岩上安身氏による上村静氏インタビュー

とても素晴らしいインタビューだったので、忘れぬようまとめました。
0
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

51.岩上「冷戦が終わって以降、米国の一極集中という状況が続いています。そのことを考えるための手がかりが聖書の中にあるそうですね」。上村氏「イザヤ書の2章2節・4節・5節ですね」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-25 21:10:27
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

52.上村氏「イザヤ書2章4節は国連の建物に彫ってあります。"主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。 彼らは剣を打ち直して鋤とし 槍を打ち直して鎌とする。 国は国に向かって剣を上げず もはや戦うことを学ばない"」@iwakamiyasumi

2013-12-25 21:10:53
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

53.上村氏「他方、2節と3節にはこうあります。"終わりの日に 主の神殿の山は、山々の頭として堅く立ち どの峰よりも高くそびえる。国々はこぞって大河のようにそこに向かい "(続)」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-25 21:11:14
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

54.上村氏「(続)"多くの民が来て言う。主の山に登り、ヤコブの神の家に行こう。主はわたしたちに道を示される。わたしたちはその道を歩もうと。主の教えはシオンから御言葉はエルサレムから出る。"」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-25 21:11:26
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

55.上村氏「戦争が終わることを宣言しているわけですが、それはエルサレムが世界の中心になり、ユダヤ教の神様を仰ぎ見るようになる時だ、と説いています」@iwakamiyasumi #iwakamiyasumi

2013-12-25 21:11:43
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

56.上村氏「ヘブライ語聖書の歴史観では、失楽園のエピソードからも分かるように、人間は原罪を抱えた存在として描かれているわけです。だから、ノアの大洪水など、神は人間の世界に対して介入します」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-25 21:12:15
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

57.上村氏「バベルの塔のエピソードで、それまで一つの言語を喋っていた人間が、様々な言語を話す複数の民族に分割されます。その中から、イスラエル民族の祖先であるアブラハムが神により選ばれます。そして、イスラエル民族のもとで他民族の再統合が期待されます」@iwakamiyasumi

2013-12-25 21:12:36
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

58.岩上「ノアの大洪水の物語も、メソポタミアのギルガメッシュ叙事詩から来ているとも言われていますが」。上村氏「そうです。ユダヤの律法も、ハンムラビ法典に非常に似通っているものがあります。中東一帯の様々な伝承や記録を、聖書において再編集しているのです」@iwakamiyasumi

2013-12-25 21:12:51
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

59.上村氏「聖書の歴史観が固まるのが、バビロン捕囚の時です。バビロンに連れて行かれた人達が、『なんでこんなことになったのか』と過去を振り返ったんですね。自分たちは神に背いてきたのではないか、と」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-25 21:13:04
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

60.上村氏「聖書の内容は、ユダヤ民族のアイデンティティを確立するための物語です。モーセだって実在したわけではないし、何十万人も連れてエジプトから連れて行った、ということは歴史的事実としてはありません。日本で言う古事記の世界です」@iwwakamiyasumi

2013-12-25 21:13:47
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

61.岩上「イザヤ書にある人類の統合、これはイスラエル帝国主義の宣言ということなのでしょうか」。上村氏「簡単に言うとそういうことです。戦前日本の『八紘一宇』と同じですね。むしろ日本の側が、米国経由でイザヤ書の思想を学んだのでしょう」 @iwakamiyasumi

2013-12-25 21:14:04
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

62.岩上「キリスト教はイエスによって作られた、と考えている方は多いですよね」。上村氏「イエスは宗教を作るつもりはなかったし、分派を作るつもりもありませんでした。イエスもその弟子も当然ユダヤ教徒(ナザレ派)です」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-25 21:14:20
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

63.上村氏「キリスト教というのは、イエスが死んだ後にイエスの復活を見て、イエスこそがキリスト(メシア)だ、と信じた人達の宗教です。パウロは、ユダヤ教からキリスト教に改宗したと思われていますが、ユダヤ教のパリサイ派からキリスト派に変わっただけ」 @iwakamiyasumi

