モンサント社の除草剤ラウンドアップに耐性の遺伝子組み換えトウモロコシとラウンドアップの慢性毒性に関する論文「取り下げ」
1.事件の発端
[セラリーニ論文事件 1] Food and Chemical Toxicology誌は、除草剤ラウンドアップ耐性の遺伝子組換えトウモロコシの発がん性などに関する論文を2012年11月に出版し、その論文を2013年11月28日付で、無かったものにすると表明した。
2013-12-23 12:43:58[セラリーニ論文事件 2] 問題の論文はフランスのセラリーニ氏を筆頭著者とする“Long term toxicity of a Roundup herbicide and a Roundup-tolerant genetically modified maize” である。
2013-12-23 12:45:29[セラリーニ論文事件 3] もめごとを起こしたのは、権威のある学術誌なので、掲載までに十分な査読が行われ、編集委員長の決定を経て出版されたと考えられる。2012年4月11日投稿、8月2日にアクセプトされている。
2013-12-23 12:46:37[セラリーニ論文事件 4] いったんアクセプトされ、出版された論文が編集者によって一方的に「取り下げ」られた。したがって、今回の事例は、きわめて異常なものと言わざるを得ない。それで、この連投では、これ以後、「セラリーニ論文事件」と呼ぶ。
2013-12-23 12:47:282.論文撤回の経緯と「理由」
[セラリーニ論文事件 5] 参考にした資料は、松永和紀(京大・農・農芸化学・修士課程修了)さんの日本語の記事。ジャーナルのやり方を是とする論調だ。しかも、撤回されても余波が残ることを心配している。 http://t.co/KUvVMsmcXg
2013-12-23 12:49:05[セラリーニ論文事件 6] 僕のこの連投も、極めてささやかなものではあるが、松永さんがあって欲しくないと思っている内容になるかも知れない。この人はジャーナリストらしいのだが、大先輩の本多勝一さんに、どう顔向けするんだろう。専攻が違うから関係ないか・・・
2013-12-23 12:50:14[セラリーニ論文事件 7] これは、Food and Chemical Toxicology誌のコメント。「取り下げ」にいたる過程と編集長の考えが表明されていいる。 http://t.co/5LOB8S6dtX
2013-12-23 12:52:15[セラリーニ論文事件 8] 問題の論文はこれ → http://t.co/nRWtb6YAzX 各頁にRETRACTED(撤回された)と書かれている。著者は悔しいだろうね。 http://t.co/zlXJQ01oCp
2013-12-23 12:54:29[セラリーニ論文事件 9] この論文がオンライン出版されたのは2012年9月19日だった。「編集者への手紙」という形式で編集長に「善処」を要求するコメントが2ヵ月後の11月6~7日に12件、同月16日に1件寄せられ、それ以後は途絶えたようだ。
2013-12-23 12:56:04[セラリーニ論文事件 10] じゃーなるに寄せられた編集者への手紙13件はこれ → http://t.co/sVKmmRg5vY コメントの作者の人物像を明らかにできれば、興味深いことが浮き彫りになるかも知れない。
2013-12-23 12:58:00[セラリーニ論文事件 11] 特定の短期間に批判的コメントが集中したのは、誰かの号令で息のかかった研究者が一斉に「編集者への手紙」を書いた結果ではないかと疑ってしまいそうだ。あながち、下衆の勘ぐりとも言い切れまい。たった13件の「手紙」で「取り下げ」が断行された。実に恐ろしい。
2013-12-23 12:59:12[セラリーニ論文事件 12] 論文の著者は要請に応じ、生データなど編集者の要求するものを全て提供した。精査の末、編集者はデータのねつ造や意図的な改ざんは無かったとコメントの中で明言している。少し前に発覚した日本人研究者や製薬会社社員によるデータねつ造とは、異質な事件である。
2013-12-23 13:00:10[セラリーニ論文事件 13] 通常、データのねつ造が発覚すれば、たとえ出版後であっても取り下げられるのは当然だ。しかし、編集者が「取り下げ」の理由としているのは、実験デザインの不備、供試ラットの数と系統が不適切、死亡率とがん発生の増加が結論できないなどである。
2013-12-23 13:01:15[セラリーニ論文事件 14] これは、実に怪しい事件だ。編集者が「取り下げ」の理由としているのは、すべて査読の段階でチェックできていたはずの内容である。権威ある学会誌の査読体制・チェック機能がそんなに酷いレベルなのか? そして、当該論文はそんなに酷いのか?
2013-12-23 13:02:283.論文の撤回とは何か
[セラリーニ論文事件 15] 片瀬久美子(ペンネーム)さんに教えて頂いた。1928年~2011年に4449本の論文が「撤回」されたそうだ。僕が思っていたより、はるかに多い数で、ビックリした。 http://t.co/CCGQJKKQJz
2013-12-27 13:39:21[セラリーニ論文事件 16] 片瀬さんによると、すべての「撤回された」論文は前の写真のような「お仕置き」を受けるらしい。そして、それを「酷い仕打ち」だと訴えるのは、非常識で研究者としての信用を失墜する行為なんだって! セラリーニさんが、信用を失ったかどうかは、知らないけどね。
2013-12-27 12:45:26片瀬さんご本人には随分前にお詫びしたのだが、「お仕置き」という語は僕のもので、片瀬さんの発言ではありません。編集の仕方を知ったので、明記しておきます。「お仕置き」は雑誌ごとに様々で、表題の前にRetractedと追記、各頁に大きく表記するも下の活字は読める、今回のように読めないもの等があります。雑誌による偶然かもですが、今回のやり方は最も厳しいです。
[セラリーニ論文事件 17] 片瀬さんに教えてもらった上記論文では、撤回の理由は、データねつ造1517件(全体の34%)、著者の不正による不正出版(二重投稿とか)1773件(40%)、出版者のエラー328件(7%)などが主であるらしい。つまり、著者の不正が4分の3を占めている。
2013-12-27 12:47:34[セラリーニ論文事件 18] セラリーニ論文に対する編集長のコメントでは、データのねつ造や改ざんは無かったと明記。撤回の理由は、1群のラット数が少ないことと特別な系統のラットを用いたことの2点である。また、編集者への手紙が「出版後の査読」の役割を果たしたと告白している。
2013-12-27 12:48:29[セラリーニ論文事件 19] 編集長のコメントは、「編集者への手紙」が撤回の決め手になったことをにおわせる。特定の利害関係者からの圧力なのか。それとも、13の研究グループが「自主的に」示し合わせたのか。このあたりを解明してくれるジャーナリストはおられないのかなぁ。
2013-12-27 12:49:264.セラリーニ論文を読む
[セラリーニ論文事件 20] 問題の論文を読んでみた。たしかに、あまり出来映えの良い論文とは言えないようだ。しかし、批判することと撤回の圧力をかけることとは、まったく次元の違う話だ。僕は「ジャーナリスト」の松永さんとは違って、編集長による一方的な撤回は不当だと思っている。
2013-12-27 12:50:23