
ヘイトスピーチってなに?‐共生社会を求めて レポまとめ

安田浩一さん講演「ヘイトスピーチってなに?共生社会を求めて」(@大阪国際交流会館)始まる。本日は写真NGのためテキストのみ。
2014-02-02 13:05:38
安田「古い在日コリアンの友人がいる。いつもバカ話しかしていないけど、ある人突然『私、生まれ変わりたいんだよね』と言われた。『次生まれ変わったら自分の国で生まれたい』と。そう言われて返す言葉がなかった。ヘイトスピーチの現場を見て苦しみ、もう疲れたので他の国に生まれたい、と」
2014-02-02 13:12:02
「僕ができるのは、彼ら(在特会)を取材をして、それを伝えていくことだけかもしれない。でも彼女の言葉を受けて、より真剣にこの問題に取り組まないといけないと思うようになった」
2014-02-02 13:13:35
「元々は外国人労働者問題を取材してきた。そのなかで、私達の暮らしはやはり外国人の労働に支えられていると感じざるを得なかった。 例えば今着ているジャケットだってMade in Japanかもしれないけど、作り手は間違いなく日本人でない。中国人実習生によって作られていたりする」
2014-02-02 13:17:01
「(過去、中国人労働者を取材してわかったのは)彼らを労働者と思っていない経営者が多い。休日は月1日、時給300円といった過酷な労働条件で働かされている。 経営者を問い詰めたところ、『なんで外国人を日本人と同じ給料で働かせなアカンの?』と言われた。ショックだった」
2014-02-02 13:21:10
「取材してわかったのは、彼らが商売がうまくいかない経営者だったということ。そうした存在に救いの手を差し伸べるのが、海外労働者派遣機関だった」
2014-02-02 13:24:07
「(労働契約書には)時給200円、携帯を持ってはいけない、あげくのはてには妊娠してはいけない、と言ったことすら書いてある。でも、日本の産業を支えているのはこうした労働者。日本の伝統的な地場産業ですらそう。そこから、外国人の問題に興味を抱くようになった」
2014-02-02 13:27:25
「2006年、宇都宮地裁で中国人労働者の裁判を取材に行った際、外が騒がしい。聞いてみると『右翼がいる』という。近寄ってみると、TシャツにGパンといった普通のお兄さんやお姉さん達。でも、彼らのプラカードに書いてあったのは『悪質シナ人は出ていけ』。なんだこれは、と思った」
2014-02-02 13:34:32
「彼らに話しかけてみると、『2ちゃんねるを見て集まった』という。自分達は一般市民で、中国人労働者の糾弾のために集まった、と。 どこにでもいる『普通の』人々が笑みを浮かべながら、1人の人間に対して『死ね』という。それが怖かった。その後、彼らはやがて在特会と呼ばれる存在になる」
2014-02-02 13:38:37
(ヲ茶会さん @wochakai が編集した、在特の街宣映像をあつめた動画を見る。東京で有田芳生議員が開催する差別撤廃国内集会などでも使われているもの)
2014-02-02 13:41:07※編集ではなく監修でした。

「(「いつまでも調子にのっとったら、南京大虐殺じゃなくて鶴橋大虐殺を実行しますよ!」と中学生女子が叫んだ2013年2月、鶴橋街宣の動画を見て)これが僕の取材現場です。いまでもこうしたデモが毎週のように全国で行われています」
2014-02-02 13:45:24
「このデモを主催しているのが在特会(在日特権を許さない市民の会)という団体です。特別永住資格、生活保護優遇、通名制度などを『在日特権』と称し、自分達日本人がいかに虐げられているかを訴えている」
2014-02-02 13:48:32
「彼らからよく出るのが『日教組教育』。という言葉。日本の教育は日教組に侵されていると。ある若者は『日教組教育に侵されて体が真っ赤なんです』といった。 日教組に現在たいした力はない。でも彼らは戦後民主主義に代表される『憲法を守ろう』『戦争反対』といったスローガンに反発している」
2014-02-02 13:52:57
「在日コリアンは働かなくても年600万円もらえる、水道・光熱費を払っていない…彼らはそうしたことを『在日特権』と言いたて、『自分たちこそが苦しめられている』と訴える。『日本人差別をなくそう』と」
2014-02-02 13:56:47
「彼らの活動映像は国連の人種差別撤廃委員会にも送られた。驚いた国連担当者が、日本で排外主義デモが行われていることへの懸念を表明したところ、彼らはこれにも反発した。『私達の国ではアパルトヘイトが行われている』と大真面目に主張した」
2014-02-02 14:00:28
「在日コリアンに対する差別は昔からたくさんあった。実際、関東大震災のときには多くの朝鮮人が殺されている。私達の社会はずっとそうした差別を引きずってきた。それがリニューアルを重ねながら落ち着いたのが在特会だと思っている」
2014-02-02 14:03:01
「(8月6日、広島で在特がおこなった核武装推進デモの写真を見て)広島支部長だった在特会員(HN.モリワキ)とも、会を辞めてから話をしたことがある。 元々はリベラル寄りの立場で、貧困関係の本をたくさん読んでいた。大学でも貧困関係の研究会に出ていたがやめてしまった」
2014-02-02 14:08:47
「辞めてしまった理由はいつまで経っても革命が起きないから。そんなとき、広島の流川で在特の街宣に遭遇する。彼らがそこで訴えていたのは、まさに在日による生活保護優遇。『なぜ日本は福祉が貧困なのか、それは在日コリアンがいるからだ』『日本人の命を奪っているのは在日コリアンだ」と。
2014-02-02 14:11:22
「彼はその演説に感動した。その場で『僕も仲間に入っていいですか?』という彼に、在特会員は日の丸とマイクを渡した。 在日について何も知らなかった彼は、訳もわからないまま在日への憎悪を叫んだ」
2014-02-02 14:13:16
「在特会の原発推進志向への違和感から、彼はその後会を離れることになる。でも、活動を通して『初めて社会と接点が持てたことが嬉しかった」と彼は語った」
2014-02-02 14:15:22
「ヘイトスピーチとは何か。自分の努力ではどうやっても変更することのできない属性を攻撃することです。単なる罵倒の応酬ではない」
2014-02-02 14:18:06