『シェルタリング・スカイ』を分析しよう―坂本龍一の作曲技法  その3

ど素人楽曲分析家・くみかおるが、世界の坂本龍一に挑戦! (その2)http://togetter.com/li/623769 (その1)http://togetter.com/li/622601
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It happens sometimes @ElementaryGard

『シェルタリング・スカイ』の分析続けます。この曲です。http://t.co/Vt7MOdPLJr ゆっくり弾いていて音符が聞き取りやすいのでこの演奏を選びました。

2014-02-04 14:58:50
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0:18から0:34までの音は、楽譜にするとこうなります。 http://t.co/V6gRCxu3t2

2014-02-04 15:00:56
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もうすこし大きく撮ると、第五小節から第六小節はこう。先日分析した第一、第二小節と同じ。 http://t.co/e41WOZ07ne

2014-02-04 15:02:53
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ところが第七、第八小節は先日分析した第三、第四小節では使われていない音があります。 http://t.co/CddnBV4UIm

2014-02-04 15:04:42
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『シェルスカ』の第三、第四小節を改めて見てみましょう。 http://t.co/eK7ks7KxHS

2014-02-04 15:27:11
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第四と第八小節の違い。それはファ♯の音が後者では鳴っていること。この曲はト短調なので、分析しやすいようイ短調に移調すると「ソ♯」の音ですね。これが第八小節では鳴る。ドミナントの三度の音です。

2014-02-04 15:30:22
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先日の分析で私は、この曲は複調であると河童、ではなくて喝破しました。右手がト短調で左手がイ短調である、と。そして右手がたまに左手の領海にちょっかいを出し、左手もたまに右手の領海にちょっかいを出す関係である、とも述べました。

2014-02-04 15:34:18
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第四小節で、鳴るはずのないソが鳴るのはなぜかを作曲者も答えられなかった。私にいわせれば鳴るはずない音はむしろファ♯。その鳴るはずのない音がなぜ鳴るかというと、右手がト短調だと考えればドミナント五度にあたるファ♯が鳴るのはおかしくもなんともないのです。

2014-02-04 16:00:53
It happens sometimes @ElementaryGard

坂本がいう、鳴るはずのない音ソは、右手にすればホ短調でいう「ド」だから鳴ってもおかしくもなんともないのです。

2014-02-04 16:02:49
It happens sometimes @ElementaryGard

作曲者はあるインタビューで「ファ♯の後になぜソが鳴るのかわからない。ソではなくソ♯のはずだから」と発言。イで始まる旋律的短音階で考えるとファ♯→ソ♯になるはずだ、と。

2014-02-04 16:06:19
It happens sometimes @ElementaryGard

ですが私のいうように旋律はイ短調ではなくホ短調と考えれば、何もおかしくはないわけです。

2014-02-04 16:07:21
It happens sometimes @ElementaryGard

その一方、第八小節で、左手つまり和音でソ♯が鳴るのは、左手はイ短調だからドミナントの三度の音としてソ♯が来るから。これもまたおかしくもなんともなし。

2014-02-04 16:14:10
It happens sometimes @ElementaryGard

「右手がト短調だと考えればドミナント五度にあたるファ♯が鳴るのはおかしくもなんともないのです」は訂正。ト短調ではなくホ短調でした。

2014-02-04 16:16:10
It happens sometimes @ElementaryGard

旋律(右手)の動きに注目。ミ→ミ♭→レ→レ♭→ド→シ→ラ。半音階下降してます。この下降は妖しい雰囲気を出すのに最適。一方でベース(左手)はラを鳴らし続ける。トニックの音です。決然とした音。シ→ラが半音階下降していないのは拍数が足りないのでシ♭を飛ばしたのでしょう。

2014-02-04 18:06:08
It happens sometimes @ElementaryGard

http://t.co/GvQSUparrE 1:39から1:50までの音。旋律がソ→ソ♭→ファ→ミ→ミ♭→レ→レ♭と進む。半音階下降です。ちなみにイ短調にして音を呼んでいます。そのほうが鍵盤をイメージさせながら説明しやすいから。

2014-02-04 18:24:00
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It happens sometimes @ElementaryGard

レ♭で時間切れになる。ラには戻らない。尻切れトンボな印象を残す・・・と思いきや、次のパートで調がイ短調からニ短調に変わる(原曲ではト短調からハ短調)。これでレ♭は「シ」の音であるとしてレに進む、つまり「ド」に進む・・・心憎い技です龍一先生。

2014-02-04 18:30:50