茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1163回「自分の投票した候補が、当選するかどうかで自分がわかる」

脳科学者・茂木健一郎さんの2月3日の連続ツイート。 本日は、都知事選について。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1163回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、都知事選について。

2014-02-03 07:11:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

じと(1)都知事選についての情勢報道を見る度に(例えば今朝の朝日新聞 http://t.co/3V5bE43YUs)、いろいろなことを考えたり、感じたりするのだが、一つ思うのは、自分の投票行動と、選挙結果の関係だ。

2014-02-03 07:13:48
茂木健一郎 @kenichiromogi

じと(2)民主主義においては、投票で多数を得た人が当選するわけだが、落選した人に投票した人も当然いる。ここで、興味深いのは、選挙が重なる中で、自分が投票した候補が当選する場合と、落選する場合の、どちらが多いかという統計である。

2014-02-03 07:15:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

じと(3)理屈から言えば、得票多数の人が当選するわけだから、自分の投票した候補が当選するという「満足」を体験できる有権者の方が、自分の投票した候補が落選するという「落胆」を体験する有権者よりも、多いはずである。つまり、「落胆」有権者は少数派ということになる。

2014-02-03 07:16:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

じと(4)ここで、自分の投票した候補が当選する傾向のある有権者と、自分の投票した候補が落選する傾向のある有権者が、投票行動以外の生活でそれぞれどのような属性を持っているか、想像してみると面白い。そのような研究があるかどうか知らないが、恐らく、次のようなことではないかと思う。

2014-02-03 07:18:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

じと(5)もともと、社会には現状を維持しようという「恒常性」(ホメオスタシス)があり、変化を求めたり、フロンティアを切り開こうという傾向とせめぎ合っている。変化や開拓は必要なことだが、恒常性とのバランスにおいて、初めて生命体としての統合が保たれる。

2014-02-03 07:19:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

じと(6)変化や開拓を求める有権者が、選挙において「負ける」傾向が強いのは、生命体のホメオスタシスを考えれば当然のことなのかもしれない。「民意」は、基本的に現状維持なのであり、その頑固な保守性の岩盤に対して、変化や開拓を求める人たちが、多くはムダとなる努力を続ける。

2014-02-03 07:22:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

じと(7)さて、自分のことをふり返ってみると、私は、偏差値入試のあり方や、新卒一括採用、連帯保証人制度などの日本の「現状」に対して一貫して「変えよう」と言い続けている、どちらかと言えば現状維持派というより改革派である。そして、過去の選挙をふり返ると、「満足」より「落胆」が多かった

2014-02-03 07:23:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

じと(8)今度の都知事選が、私にとって「落胆」に終わるのか、「満足」になるのかはわからないが、(「満足」になるよう、最後まで意中の候補たちを応援したいと思うが)、たとえ、「落胆」に終わったとしても、その時に働いているメカニズムは、以上のようなことだと思う。

2014-02-03 07:24:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

じと(9)選挙において、落選した候補に投票した人の票は「死に票」のようではあるが、実際には、選挙外の活動において、社会によい影響を与えるということはあると思う。いつも自分の投票した候補が勝つ「勝ち馬」側にも、いつも落選する「負け犬」側にも、それぞれの役割があるのである。

2014-02-03 07:27:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1163回「自分の投票した候補が、当選するかどうかで自分がわかる」でした。

2014-02-03 07:28:26