メモ・11月中旬

中旬のネタメモ。セルフリプライチェーンで繋ぐようになってめっきりtogetterが億劫に……
2
前へ 1 ・・ 3 4 次へ
酔宵堂 @Swishwood

ただ、力が要る。この身が魔に堕ちたと云うなら、呪いや絶望こそが糧であるはずだ。そう思い、弄んでいた黒い賽子状のそれを口に含む。かり、と小さな音を残して砕けたそれは意外なほどに甘く、呑み込めば躯じゅうに満ちる力を感じる。確かめようと手に取った宝珠は間違いなく、昏い輝きを増していた。

2013-11-12 05:03:06
酔宵堂 @Swishwood

それ、を呼ぶ。抗う権利も、力もない。黒い羽根が適確に四肢を穿ち、標本のようにその背を晒す。おもむろに、その背の赤い斑紋に手を伸ばし……突き入れる。無造作に掻き回し引き抜いた手には、掴みきれぬほどの黒い賽子。そうか、こうすれば良いのか。「待つんだ、それをどう」勿論——食べるのよ。

2013-11-13 11:08:19
酔宵堂 @Swishwood

「だって悪魔は絶望や呪いが好物なのでしょう?」そうなってなお「かくあるべし」に拘泥するあの子なら、そう云う力を生得のものとして持ち合わせていてもさしたる不思議ではないよね。Incubatorを使役し、魔法少女がキューブの形で貯めてきた呪いを根刮ぎ巻き上げる、と云う形を主にして。

2013-11-18 15:10:31
酔宵堂 @Swishwood

設定画から考えるとDOの本質は”器”。しかも香水瓶だから背伸びの象徴でもあるのかな。器であれば注ぎ込むものが必要で、故に悪魔自身がGSと同じ働きをする、すなわち呪いの受け皿、否糧と出来ると解釈し、その延長線上に「限界を迎えたSGから呪いと化した魔力と引き換えに魂を返す」ものだと。

2013-11-18 14:48:03
酔宵堂 @Swishwood

でも理の歪みを肩代わりしていた間に蒐めた力はそのまま持ってる→その力で今度こそ取り戻そうとさいごの戦いを挑む? その対消滅が新たな世界を生むのか、ようやくもう一度二人で引き絞ることが出来た弓を放てるのか

2013-11-18 12:09:59
酔宵堂 @Swishwood

やっぱりもう一度救いの手を跳ね除けて欲しいのだな、そんな資格は無いと。女神の呪縛は赫いリボン、どんなに時を超えようと纏わりつく因果のような

2013-11-14 20:23:00
酔宵堂 @Swishwood

ホンモノの叛逆者、永遠の咎人として決して聞ける筈の無い声を確かに聞いた……と云うロマンは懐きたい

2013-11-14 20:17:22
酔宵堂 @Swishwood

世界の終わりまで逃げとおして、それでもその声は励ますようで ようやく「もういいんだ」と思えたのがあの微笑み

2013-11-18 12:03:49
酔宵堂 @Swishwood

例の弓は傘になったり鎌になったりしてもらおう。あと蒐めた呪いは翼に絡みついて次第にその輪郭を曖昧なものにさせるとかで徐々に我々の知る黒翼の姿に変わっていくのだ

2013-11-15 11:18:29
酔宵堂 @Swishwood

赤いリボンはツンデレ重巡や孫悟空のアレみたいな感じの戒めと云うことで。

2013-11-15 11:21:00

悪魔の見る夢、夢に見る悪魔

酔宵堂 @Swishwood

夜ごとに見る夢。 わたしはまるで、悪魔みたいに。 傷ついた少女の手を取って「もういいの」と。 キャンディひとつ、噛み砕いて。 翼が震えて、わたしは目覚める。 ( ま だ だ め よ ) それは夢? これが夢?

