マエリベリー・ハーンが死んだSS便乗

蒼電 @sourai_asuka

メリーは死んでしまった。私の目の前で。突然の事で何が起こったのか私には理解できなかった。 #メリーが死んだから始まるSS #便乗

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二人で森の中を歩いていたら、何かがとんできて、何かがぶつかって、「パンッ」って乾いた音がして、そして、 #便乗

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何かが飛び散り、体にかかって、音に振り向いたら、そこには頭が無いメリーが、ふらふらと歩いていた。 #便乗

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「メ、リ……？」その残った体に手を伸ばそうとして、「パンッ」「パンッ」音を立て、メリーの腕が、足が、体が弾けていった。 #便乗

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メリーは弾けてしまった。メリーの血肉に濡れた私は降り出した雨に打たれるまで、状況を理解できなかった。 #便乗

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「メリー、メリー？」流れる雨の中、私は弾けたメリーの体を集め始めた。 #便乗

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殆どが雨に流れてしまったため、メリーだったそれは、両手で掬える程にしかならなかった。 #便乗

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土を搔き、傷だらけの手でそれを抱き、虚ろなまま歩き始めた。 #便乗

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いつの間にか私は家にいた。ここまでの道のりは覚えていない。そして、机の上には容器に入ったメリーだった肉片。 #便乗

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その時の私は何を思っていたのだろう。綺麗に洗ったそれを、挽肉と、炒めた玉ねぎと……それらを混ぜ、ハンバーグを作っていた。 #便乗

蒼電 @sourai_asuka

なんでそうしたのだろうか。そうすればずっと一緒になれると思っていたのだろうか。 #便乗

蒼電 @sourai_asuka

そうして私はメリーと一つになった。それからの事はよく覚えていない。ただ、世界が、自身が変わったという事は覚えてる。 #便乗

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「そして二人の物語は終わって、新たな物語が始まったの」「う、うーん。私には重い話ですね……」「あら、ごめんなさい。でも、こういうお話もあった、という事よ」「まあ、外の世界にはこの類の作り話が多いと聞きますが」 #便乗

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「作り話、ええ、そうね作り話ね」「？どういたしましたか？」「いいえ何も」「そうですか。本日はよいお話をありがとうございました。八雲様」「どういたしまして、阿弥」 #便乗

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「それじゃあ、そろそろお邪魔しましょうか」「では、せめて入口までお送りします」「大丈夫よ、私にはこれがあるから」「スキマ、ですか。それがあればいろんなところに行けて、どんなものでも手に取ることができるのは便利なものですね」 #便乗

蒼電 @sourai_asuka

「便利、ね。実際はそんなに羨まれるほど素晴らしいものではないけれど……。ああそうだ、さっきの話のことなんでけど」「先程のですか？何か抜けていた事が……？」「そうではないわ。此方側でもあちら側でも、すべてが創られたものでは無い。そういう事よ」 #便乗

蒼電 @sourai_asuka

「そう、ですか」「ええ。ただそれだけ。ではまた何時か」「あ、はい。また――」 「あれからどれ位の時間がたったのかしら。ねえメリー。私達の探してた世界はこんなにも美しくて儚いわ。でも、この幻想の中で、ずっと、一緒に――」 ‐終- #便乗

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よし終わった。

蒼電 @sourai_asuka

とりあえずジムノペディな影響受けてるお話になった。ハンバーグ便利だな。