- brotherasazuke
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「地理」、それは高校の社会科で一番「選ばれない」科目。 地理、それは我々が「どんな大地に生きているのか」を考える学問。 …地理、それは――思っている以上に大切なこと。
2010-10-25 22:45:55しかし現状を見れば――「地理が得意」というのは「国の名前や街の名前を沢山覚えている」とほぼイコールだわ。雑学クイズの回答にはしやすいけど、それ以上になりにくい――そんなものね。
2010-10-25 22:46:51Googleで「地理」と検索しても、おもしろ雑学と暗記ゲームが並ぶばかり。高校で習うような「地理学」の入り口というのは、この広いネットワークにも、存外ないものなのよね。…というわけで。
2010-10-25 22:48:06みのりこ先生の「若いころもっとやっときゃよかった系講義・地理篇」、題して「暗記しない地理学入門」よ! スリランカの首都とか英国の正式名称とか覚えるよりは有益なはずだわ。
2010-10-25 22:50:03まあ私が質問に随時応えながらダラダラと喋り続けるだけなのだけども。知ってると日常が少しわくわくする程度の知識を振りまきつついくわよ。
2010-10-25 22:51:42というわけで最初は「地形のはなし」から。我々が立っている大地が、「どうしてこんな形なのか?」というお話よ。はじまりはじまり。
2010-10-25 22:53:22プレートがどうとか山脈がどうとかの話はこの際いきおいよく飛ばして――「平野」。人間生活の基盤であり基本にして結節点である「平野」。46億年の昔にはゴツゴツの岩場だった地球に、どうしてまた平らな面なんぞ現れたのか? そのプロセスの例をいくつか紹介するわ。
2010-10-25 22:55:16基本的には「ボトムアップ」と「トップダウン」。なにもないところに砂を積み上げて平地を作るか、既に土地があるところを削って平地を作るかの違いで大別されるわ。
2010-10-25 22:57:10まずは「ボトムアップ」形式の平野、「堆積平野」ね。英語だと alluvial plain, 「川流れの平野」ね。 名前の通り、「川が運んだ土砂で出来た平野」よ。
2010-10-25 22:59:53日本ではこちらの方が圧倒的に…というより、日本にはこのタイプの平野しかないわ。最大の面積を有する関東平野もこれ。山の上に降り注いだ雨水が、山肌の土を下流に向かって押し流されて出来たのが、日本のあらゆる平野(と盆地)。
2010-10-25 23:01:24雨水で流される程度の柔らかさの土だから、自然と重力に従ってだるーんと平面になるのね。ちょうど、どろどろしたケーキの生地を型に流し込んだみたいに…あれって放って置けば勝手に大体平らになるわよね。
2010-10-25 23:02:42「扇状地」は、山から平地に向かって扇みたいにぶわーっと広がる地形なのだけど…このエリアは川の流域なのに水が手に入らないのよ。
2010-10-25 23:07:05勿論、それより上流(扇頂、と言うわ)なんて更に山奥の鬱蒼としたところだから人はそうそう住まないし、今言った通り「扇央」と呼ばれる半分平地みたいなところでも、水が手に入りにくい上に斜面のせいで雨水もすぐ逃げてくから、人が住むには適していないのよ。
2010-10-25 23:08:59扇状地にどうしてこんなにこだわるかというと、扇状地の先っぽ、弧を描く外周部分にあたる「扇端」の部分は、それはもう圧倒的に「住みやすい」のよ。
2010-10-25 23:10:37古い時代、高度な井戸の掘り方も水道技術もない頃、人は主にここに住んだわ。内陸の古い町はほぼ例外なくこの辺り、分かりやすい言い方をすれば「山からほどよく離れたところ」に位置しているわ。関東平野以外の人には、「山が遠くに見える」という情景は見慣れたものでしょうけど、そういうことなの。
2010-10-25 23:12:17