エア資源

資源の欠乏〈にもかかわらず〉大和魂で勝つ、という話が、資源が欠乏〈しているからこそ〉大和魂が発揮できる、というロジックにすりかわる倒錯も含めて、大和魂と気合い主義は通底している。
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結果不振選手批判はブラック企業の論理

(中略)
私は日本的精神論とは、(1)足りないリソース(資源)を気持ちで補わせる(2)全体的問題を個人の努力に押し付ける、だと考えている。結果が出せないことに批判が集まるたび、ここ数年続くブラック企業を想像してしまう。全体として足りないリソースを残業などの個人の努力で補う。「できる、できない」は気持ちの問題。それと似た空気を五輪の期間中も感じている。
http://www.nikkansports.com/sochi2014/column/tamesue/news/p-sochi-tp0-20140212-1256454.html

東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

1月号の「1冊の本」(朝日新聞出版PR誌)連載の鹿島茂「ドーダの文学史」、また「セカド」を引用していただいてます。今回はインテリ河上徹太郎×ヤンキー小林秀雄という興味深い対比。

2014-02-11 21:57:00
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

自己言及の隘路におちいった小林秀雄が、ランボーのヤンキー的解釈によって隘路を抜け出したと、鹿島さんはいう。まあ確かに小林秀雄の文章は気合入れないとわけがわからない。ポエムとして読めばわかる気がする。

2014-02-11 21:57:46
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

引用。「結論すればヤンキー的解釈とは、モデルのパフォーマティブな要素に、勝手に「かくあらん」と想定した通俗的なパフォーマティブな要素を代置したある種の再創造ということになる。したがって、それは必然的にバッド・テイストとなるほかないのである」なるほど。

2014-02-11 21:58:06
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

全モノノフ必読の名著『ももクロの美学』著者、安西信一さん逝去。ご冥福をお祈りします。享年53歳とは…それにしてもSAHは怖いなあ。http://t.co/iIFD23lQJw

2014-02-12 08:39:23
朝日新聞読書面 @asahi_book

「こうした分析へのあがきこそが、読者の中に眠っている「わけのわからなさ」への欲望を挑発する。そう、著者は「説得」に失敗しつつも「誘惑」には成功しているのだ」安西信一さんの「ももクロの美学」 の斎藤環さん評。http://t.co/giZDiRlHCf

2014-02-12 20:02:17
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

「気合だ!」ではじまり「税金泥棒!」でおわるムラ人応援団が大量発生していてまたヤンキー研究がはかどるでござるの巻。

2014-02-12 08:50:21
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

遅まきながら為末大氏の議論に同意。http://t.co/vfABnFEq3W 特に以下の部分。 「日本的精神論とは、(1)足りないリソース(資源)を気持ちで補わせる(2)全体的問題を個人の努力に押し付ける」

2014-02-14 22:53:18
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

こういう「気合い主義」の問題は、太平洋戦争当時の「大和魂」主義まで遡れる。「必死の精神で戦えば必ず勝つ」「大和魂は無限の資源」(by東条英機)とかなんとか。だから兵站もろくに考えない無謀な作戦がつぎつぎと決行された。インパール、ガダルカナル、ノモンハン。

2014-02-14 22:53:59
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

資源の欠乏〈にもかかわらず〉大和魂で勝つ、という話が、資源が欠乏〈しているからこそ〉大和魂が発揮できる、というロジックにすりかわる倒錯も含めて、大和魂と気合い主義は通底している。

2014-02-14 22:54:18
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

片山杜秀『未完のファシズム』(新潮社)によれば、日本軍は第一次世界大戦への参戦を通じて総力戦の意味を理解したはずだった。総力戦においては物質的に豊かな大国が圧倒的に有利で、精神論では絶対に勝てない。柔よく剛を制さない。

2014-02-14 22:54:37
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

だとすれば大和魂の使いどころは「局地戦を気合いで短期に決着させて総力戦に持ち込ませないこと」になるはずだった。このまっとうなロジックすらも戦争末期には「総力戦すらも大和魂で打ち勝てる」という倒錯に陥っていく。

2014-02-14 22:55:39
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

その意味では、たぶん気合いも使いようではあるんだけど、あまりに汎用性が高いと誤解されてすぎている。いくつかの個人競技では気合いも有効だろうけどね。個人の身体的限界を超えさせるべくごり押しされる気合い主義は、中間集団的プレッシャー(税金返せ!)に帰結しやすいんだろう。

2014-02-14 22:57:13
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

物質的に貧しいからこそ無限の精神力を引き出せるという倒錯的論理は、「空虚な中心」論とか「中空構造」とか、いろんなところに遍在しているね。なるほど、気合いはいまなお「無限の資源」と思われているわけだ。気合いだけにエア資源ってやかましいわ

2014-02-14 22:58:18