ニンジャ二次創作・オゾーニにまつわるエトセトラ

「オゾーニ」ではなく「オーゾニ」が正しい表記であると気が付いたがもう遅いのだ、いいね?
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4)ニチョーム/ヤモト

kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

30分からうさぎ小天狗さんらしいのでオゾーニのやつ今のうちに投げとこう。

2014-01-10 22:24:49
kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

「絵馴染」の前では奥ゆかしく小声のアイサツが繰り返されている。時刻は早朝、ニチョームのトシマタギ営業が終了し、人々はようやく眠りについたところだ。店の前の清掃を終えたヤモトが店内に戻ると、カウンターにザクロがいた。「ザクロ=サン、『キマリテ』のオニシメいただいたよ」 1

2014-01-10 22:26:17
kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

ヤモトが器を掲げるとザクロは半分閉じていた目を見開いた。「ンマ! ヤモト、アレ持っていきなさい、キントン。アータの作ったやつ」「うん」ヤモトはニンジャ瞬発力で店の奥に上がり、大きめの鉢にキントンを詰めて戻る。オニシメをくれたスモトリが道路の清掃を終えぬうちに外へ駆け出した。 2

2014-01-10 22:26:44
kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

店の外では再び小声のやり取り。ザクロは容器の蓋を開けた。味の染みたオニシメの隣に、下茹でした野菜とネリモノを彩りよく刺した串が数本。「ヤモト、これ何?」「オゾーニ」「オゾーニ?」「このまま煮て、ドンブリの中で串を外すんだッて」大人数のオゾーニを素早く綺麗に盛り付ける知恵だ。 3

2014-01-10 22:27:15
kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

「ヤモト、モチは四角でいいかしら?」ザクロはオニシメ容器を持って店の奥へ向かう。「ザクロ=サン? 寝なくて平気?」「眠いわよ! でも美味しそうなの! 面白そうだし!」ヤモトはホウキを持って店内に突っ立ったまま、ザクロの大きな背中を見送った。 4

2014-01-10 22:28:28
kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

店内の清掃を始めたヤモトの方へ、ダシとネリモノの匂いが流れてくる。その匂いはセンチメントを含んでいた。簡素な、有り合わせの材料で作ったオゾーニを思い出す。「出来たわヨ!」野太い声がヤモトを現在に引き戻した。「いま行くよ!」ヤモトはホウキを置いて、暖かい店の奥へと戻っていく。 5

2014-01-10 22:29:04
kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

(間に合ったかな)(連投失礼しました……)

2014-01-10 22:29:54

5)キョートの庵/ディプロマット、アンバサダー、ガンドー

kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

(オゾーニのやつ、小正月も過ぎちゃったのでもう季節外れなんだけど、予定してた奴ぜんぶ書けてない)(ちゃんと終わらせたほうが自分にはよいのでもう何回か突発的に連投とかするんでスマナイんぬ…)

2014-01-16 12:44:32
kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

音もなくショージ戸を開けナミダが入室した。「オット!」ガンドーはアグラから正座へ座り直す。ディプロマットが苦笑する間に、ガンドーの前に椀が出される。「気にすることでもなかろう」「いや、でもよ、こう……アトモスフィアが」目の前の双子は揃って背筋を伸ばし、礼儀正しく座っている。 1

2014-01-16 12:45:55
kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

「オショガツに、茶室でオモテナシだ。少し位ピシッとしねェとよ」ナミダは客人と二人の主人に椀を出すと、静かに退出した。「最初に会ったときは大立ち回りをしたんだろ、茶室で」アンバサダーは身ぶりで客人に椀をすすめる。「そりゃ、あン時はよ」ガンドーは再び足を崩し、椀の蓋を開けた。 2

