【はち恋】公式アフターストーリー企画:第五週目『一ノ瀬歩』まとめ

スマートフォン向け恋愛タッチアドベンチャーゲーム『はち恋』サービス終了に伴い、 twitter公式アカウントにて公開中のアフターストーリー企画です。 公開が完了した各ヒロイン毎にまとめを作成します。
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『はち恋』アフターストーリーとは?

まとめ 【はち恋】公式アフターストーリー企画:第一週目『小西陽奈』まとめ スマートフォン向け恋愛タッチアドベンチャーゲーム『はち恋』サービス終了に伴い、 twitter公式アカウントにて公開中のアフターストーリー企画です。 公開が完了した各ヒロイン毎にまとめを作成します。 1150 pv 4

第五週目『一ノ瀬歩』アフターストーリー、開始!

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「先輩っ、お待たせしました!」 事務所のビルの方向から、歩が手を振りながら駆け寄ってくる。 「今日もお仕事お疲れさま! はい、荷物持つよ」 最近は、こうして仕事帰りの歩を駅前まで迎えに行くのが僕の日課になっていた。 #はち恋AS

2014-02-03 11:09:07
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「先輩、ぼーっとしてましたけど、何か見てたんですか?」 「え? ああ、これ。やっぱりすごいな、と思って」 僕が指差したコンビニのガラス窓には、大きなポスター。 一面に輝くのは、今をときめくアイドル――星咲カスミの笑顔だ。 #はち恋AS

2014-02-03 13:00:53
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「カスミの次のツアーの告知ですね。このポスター、ちょっと大きすぎて……結構恥ずかしいです」 歩は少し居心地が悪そうに、ポスターから目をそらした。 きらびやかな装飾文字で書かれたツアータイトルは『星咲カスミ、新章開幕!』 #はち恋AS

2014-02-03 15:11:07
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以前、僕が不審者を捕まえて一時中断させてしまった、あのライブ―― ファンの間で『伝説』と呼ばれているあの日以来、星咲カスミは変わった。 自信に満ちた表情、伸びやかな歌声、そして最高に輝く笑顔……。 そう、星咲カスミは今、新章に突入した! #はち恋AS

2014-02-03 18:01:29
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これまで以上にパワフルで、魅力満載なパフォーマンスの幕開けだ! ……とまあ、克也が教室で熱弁していた言葉をそのまま借りると、そういう事らしい。 とにかくあの日を境に、星咲カスミの人気は急加速。 今や世間に大旋風を巻き起こしているのだ。 #はち恋AS

2014-02-03 19:27:11
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「すみません、最近、お休みもなかなか取れなくって……」 「謝ることないよ! カスミの活躍は、僕だってすごく嬉しいんだからさ」 ……とは言うものの。 歩の言う通り、確かに最近はデートどころか、学校で一緒に過ごす時間さえ激減している。 #はち恋AS

2014-02-04 11:05:51
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だからこそ、どんなわずかな時間でも出来る限り側にいたくて、僕はこの役目を買って出たんだ。 誰にも邪魔されないこの時間はすぐに、二人にとって特別で、大切なものになった。 「……それじゃ、帰ろうか」 「はいっ!」 #はち恋AS

2014-02-04 13:19:08
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学校であった事や、最近のニュース、友達、家族の話……。 僕たちは、他愛ない会話に花を咲かせながら肩を並べて歩く。 「明日も、朝から仕事だったっけ?」 「ええ。しばらくは忙しいから、学校も早退じゃなくて、お休みになっちゃいます」 #はち恋AS

2014-02-04 16:10:42
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「そっか。それじゃあ……ハイ、これ」 荷物にまぎれて潰されないよう、大事に持っていた紙袋を、僕は歩に手渡す。 「……? これ、私にですか?」 「うん、開けてみて」 袋の口を不思議そうに覗き込んだ歩は、すぐにあっ、と声を上げた。 #はち恋AS

2014-02-04 17:04:00
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「わあ……! もしかしてこれ、中庭の!?」 紙袋の中身は、僕が不器用ながらもカスミソウを束ねて作った、小さなブーケだ。 「うん。歩、最近は学校に来れない日が多いから。  花壇のこと、気になってるんじゃないかと思ってさ」 #はち恋AS

