20140126-0201twnovel

おーさん @osayas811

ボクの家は明日、ママがいない。月に一度のメンテナンスの日だからだ。その度にママは少しずつ変わっていく。動作もスムーズになったし、言葉も滑らか。抱きしめられると温かい。でもボクはお隣のマリちゃんの、氷のような冷たい肌が好きなんだ。ボクもメンテナンスが必要なのかな。 #twnovel

ドーナツ @donut_no_ana

#twnovel 「新しく入ったのって、きみ？」俺は頷く。「もう少し早く来てくれない？　トラックの整備とかあるからさ」眼鏡をかけた女生徒だった。言葉を続けながら用紙を埋めている。「何？」彼女は訝しげに顔を上げた。「着替えて校庭へ行きなさいよ。わかんない？」ようやく得心し俺は頷く。

萌葱［moegi］ @hmoegi

大きなホールの端の席、ステージに立つ人は遠く小さい。けれど同じ空気を共有して、ダイレクトに音が届く場所。音楽はイヤホンだけでなく、身体全体で浴びるもの。高まる鼓動はドラムスに変えて、コールをどこまでも響かせよう。届け、メロディの一部になれ。#twnovel 開演ブザーが、鳴る。

街 @skl511

雪が降っている。 無論、雪なんて降っていないのだが、と後に続ける。雪が降っていることを雪が降っていると表現するのは誤りであると表記する。 雪が降っている。雨でも蛙でも、何だって構わないものが雪の名を名乗って降っている。 そうして表記する。 だからこうして表現する。#twnovel

おぼろちゃん @oboroose

#twnovel みはり塔と名付けたそれは、農業用の貯水タンクだ。あのころのこどもたちがどこでそんな語彙を身につけたのかはもう知らない。てっぺんまで続く鉄の梯子があったが、今ではこどもの背より高いところで焼き切られている。あの固かった地面には、真っ白なコンクリートが打たれている。

佐和島ゆら@星月堂へようこそ（新作）販売中 @sawajimayura227

盗撮した女を少女は追求した。電車の中で。女は騒ぎだし訳のわからない言葉を吐く。少女と女の口論は電車を止めた。 「コンサートに遅れてしまう！ どうしてくれるの？」 乗客のおばさんが叫んだ。スーツを着た男性は少女を睨んだ。 少女は目を見開くことしか出来なかった。#twnovel t

wacpre @wacpre

冬を楽しむ方法はスキーやスノボ以外にもある。鍋料理やこたつだって十分に冬の名物だ。おっと、熱燗だって忘れちゃいけない。大事な名物の一つなんだから。 #twnovel あら？我が家の冬は節分までですよ？こたつやお鍋は子どもたちも楽しむから大目に見ますけど。泣いたってダメですよ。

Yuliet Bombshell †.⇎ﾉ ღڿڰۣڿ♥ℒℴѵℯڿڰۣڿღ• airbnb🫦 @LillianHanes

あんときのいのせんとのほうがよかったにちゃない #twnovel｢勝ち抜く力｣　　　　ヽ(｡◠‿◠｡)ﾉ

蒲公英 @haruka_tanpopo

公園の上にぼんやり浮かんだ笑う形の月に、何がそんなに幸福なのかと問いかけてみる。絵のない絵本じゃあるまいし、返事なんか来る筈もなく、ただ見上げる私がいるだけ。冷えた空気に帰り道を急ぐ人々、雑踏に混ざるために歩き出す。 #twnovel http://t.co/UOj4MyQ5DR

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德薙零己 @rtokunagi

#twnovel あいつほど平和を愛する者はいない。平和に逆らう存在を皆殺しにしてやりたいっていつも言ってるし、平和のためなら人間の命を奪っても何の問題も無いなんて言っていやがる。

しろ @siro_

俺は投げやりな態度でキャロットケーキを口に入れた。張り付いた笑顔の建前とは違い、言葉は辛辣なメイドだ。「嫌なら食べなくて良いです。せっかくシェフに頼んで作って貰ったケーキなのに」俺は知ってる。人参嫌いな俺の為にメイド自ら作っていた事を。マズイけど全部食べてやる。 #twnovel

ひょうたん鯰 @hyou_namazu

寝過ごして慌てて起きたものの、歯磨きをしている内に眠気に襲われてベッドに潜りこんで、つい二度寝して・・目覚めると10時を過ぎていた。会社へ電話すると、受け付けの女事務員、一つ覚えで「お疲れ様ですう」だって。「ええ、寝疲れしてます・・ってなにを言わすんじゃ！」 #twnovel

白魚 京 @kujira_46

目が覚めると、頭が頭痛で痛かった。昨日の昨晩、散々に泣き散らしたことを思い出した。ケータイを開くと、昨日のメールの文章の文面があった。返事を返信を打つ途中で中断してやめた。今更交わす会話もない。『ごめん。君の言葉遣いに頭痛がして、不安になるんだ。』 #twnovel 〈頭痛の日〉

粉粧楼bot @fenzhanglou_bot

彼の与えてくれる束縛も抑圧も、私の身体を通り抜けて声に乗せれば、辛いという音、苦しいという響き、にしかならないけれど、天上の蜜のように、見えない傷に甘く染み込んで、麻薬のように絡め取られて行くことを、脳裏の無意識は知っている。 #twnovel

水谷なっぱ @nappa_fake

お題：君のことが好きなんだ ぼくはアイデンティティを買いに行ったけどそれはどこでも売り切れだった。「いったいどうしたっていうんだ？」いつもだったらアイデンティティはそこらじゅうで売れ残っていてカビが生えてすらいるというのに。どうしてほしいときだけ売ってないんだ。 #twnovel

水谷なっぱ @nappa_fake

お題：闇に紛れて クライマックスは今日も盛況だった。少し前まではクライマックスなんてだれも見向きもしなかったというのに、あるときテレビで評論家だかなんだかがクライマックスを褒めてからというのも、クライマックスは引く手あまたの大スターになってしまった。 #twnovel

水谷なっぱ @nappa_fake

お題：涙、一粒 パイは今日も売れ残って泣いている。仕方ないじゃないか。今世間で流行っているのはパイではなくてドーナツなのだから。でもそんなことは売れ残ったパイの責任ではないしパイ自身の成り立ちには何の関係もない。だから仕方なく「明日は売れるよ」なんて慰めている。 #twnovel