スノードーム

スノードームとDIO
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YON @yonlver2

そうしてDIOは今日も静かにそのスノードームを眺めている。美しい唇は弧を描き、険のあるまなじりが歪んで少しだけ穏やかに見える。 ジョジョ、彼は鼻歌でも歌いそうな上機嫌さでスノードームを見つめていた。 果たしてかの吸血鬼が見ていたものとは。 #memo

2014-02-15 16:48:00
YON @yonlver2

その中に何が入っているのか。何かいるのか。誰も知らなかった。知ろうという者もいなかった。DIOの周りに居る者は基本的にDIOに魅せられ、あるいは恐れ、または保身を気にかけるものしかいなかったからだ。 だからそのスノードームは誰に気にかけられることもなかった。 #memo

2014-02-15 16:46:01
YON @yonlver2

そのスノードームの中にはそれ以外何もない。雪の世界の中に埋まるちっぽけな屋敷。それがすべてだ。それはどこか古めかしく、懐古趣味のそしりをうけかねない。おおよそDIOの趣味には見えなかった。実際、友人がそれを指摘して疑問を口にしたことがある。しかしDIOは笑うだけだった #memo

2014-02-15 16:44:22
YON @yonlver2

DIOはそれを手に取りながら思索にふける。その置物はいわゆるスノードームと呼ばれるものであった。その中には液体と、白い偽の雪と、どこかの小さな邸宅が入っていた。それを手に取りじっと見つめるDIOの姿は、まるで自分の作った箱庭世界を見つめる神であった。 #memo

2014-02-15 16:42:51
YON @yonlver2

DIOは不思議な置物を持っている。彼はそれを毎日のように眺めている。そのほとんどは物思いにふけるように無表情だが、時々幽かに笑みを浮かべている時がある。その置物は、調度品の数々には似つかわしくないほど小さく、簡素で、脆弱であった。 #memo

2014-02-15 16:41:18