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山本七平bot @yamamoto7hei
①【ひとりよがりの日本人/精神的な弱さ】…はじめまして。山本です。…一週間ほど前に『虜人日記』という本をもらいました。 この本を書かれた小松さんという方は、フィリピンで私と同じに収容所にいた人なんですけど、その時は全然存じ上げてなかったんです。<『比較文化論の試み』
山本七平bot @yamamoto7hei
②…この方は元来科学者で、軍人ではありませんでしたが…急に徴用され、フィリピンに連れて行かれたんです。 それで、この小松さんも私たちと同じように、敗戦・ジャングル・収容所を経験してきたんですけど、科学者ですから非常に的確な眼でこの状態を見ておられるわけです。
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③その方の書かれた中に日本の敗北の原因を21挙げてあるんです。 他の方が言われる事とやや重なっている部分もあるんですが非常に大きな特徴として精神的に弱い面があった事を挙げている。これは割合に人が指摘してないんですね。 むしろ横井庄一さんみたいに精神力対物質という捉え方をする
山本七平bot @yamamoto7hei
④これがまあ、非常に変なとらえ方でして、精神力と物質ってものは両方とも尺度が違いますから、対比できないんです。 この比較できないものへの妙なとらえ方ってのは、これ自身、非常に非科学的なんてすが、小松さんはやっぱり科学者だけあって、そういうとらえ方はしていない。
山本七平bot @yamamoto7hei
⑤【同情心というものがない】その精神的な弱点がなぜ出てきたかという中に「独りよがりで同情心がなかった」というのがあります。これは非常に面白い指摘なんです。そしてなぜそうなったかというと「日本文化というものが確立してないからだ」と氏は言う。従って日本文化ってのは「普遍性がなかった」
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⑥…他と文化的接触をして自分が色々の行動をした場合に反省する事ができなかった精神的な弱さとひとりよがりに加えて文化の確立がなかった。 従って文化の普遍性がなかったし、同時に反省する能力がなかったこれが日本がああいう状態になった一番大きな原因だと挙げておられるんです。
山本七平bot @yamamoto7hei
⑦…これは非常に適切な指摘だと思うんですが、戦後一向にそういう指摘がありませんで、これと全く違った捉え方がなされているわけです。 どういう捉え方かといいますと、例えば次のような例示あります。 あるキリスト教示の大学で毎年、新入生から「宗教」に関するアンケートをとってきた。
山本七平bot @yamamoto7hei
⑧そのアンケートの中で、つねに最大の比率を占めるのが 「自分は宗教を必要としない。そういうものがなくても生きて行ける。 しかし、だからと言って、否定しようとは思わない。 弱い者や不幸なもの、また老人や女性には必要なものだろうと思う。
山本七平bot @yamamoto7hei
⑨「だから、その点では理解もし、そういう人たちが何らかの宗教を信ずることに反対しようとは毛頭思わない。 それはそれでよいと思う。 しかし自分は必要としない」 という考え方だといわれます。
山本七平bot @yamamoto7hei
⑩【なぜ自分がそう考えるかの意識ゼロ】こういう考え方は非常に普遍的でほぼ普通の考え方と思いますが、しかしそう考える人に「自分がなぜそう考えるのか」という意識が皆無な事もまた普遍的なようです。 「…別に理由はないですよ。そう考えるからそう言っただけです」がほぼ共通の言い方でしょう。
山本七平bot @yamamoto7hei
⑪そこで、 そういう考え方は、吉田松陰の考え方とほぼ同じですが、あなたは自分の考え方が、伝統的な日本的な考え方だと思ったことがありますか と質問しますと、その人たちは一様に、非常に驚いた顔をします。 ときには夢からさめたような顔をする人もいます。
山本七平bot @yamamoto7hei
⑫松陰の考え方と申しましたのは、彼が獄中からその妹に送った手紙のことです。 この妹さんは松陰のことを心配しまして、 「安心立命のため法華経を読むように」 と言ってきたのですが、松陰はそれに答えて、(続
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⑬続>「自分はそういうものは必要としない。 しかしおまえたち弱い女が、それを読むことは否定も非難もしない。 それで安心立命が得られるなら大変に結構なことだ…」 といった返事を書いているからです。
山本七平bot @yamamoto7hei
⑭松陰は言うまでもなく当時の知識人であり、従ってこの考え方は日本の知識人…にはほぼ共通した考え方でしょう。 そして、そういう考え方は…比較的新しい時代にいわば徳川時代に則った考え方なので、そういう考え方があって少しも不思議ではないのですが、ここに少々困った問題も出てくるのです。
