山村の限界集落で大量殺戮を行った人間の心理３

アドリア海 @keizi80

山村５９から http://t.co/ZNXFuWqkq2

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〔５０円玉〕はパソコン画面上を流れるコメント相手に尚も答え続けていた。 不意にそのPCがアラームを鳴らした。 スカイプ通話の着信音だった。 山村６０

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応答を続けつつ、マウスを滑らせ、専用画面を立ち上げると、 〔５０円玉〕はかけてきた側のIDを確認した。 あの男だった。 山村６１

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『よう』 「・・・・」 『ずいぶんと陰惨な話してるじゃねえか』 「・・・・」 『お前そこで死ぬのかよ』 「・・・・」 山村６２

アドリア海 @keizi80

『働けよ』 「はたらかないです」 『働けって』 「はたら・・はたらけないです」 『なんでだよ』 「そ」 『甘えんなよ』 「・・・・」 山村６３

アドリア海 @keizi80

『お前自信失ってんだろ？』 「・・・・」 『村のやつが集団でお前無視して、集団でお前に嫌がらせして それでお前精神壊したっていってたよな』 「・・・・」 『またなんかされたんだろ』 「・・・・」 『またなんかされたんだろ』 「されてないです」 山村６４

アドリア海 @keizi80

『されたろ』 「されてないです」 『お前さ、お前自分に嘘つく能力あるとでも思ってんのかよ』 「・・・・・」 『お前はな、考えてることが全部顔に出るかわいそうな人間なんだよ』 「・・・・」 山村６５

アドリア海 @keizi80

『そうやってストレス抱えてるとな、お前は頬をピクピク痙攣させて、椅子の上で 体を前後にゆすって、それはもうすぐに分かるんだよ』 「・・・・」 『そういう癖があるってお前自分でも言ってたよな』 「・・・・」 山村６６

アドリア海 @keizi80

『お前はな、根本的にかわいそうな人間なんだよ。もう少し人並みの器用さがあったら、 ちゃんと働くこともできたかもしれなかったのにな』 「ちょ・・・怒りますよ！？」 〔５０円玉〕は椅子から弾けるように立ち上がり、 こぶしを握ってわなわな震えた。 山村６７

アドリア海 @keizi80

「な・・・なんでそ・・・そうやってあ・・あなたみたいな見ず知らずの人にいわれなきゃならないんですか」 『え、お前怒ったの？』 しかしながら男は悪びれる様子もなく、あざ笑う口調で〔５０円玉〕への挑発をむしろ強めた。 山村６８

アドリア海 @keizi80

『田舎の陰湿な隣人にはどんなにやられても何の反撃もできないのに俺には切れて返すのかよ』 「あ、あんたがし・・・失礼なこというから」 『なめられたもんだなおい』 「あ、あんたが」 『お前俺のこと舐めてんの？』 「・・・・」 『舐めてんの？』 「・・・・」 山村６９

アドリア海 @keizi80

『村の陰湿な隣人には怯え縮こまっておきながら、俺のことは見下すのかよ』 「・・・・でも」 『でも？』 「・・・あなたでも、画面の向こうにしかいなから」 『ああ？』 「あなた所詮ネットだけの付き合いなので、別にそんなこわくないです」 山村７０

アドリア海 @keizi80

そういうと〔５０円玉〕は暗闇の中で一人不気味に笑った。 自分が笑っていることに男は気づかないだろうと〔５０円玉〕は考えていた。 『なにお前いま笑っただろ』 「え」 『今お前笑ったよな？』 「わらってないですけど」 山村７１

アドリア海 @keizi80

『お前俺がさっき言ったこともう忘れたの？』 「・・・・」 『お前はな。嘘がつけないんだよ。お前が今何を考えているかなんてお前の外観だけ見てたらすぐ分かるんだよ』 「・・・・」 山村７２

アドリア海 @keizi80

『お前今膝を軽く屈伸運動させて体縦に揺すってただろ。それやるときお前はいつも笑ってんだよ』 「笑ってないです」 『何お前ネットではそんな横着な態度で人様に接する癖してリアルだと田舎の腰の曲がった年寄りにすら媚びへつらうの？お前どれだけ卑屈で惨めなんだよ』 「・」 山村７３

アドリア海 @keizi80

『直に顔合わせていないからって俺のことはせせら笑いながらお前はお前が言うところの 陰湿な田舎ものに一言も返せず今日もいじめられて逃げ帰ってネットでその憂さを晒しているわけだ。 人として情けないとは思わないのかよ』 「・・・てください」 山村７４

アドリア海 @keizi80

『なに？』 「そういうこというのやめてください」 『だって本当のことだろ』 「ちがうから」 『何が違うんだよ』 山村７５

アドリア海 @keizi80

「だいたいあなたみたいなどこの誰かも分からない他人にそんなこと言われたくないです」 『何お前そうやってまた俺には強がるの？』 「べつにネットだからって強がってるわけじゃないです」 『じゃあお前今と同じ態度を近所の住人にも取れるのかよ』 「・・・・」 山村７６

アドリア海 @keizi80

『とれるのかよ』 「・・・とれますよ」 『何？』 「とれますよ・・・」 『とれるの？』 「とれます」 山村７７

アドリア海 @keizi80

『じゃあとってもらおうか』 「え？」 『俺お前の家行くから』 「え？」 『俺お前の住所知ってるし普通に行けるから』 山村７６

アドリア海 @keizi80

「・・・やめてください」 『なんで？』 「なんでって・・・いやだし・・・大体何しにくるんですか」 『お前と一緒にな、村の連中に顔合わせて回るんだよ』 「なんでそんなことするんですか」 山村７７

アドリア海 @keizi80

『おまえできるんだろ？ちゃんと俺にしてるみたいに村の連中にも抗議できるんだろ？」 「え・・・」 『お前できるって今言ったろ？』 「え、いいましたけど・・・でもそ」 『じゃあ、言おうよ』 「え、でも」 『俺はな、お前のことが心配なんだよ」 山村７８