茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1154回「英語を道具とするってことすら、本質じゃないから」
- toshi3636_1
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えほ(1)今朝の新聞に、九州の某旧帝国大学が、「本学ではいかに国際化を図っているか」みたいな広告を出していたのだけれども、英語を道具として使う、とかいろいろ並んでいる中で、全体としてピンぼけというか、本質が何なのか伝わってこない印象があった。それで、改めて、ぼくは考えてしまった。
2014-01-25 08:59:24えほ(2)最近の大学のカリキュラム変革のかけ声は、「英語で授業する」とか、「国際化」だとか、何だか調子がいいが、しかし、ぼくはそこに本質があるのではない、という思いを持っている。英語で授業して国際化すれば良い大学ができるって、それって英語の専門学校ってことでしょ。
2014-01-25 09:01:17えほ(3)ぼくは、早稲田大学の国際教養学部の開学直後から、英語でBrain and Cognitionという授業を、もう7年だか8年だか続けている。その経験から言えば、英語で授業するというのは本質ではなく、むしろ、学生たちの興味、関心をいかに誘えるかという点に課題がある。
2014-01-25 09:02:21えほ(4)早稲田の国際教養学部、それに立命館のAPU、秋田の国際教養大学などを見て思うことは、英語ができる学生と、数理的な能力の高い学生の間に、能力のトレードオフがあるということで、これは、数理オタクだが英語が苦手な学生が多い東工大と比較すると歴然とする。
2014-01-25 09:03:33えほ(5)英語で授業するとか、英語を道具として使うということばかり強調すると、英語はペラペラ喋るが、数理的な能力が低く、プログラミングなどのシステム構築能力もなく、現代文明に関する深い洞察もない上っ面だけの学生が大量発生することになる。そこに本質があるんじゃないんだよね。
2014-01-25 09:04:52えほ(6)結論を言えば、英語力は不可欠だとは思う。しかし、より大切なのは、今人類の文明がどこに向かっているかという洞察能力。Wikileaks, hyperloop, WATSON, NSA, anonymous, Boston Dynamicsなどの事象を空気のように吸うこと。
2014-01-25 09:08:16えほ(7)極論を言えば、全部日本語でも、今の人類の文明が向かっている先を的確につかみ、技術力や批判的思考能力に長けた学びをすれば、それで十分であるとも言える。英語で、ペラペラの上っ面の軽薄な学びをするよりも、そちらの方がよほどましである。
2014-01-25 09:09:28えほ(8)それでも、なぜ英語が必要かと言えば、実質上、英語圏で流通している情報と日本語で流通している情報の間に質の差があるからで、機械翻訳の能力が足りない今、英語で直接やりとりしないと間に合わないから。しかし、何をやりとりすべきかの目利きができないと、単なる英語馬鹿だ。
2014-01-25 09:10:38えほ(9)英語をやれとか、国際化とか言っているくせに、秘密保護法案の議論でanonymousとかwikileaks出てこなかったり、吉松さんのことに沈黙を守ったり、相変わらず新卒一括採用で制服リクルートしている国が、国際的なヴィジョンなんてちゃんちゃらおかしいってことさ。
2014-01-25 09:12:22