山本七平bot @yamamoto7hei
⑮と申しますのはその考え方をする人が自分の考え方がどこからきたのかという事に全く無関心、いわば自分の考え方を歴史的に把握し直す」という事をしない事です。 そこで「何故そういう考え方をするのですか」と問いますと「そうなのだからそう考えるだけだ」という返事しか帰ってこないのです。
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⑯【自分の考え方は真理だと信じている】としますと、その人にとって、この考え方は世界のどこででも、またいつの時代にも、絶対に反対される気づかいのない「普遍的な真理」になってしまいます
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⑰こうなりますと、それを、そういう文化的伝統のない社会の人が見ますと、「ひとりよがりで同情心がない」ことになります。 またそれによってどんな摩擦を生じても「自分の考え方」を「ある時代のある文化圏のある考え方」と把握しなおしていませんから、「反省」は不可能になります
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⑱同時にこれは、相手との対比の上で自分の考え方を説明できませんから、普遍性は持ち得ません。 それでいて、否むしろそれなるがゆえに、その人は、 自分の考え方は、全地球に通ずる普遍性をもっている と信じてしまうのです。
山本七平bot @yamamoto7hei
⑲そうなりますと、あらゆる現象を自分の判断だけで見ていく。その判断だけで相手に対する ということになり、時には大変に困った状態も現出するわけです。 従って ひとりよがりで同情心がない ということになりますが、これが非常に面白いことに、一見同情心に見えるものもあるわけです。
山本七平bot @yamamoto7hei
①その一例として、私の恩師ですが、塚本虎二先生が「日本人の親切」っていう面白い話をしておられるんです。先生は日本の聖書学、新約ギリシャ語学、ヘブライ語学等の基礎を建てられた方で、日中の古典に通暁されていた碩学ですが、一面非常にユーモアに富む、面白い方でした。<『比較文化論の試み』
山本七平bot @yamamoto7hei
②この先生が…下宿していた家のご老人は非常に親切な方でヒヨコを飼ってたのですが、あまりに寒かろうといってお湯を飲ませたところが皆死んでしまったという。 先生は 「君、笑ってはいけない。これが日本人の親切だ」 といっておられますが、これがですね、まさに日本的な親切なんです。
山本七平bot @yamamoto7hei
ひとりよがりなんですね。 ヒヨコぐらいですとまだいいんですが、新聞の記事に保育器の中の赤ちゃんが寒かろうといってカイロを入れて殺してしまって裁判になったという悲しい例もあります。
山本七平bot @yamamoto7hei
④【相手と自分を混同してしまう】学問的に言いますと、こういうのは感情移入と言うんです。 自分の感情を相手に移入してしまうそこにいるのは相手じゃなくて自分なんです。 自分は水を飲むのは冷たくていやだ。 するとヒヨコもいやだろうと勝手に感情移入をする。
山本七平bot @yamamoto7hei
⑤ああいう箱の中に入れられてカイロがなけりや寒かろうと、酸素を入れてある箱の中にカイロを入れる。 爆発して赤ちゃんが死んでしまった。 過失致死罪かなんかになりまして、まあ情状酌量になりましたけど、裁判官はこんないやな裁判はこれまでなかったという談話を発表してるんです。
山本七平bot @yamamoto7hei
⑥これはですね、自分の感情を充足する為の行為と、相手に同情するっていう事に区別がつかないからなんです。 なぜこういう事になってくるのか。 この二つがなぜ我々の社会ではっきり分かれないのか。 以上の例は事件が大きいですから眼を引きますけど、同じ事は実は年中行われているんです。
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コメント

ハマスホ @hamasuho 2014年8月21日
気持ち悪い。宗教なり人種なり何かのしがらみを持ってる人間だけでないと変われないと書いている。そういう人間はそもそも変わる必要がない。正確には変わる意識がいらず良い方に向くだけでいいから。そんなくだらない克己がいるのはキリスト信者と韓国人だけだ
Dai=Juno @bforest_ 2014年9月17日
前半は同意できる。後半は、文化の話でなくカイロを入れたらどうなるか分かっていれば、もしくは看護師に聞かなったための結果だとは思うが、聞かなかった理由も独りよがりからとするならおおよそ同意、かな。著書読んでみたい。
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