2014-02-04 19:05:24
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「あっ、水やりはちゃんと僕が続けてるから、安心していいよ!」 慌ててそう付け足すと、歩はふわりと表情をほころばせた。 「嬉しい……! 先輩の言うとおり、ずっと気になってたんです。カスミソウの事。  よかった、こんなに元気に咲いてるんだ……」 #はち恋AS

2014-02-05 11:02:13
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そう言って、袋からブーケを取り出して愛おしそうにカスミソウを見つめる歩。 ――あの『伝説』のライブの時も、僕は歩にカスミソウの花束を渡した……というか、投げ込んだ形になったけど。 あの時の歩の表情を、僕は未だに忘れられないでいる。 #はち恋AS

2014-02-05 13:05:30
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「歩を元気づけるために僕ができる事って、やっぱりこれしか思いつかなかったんだよね」 「ふふっ……先輩らしくて、すごく素敵です」 はにかむ僕に歩は微笑んで、でも、すぐに少しうつむいてしまう。 「……でも、ちょっとだけ、嫉妬しちゃいます」 #はち恋AS

2014-02-05 17:21:23
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「えっ?」 「先輩に毎日お世話してもらってるなんて、カスミソウが羨ましい……」 予想外の言葉に、僕は思わず足を止めて固まる。 小さくぽつりと呟かれた一言だったけれど、とても聞き流すことはできなかった。 #はち恋AS

2014-02-05 18:27:10
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歩は普段、かなり謙虚でストイックだ。 だからこそさっきみたいな発言は、正直ものすごく珍しい!! 「ねえ、今のって……」 僕がフリーズしているのに気付いた歩はようやく状況を把握したようで、慌ててぶんぶんと顔を横に振った。 #はち恋AS

2014-02-05 19:05:30
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「な、何でもないです! 今のは忘れて下さいっ!!」 本当に無意識に出た独り言だったのか、歩は必死に発言を撤回しようとする。 「いや、びっくりしたけど新鮮で……何よりそんな風に思ってくれてるなんて、すごく嬉しいよ」 僕の言葉に、歩は真っ赤になってうつむいてしまった。 #はち恋AS

2014-02-06 11:07:18
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「うう……本当ですか?」 「うん、本当。僕だって……毎日歩の側にいれたらいいのに、って思ってるし」 あらためて正直な気持ちを伝えると、歩はやっと安心したように微笑む。 #はち恋AS

2014-02-06 13:03:57
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「ふふっ。本当にずっと一緒にいたら、先輩は星咲カスミのマネージャーって事になりそうですね」 と、これまた何気なく呟いた歩の言葉が……僕にはとても魅力的で、凄いアイデアのように思えて、思わず目を見開いた。 #はち恋AS

2014-02-06 15:12:11
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「いいね、マネージャー! 今から頑張って、目指してみようかなあ」 そんな僕のリアクションが予想外だったのか、今度は歩が目を見開く。 「ええっ!? ほ、本当にですか!?」 「うん。将来の夢とか、進路とか、実はまだちゃんと決まってなかったしさ」 #はち恋AS

2014-02-06 17:04:03
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「うう……私のうかつな発言が、先輩の未来を左右してしまった……!」 そう言ってうなだれる歩。 そんなこと言っても、僕はもう真剣に考えてるんだけど……と、顔を覗き込む。 「歩はどう? 僕がマネージャーなんて……やっぱり頼りないかな?」 #はち恋AS

2014-02-06 19:22:01
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「そんなことないですっ! 私がどれだけ先輩の事、頼りにしてるか……!」 その力強い歩の言葉は、僕の決意を固めるのに充分すぎた。 「よし、じゃあ決まり! 明日から芸能界の仕事、ちゃんと勉強するぞっ!」 #はち恋AS

2014-02-07 11:07:47
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握りこぶしを大きく空に掲げる僕に、歩は少し呆れたようにため息をついて。 「もう、真人先輩……気が早いんだから」 だけどすごく嬉しそうに笑いながら、そんな僕の手を優しく握ってくれた 。#はち恋AS

2014-02-07 13:01:07
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そうして僕たちは、再び歩きはじめる。 「祐子さん、すっごくスパルタだし、きっと大変ですよ」 「うーん、それは確かに想像できるな……。  でも、マネージャーとして歩を守るためなら、それぐらい乗り越えないと!」 そんな些細なやりとりも、夢に溢れてまぶしく思えた。 #はち恋AS

2014-02-07 15:00:28