2013-11-15 14:05:58
酔宵堂 @Swishwood

この歳になっても、時々その夢を見る。少女や場所はいつも違う。けれど飴玉ほどのそれを受け取ること、それはどれも言い表せない澱んだ色をしていること。これだけは、共通しているのだった。「また、あの夢を見たわ」「久しぶりだね」「ねえ、今でも時々こうしているのが夢なんじゃないかって思うの」

2013-11-15 20:17:40
酔宵堂 @Swishwood

わたしが彼と初めて会ったのはちょうど上の娘の年の頃で。おばさま、つまり義母さんと母が古い縁だとかで、身寄りをなくしたわたしを預かってくださると云う約束なのだそうだった。それから幾年か、弟同然だった彼とこうして過ごし、娘にも恵まれ——それはどこか、やはり夢のような日々だった。

2013-11-16 08:22:21
酔宵堂 @Swishwood

初めてあの夢を見たのはいつだったろうか。たしか、この家に厄介になるようになってからのことだった——気がする。そう、何かから逃げながら、優しく伸びる手を振り払い「そんな資格なんてない」と叫んだ、そんな夢だった。わたしに優しくしないで、わたしを赦さないで、そう云い続けていた夢だった。

2013-11-16 10:15:38
酔宵堂 @Swishwood

そう、だからコレは逃避行の夢だ。背負う罪を探して逃げ回る、咎人の夢だ。あの優しい手がわたしを探り当てる前に、どこか違うところへ。けれどその先々で、わたしはその優しい手のことを少女たちに語って聞かせた。その手は掛け値なしの救いだと、途方もない犠牲が生んだ奇蹟なのだと。

2013-11-16 10:31:07
酔宵堂 @Swishwood

だったらどうして貴女は逃げるのです、そう訊かれたこともあったろうか。それが奇蹟で救いなら何故、と。そのときのわたしは微笑みながらどこか遠くを眺めて「あら、悪魔が奇蹟に救われるだなんて滑稽でしょう?」と、そう返したのだったか。そんな夢を、よく見たものだった。

2013-11-16 10:47:33
酔宵堂 @Swishwood

救われないことを、赦されないことを、まるで望んでいるかのような夢。嘯くように「わたしは悪魔」と繰り返す、時を彷徨う語り部の夢。およそ悪魔が吐くには似つかわしくない、希望と救済の物語。「いいのよ。わたしだけは、その環の外側から語るのみだから」彼女が眼を瞑ると、わたしは目を覚ます。

2013-11-16 16:42:40
酔宵堂 @Swishwood

まるで彼女が、わたしと云う夢を見ているような。幾度となくそんな考えが脳裡に浮かび、その度にまさか、と否定する。今のわたしは、幸せだ——まるで夢みたいに。いろいろはあったけれど、家族にも、友人にも恵まれて、わたし、     は——貴女が願ったように、 しあわせ、 だ————

2013-11-16 17:00:13
酔宵堂 @Swishwood

(貴女が、願ったように——?) 誰が。 「わたしにできなかったすべてを、  わたしのかわりでなくあなたとして、あなたらしく——」 それは誰の願いかなど、問うまでもない。最早願いと云うより呪いに等しいのだから。 空には半欠けの月、地には朽ちかけの椅子。 ここは、ずっと、変わらない。

2013-11-16 19:14:32
酔宵堂 @Swishwood

夢を、見ていた。 とても、幸せな夢。 彼女は愛する人と穏やかな日々を送り、そして—— ——そして?

2013-11-17 03:06:49
酔宵堂 @Swishwood

彼女を悪魔と呼ぶのは、思えば彼女だけだった。 結果として多くの少女を救い、ひとつの希望を遺した——優しい悪魔。 魔女たちの、さいごの希望。 わたしがここにいる理由。 彼女(わたし)は朝の——夢を見る。

2013-11-17 10:25:20
酔宵堂 @Swishwood

理の向こうをもし彼岸と呼ぶのであれば、わたしは決して辿り着くことはないだろう。ここは此岸の、黄昏の時の狭間——歩いては渡れぬ世界。あの子の手から、逃れられるただ一つの世界。 彼女はわたしの夢を、どう思って見るのだろうか。 彼女は何を思って、この夢を見せるのだろうか。

2013-11-17 23:32:44
酔宵堂 @Swishwood

それでもわたしはおかしなもので、出会った子達にはあの子のことを教えてやっている。その上で、もう一度ただの人としてやり直す覚悟はあるか、と問うのだ——自分でも、無駄なことをしているな、とは思う。悪魔のくせに、そんなあの子に力を与えるような真似なんて。やがて再び、対峙する筈なのに。

2013-11-18 00:23:26
酔宵堂 @Swishwood

悪魔のわたしはそうやって嗤う。わたしの幸せを、あり得たかも知れない絵空事と。本当に欲しいものだけは手に入らないわよと。 わたしが本当に欲しいものって、なんだろう。慎ましくも温かな家庭。魔法など、奇跡など求めなくとも良い日々。この手に出来る、すべて。 ……ほんとうに?

2013-11-18 03:12:48
前へ 1 ・・ 3 4 次へ