10:51:16
RATTA @norapen

クーデルカ展感想メモ11 但し「劇場」はカメラを無いものと思う/思ってもらう「約束事」の上のもの。他方「ジプシーズ」のように入り込んで撮ることもできる人が、このような撮り方をしてるということは、「エグザイルズ」では被写体との心理的な距離を意図的に遠くおいてると観るべきだろう。

2013-12-23 10:53:54
RATTA @norapen

クーデルカ展感想メモ12 その奥に展示された「侵攻」も「視線・目・瞳」の撮り方は「劇場」的。が、こちらでは、クーデルカが被写体に共感しているような、そういう心理的距離の近さが感じられる。となると「エグザイルズ」のあの心理的距離の大きさというか孤立感というかは、やはり亡命の影響?

2013-12-23 10:56:07
RATTA @norapen

クーデルカ展感想メモ13 最後は、パノラマ撮影したものを大判プリントした「カオス」のシリーズ。初期の作品のような実験的な作品も多く、またどこかロスコの作品を思わせるところもあって、個人的にはここのコーナーが一番面白かった。

2013-12-23 10:58:50
RATTA @norapen

クーデルカ展感想メモ・番外 「ジプシーズ」を観て脳内再生されたのは、Taraf de Haïdouks, Flairck(とりわけP.Weekers), M.Pagani, D.Stratos あたりの音楽ですた。ベタですな(^^;

2013-12-23 11:00:10

途中、学芸員さんによるギャラリートークがありました。

東京国立近代美術館 MOMAT @MOMAT_museum

【美術館】ジョセフ・クーデルカ展:大盛況だった前回のギャラリートーク。会期中のギャラリートークは本日20日が最後の機会です。ぜひご参加ください!18時~19時、クーデルカ展会場にて。申込不要、参加無料(要観覧券)。 http://t.co/oHhFP9Y2G9

2013-12-20 17:02:02
RATTA @norapen

クーデルカ展ギャラリートークメモ1 「侵攻」の腕時計の写真の腕、クーデルカのではなく、近くにいた人の腕だそう。カタログの修正締の後になって判明。カタログに書けなかった話として紹介された。

2013-12-23 11:00:39
RATTA @norapen

クーデルカ展ギャラリートークメモ2 カラーについて「かつて数本撮ったことがあるが、自分には向いてない。以降撮ってない。今後もない」そうだ。モノクロでこれだけの表現ができるクーデルカにとって特定の色を提示してしまうカラー作品は、むしろ表現を狭める要素なのかもと思った。

2013-12-23 11:02:23
RATTA @norapen

クーデルカ展ギャラリートークメモ3 ライカがクーデルカのために作った特製パノラマカメラなどデジタル機材を既に使っている。プリントも、引き伸ばし機で印画紙に焼くより、インクジェットのほうが作品の魅力を引き出せて好きなのだそう。ちと意外。

2013-12-23 11:02:47
RATTA @norapen

クーデルカ展ギャラリートークメモ4 「今回の展示構成はクーデルカ本人が選んで決めたものだが、変えたかったら変えていいとも言われた。きっちりした構成を観るとどこかひとつ外して崩したくなるのが日本人のサガ。(つづく

2013-12-23 11:03:10
RATTA @norapen

クーデルカ展ギャラリートークメモ4 つづき 図録のデザイナー氏も交えてあれこれ試したが、「どこかひとつ外す」ことができない。それだけ作品がきっちり作り上げられているのだなと思った。」

2013-12-23 11:08:09
RATTA @norapen

クーデルカ展ギャラリートークメモ5 「カオス」に関して。図録用に送られた画像データと、展示されているプリントの違いについての発言もあった。(プリント時に手を入れたが、それが反映される前のデータが図録用として届いている的?)1/13までに再度行く機会があったら見比べてみたい。

2013-12-23 11:14:35