2014-01-16 12:46:18
kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

椀の中身は白いミソのスープだ。中央に頭を出すのは、半透明に煮えた大根の幽玄と、人参の赤い鮮烈。下には丸いモチが隠れているだろう。「こりゃあ……」ガンドーはため息をついた。「食うのが勿体ねえな、綺麗だ」見れば目の前の双子もまた、両手で椀を持ったままその中身に見とれている。 3

2014-01-16 12:47:09
kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

ガンドーは二人に先んじて白いスープを一口飲んだ。「旨いな」上品な甘味がなめらかに口のなかでとろけていく。「呼んでもらってナンだけどよ、いいのか? 兄弟で水入らずのところに来ちまって」「むしろその逆だ」「客を呼べる余裕ができたってことさ」二人の言葉にガンドーは顔を綻ばせた。 4

2014-01-16 12:48:24
kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

「兄さん、俺の椀に芋が入ってる」アンバサダーが言った。「俺にもだ」ディプロマットが言い、双子は顔を見合わせた。古い時代には、家のあるじの椀にだけ芋を追加する作法があったという。「そりゃあ、兄弟仲良くってことだぜ、きっと」双子はもう一度顔を見合わせ、静かに笑った。 5

2014-01-16 12:48:43
kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

(メモ 残ってるネタはあとフジキドとフジオ、あとなんかネオサイタマ寄りになってるのでもう一種くらい別の地方のを出したい)

2014-01-16 12:54:20

6)ヨロシサン製薬社内某所?/サブジュゲイター、キュア

kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

マフィンさん( @mtycider_jikkyo )からサブジュゲイターとお雑煮のネタでリクエストいただいていたので4ツイートぐらいなげます。

2016-01-03 01:38:22
kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

「新年早々ご苦労なこと」目の前の女が椀に口を付けたのを見て、サブジュゲイターも自分の椀を手に取った。青菜と、美しく結び細工をしたカマボコ、焼き目を付けたモチが、澄んだスープに沈んでいる。ハシで具を押さえて一口啜る。「お味はいかがかしら?」 1

2016-01-03 01:40:45
kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

女の白い笑顔は新年早々喪服めいた衣装に陶磁器めいて映え、血の存在すら感じさせぬ。「大変……結構です」サブジュゲイターには味など感じられぬ。実のところ、サブジュゲイターはここまでに何人ものヨロシサン重役のもとを訪ねていた。新年の挨拶をし、その都度オゾーニを供されてきたのだ。 2

2016-01-03 01:42:01
kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

いずれも同じ、葉物にカマボコ、澄んだスープ、そしてモチ。行事食であるが故にメニューが変わることも無い。バイオニンジャの胃腸をもってしても、こうも続くと、つらい。「なかなかの健啖家と聞いていてよ、サブジュゲイター=サン」全ての訪問先でオゾーニを平らげた話がここまで伝わったか。 3

2016-01-03 01:42:51
kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

サブジュゲイターは手の中の椀を見下ろし、今日食べたモチの記憶を数えた。出されたものに手を付けぬのはシツレイにあたる。サブジュゲイターは目の前の女の笑顔に言いようのない苛立ちを覚えたが、それを顔に出すこともできぬ。「い……頂きます」目の前の女が心底楽しそうに微笑んだ。 4

2016-01-03 01:43:25

7)廃ビルのアジト/シマナガシ 

kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

お昼のあわただしい時間ですが、レ点さん( @8jouhan_ns )からリクエストいただいてた、シマナガシの面々がオゾーニたべるやつを4ツイートほどなげます

2016-01-06 12:16:47
kidd@日曜西こ20a @kidd_mmm

「なあ、やっぱり違わねえか」「オゾーニだ」「どう見ても鍋」「オゾーニだ。モチ入ってる」ルイナーが強い口調で答えたので、アナイアレイターは曖昧な返事をしてモチと肉を椀に取った。フィルギアは煮溶けたモチを椀の中でつついてケラケラ笑っている。すでに顔が赤い。酔っているのだ。 1

2016-01-06 12:18:35