2013-12-25 21:14:34
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

64.岩上「クリスチャンが新約聖書から旧約聖書を切り離さなかったのはなぜでしょう」。上村氏「ユダヤ教から切り離されているということになると、新しい邪教ということになってしまいます。旧約が描く古い物語を自らの正統化に利用した、ということです」@iwakamiyasumi

2013-12-25 21:14:51
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

65.上村氏「2世紀にはキリスト教にも異端が登場します。マルキオンという人が、キリスト教は旧約聖書とユダヤ教から手を切るべきだと主張しました。マルキオンは破門され、旧約聖書は聖典とされました」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-25 21:15:04
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

66.上村氏「ユダヤ教というのは、常に自虐史観的な視点を持っています。自らが不遇な状況に置かれた場合、その原因を過去に遡及して物語を紡いでいく。それが旧約聖書ですね。しかしキリスト教は、旧約の内容を救済に向けたストレートなものとして理解します」@iwakamiyasumi

2013-12-25 21:15:16
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

67.上村氏「アレクサンダー大王というのが出てきますね。ヨーロッパ人としてはじめてペルシャを倒し、アジアを支配した人物です。ヨーロッパ帝国主義にとって、アレクサンダーは常にヒーローでした」@iwakamiyasumi #iwakamiyasumi6

2013-12-25 21:15:27
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

68.上村氏「アレクサンダーが死んだ後のディアドコイの争いの中で、エジプトとシリアの間で、地政学的に要衝の地だったエルサレムの争奪戦が始まります。その中で、『この世は終わってほしい』という終末論が出てきます」@iwakamiyasumi #iwakamiyasumi

2013-12-25 21:15:50
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

69.上村氏「そこで、終末論と個人の運命とを重ねあわせる考えが出てきます。『義人』だけが救済され、罪人は滅ぼされる、という二元論です。黙示というのはこのような明確な二元論なのです」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-25 21:16:08
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

70.上村氏「旧約聖書の思想というのは、ばらばらになっている人類が再統合される、というものです。他方、黙示思想というのは、抑圧されている自分たちだけが救済される、というものです。黙示思想のほうが独善的だと言えます」@iwakamiyasumi

2013-12-25 21:16:49
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

71.上村氏「イエスの弟子たちは、イエスが処刑された時に逃げたので、罪悪感を感じていました。イエスが復活したという幻を見たことで、イエスにより赦された、と考えたのでしょう。イエスが私たちの身代わりとなって死んだのだ、と考えました」 @iwakamiyasumi

2013-12-25 21:17:00
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

72.上村氏「大航海時代、ヨーロッパが新大陸に出て行ったのは宣教のためです。宣教としての西欧の植民地主義は、先ほどのイザヤ書とアレクサンダーの姿とが一緒になって形づくられていきました」@iwakamiyasumi #iwakamiyasumi

2013-12-25 21:17:45
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

73.上村氏「宣教にはキリスト教のエゴイズムの問題があります。エゴイズムとは自我への執着。キリスト教はエゴイズムに肯定的です。救済とは『永遠の命』を得ることですから、キリスト教とは自我の究極の願いを成就させてくれる宗教だということになります」@iwakamiyasumi

2013-12-25 21:17:57
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

74.岩上「『キリスト教の自己批判』の中でコヘレトの書を紹介されていますね。これはどういった内容のものなのでしょうか」。上村氏「一言で言えば、明石家さんまの『生きてるだけで丸もうけ』ということです」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-25 21:54:04
IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

75.上村氏「コヘレトという人が出てきたのは紀元前3世紀頃、先ほど説明した黙示思想の二元論が出てきた時代です。コヘレトはこの二元論を全否定し、死後の世界への期待を切り捨てたのです。ユダヤ教の根本を全否定した人です」@iwakamiyasumi

2013-12-25 21:54:16