岩上安身氏による上村静氏インタビュー

とても素晴らしいインタビューだったので、忘れぬようまとめました。
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26.上村氏「ユダヤ教は、イエスを預言者とは認めていません。イスラム教は認めていますが。なのでタルムードの中では、イエスは単に『なんか困ったやつ』という描かれ方をするわけです」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-24 21:33:42
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27.岩上「タルムードの中では、イエスは家族問題で悩んでいた、という風に描かれているようですね」上村氏「新約聖書では、処女懐胎したマリアを、ヨセフが『不貞を働いたのでは』と考える場面があります。タルムードはその『不貞』の解釈を取るわけです」@iwakamiaysumi

2013-12-24 21:38:02
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28.上村氏「タルムードでは、イエスはマリアとローマ兵の間の私生児として描かれています。史的事実として根拠はありませんが、ケルソスというギリシャ人に教えられてユダヤ人がそう主張するようになった、と言われています」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:38:22
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29.上村氏「2世紀から3世紀、キリスト教は新興宗教として迫害の対象になります。ケルソスも、そういう文脈の中で言ったのかもしれません」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-24 21:38:41
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30.上村氏「タルムードというのは、基本的に法解釈の書物です。イエスやキリスト教について言及している部分はほんの一部。そのほんの一部を丁寧に解説したのが『タルムードの中のイエス』です。タルムードはキリスト教との論争のために書かれたものではありません」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:39:14
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31.岩上「イエスが行ったとされる様々な奇蹟とは何だったのでしょうか」上村氏「自然科学の原理は今も昔も変わりません。イエスの偉大さを説くために事後的に作られた物語です。ただ、イエスの活動の中心に病人と接することがあったことは間違いないでしょう」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:39:51
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32.上村氏「イエスの活動というのは、自ら『義人』と言っている人たちの偽善を暴いていくことでした。罪人とレッテルを貼られている人の所へ行き、一緒に食事をする。『人間は罪なしでは生きられないが同時に赦されている』。こういう人間観がイエスにあったのでは」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:40:21
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33.岩上「仏教の考え方に近いように思えます」上村氏「人間とは何者かということを突き詰めていくと、同じ地点にたどり着くのでしょう。人間は一人では生きられない。『生かされてある』ということが先にあります。その後で『どう生きるか』という問が出てくる」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:40:50
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34.上村氏「『生かされてある』という前提を抜きにして、目に見える能力や身分に拘泥するようになると、それをもとにして人を馬鹿にしたり差別したりするのではないでしょうか」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-24 21:41:09
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35.岩上「いま『能力と身分』ということをおっしゃいました。現代の自由競争の社会では、能力差による報酬の差、社会的地位の差というものは基本的に肯定されています。史的イエスはこれを否定していたということでしょうか」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:42:42
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36.上村氏「人間存在は、生きていればひとりひとり違う。しかし『生きているということ』そのものは変わりません。そして人間には死を迎えるまで生き続けるという当たり前の権利があります。その権利は能力とは全く無関係に認められるべきでしょう」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:43:00
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37.上村氏「『勝ち組』といわれる人の根底にあるのは、相対的な比較にもとづく自己肯定感なのだろうと思います。しかしそれは相対的なものなので、常に上にいないと不安なのでしょう。この考えから抜けるには、人間の存在は元々肯定されていることに気付くこと」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:43:30
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38.上村氏「私の言葉で言うと『人間存在は関係の中で生かされている命なのだ』ということになります。これがキリスト教やユダヤ教では『神によって生かされている』ということになります」@iwakamiyasumi #iwakamiyasumi

2013-12-24 21:44:00
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39.上村氏「与えられる、ということは、人間存在は受動態でしか存在できない、ということです。そこに神を立てても立てなくてもいい。人間は、自分の意思や責任で生まれた訳ではないのですから」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-24 21:44:21
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40.岩上「ただ、どうしても自己肯定感が持てない、みじめだ、という方もいらっしゃると思いますが」上村氏「あなたが生きているのは、生かされているから生きているのだ、ということに気づくべきだと思います。存在の前提には、あらゆる他者との関係があるのです」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:46:53
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41.岩上「関係性というのは社会性ということですよね。若い人の中には、自分の実存がツラいという方も多いようです」上村氏「近代国民国家では、関係性も個人で構築するよう迫られます。そこで、横のつながりを作れない人がナショナリズムに吸引されたりする」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:47:45
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42,岩上「上村先生は牧師さんの息子さんだそうですが。反発などはありましたか」。上村氏「10歳で洗礼を受けてクリスチャンになりました。大学で聖書学に関する本を読んで、親の言っていたことは嘘八百だったんだなと気づきました(笑)」@iwakamiyasumi

2013-12-24 22:02:59
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43.上村氏「聖書学というのは、『聖書からイエスへ帰れ』というのがスローガンです。聖書原理主義から離れて、テキストを批判的に検討し、史的イエスの探求を目指す、というものです」@iwakamiyasumi #iwakamiyasumi

2013-12-24 22:03:25
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44.上村氏「ただし、『史実=真実』という、科学主義的・啓蒙主義的な態度とは距離があります。なぜなら、そのような科学主義的な態度こそが、原理主義を生んだからです。原理主義の人達は、聖書は真実であり、したがって科学的に正しいのだ、と考えます」@iwakamiyasumi

2013-12-24 22:03:45
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45.上村氏「アメリカで中世的な信仰と最先端の科学が同居できる理由がここにあります。アメリカというのは科学信仰から生まれた国だからなんですね」 #iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-24 22:03:58
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

46.以上で「クリスマス特別配信・岩上安身による上村静氏インタビュー(前半)」の実況を終了します。後半は、明日25日20時から配信します!お楽しみに。#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-24 22:05:22
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47.【クリスマス特別配信】岩上安身による上村静氏(ユダヤ学・聖書学専攻)インタビュー(後編)の模様を実況します。#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-25 21:08:44
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48.岩上「米国のキリスト教はピューリタニズムだと一般には言われていますね。そのピューリタニズムがそのまま現在のファンダメンタリスト(原理主義者)につながったのでしょうか。そのあたりの関係を教えていただけますでしょうか」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-25 21:09:04
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49.上村氏「ピューリタンというのは『清教徒』と書きますが、純粋主義・純血主義を取ります。『新大陸で純粋な神の国を作るんだ』ということで、ピューリタンはアメリカ大陸に渡っていきました」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-25 21:09:27
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50.上村氏「ヨーロッパが啓蒙主義の時代に入ると、聖書の内容が科学的に批判・検討されるようになります。そのことへの抵抗として、純粋主義のピューリタン達がファンダメンタリズム(原理主義)を作り出していきます」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-25 21:10:03