【コラム】「ロボットの操作」考察

創作における「ロボットの操作」に関する問題点や解決法、実現の可能性を個人的にまとめてみました。
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根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

26/72 前述したジャブに対しても、 これらの要素動作を加減することで実現できる。 内部筋肉稼動の加速・持続。支える骨格の動き。 これらのパターンを固定化することで、 また必要要素を変動可能とすることで、 比較的小さい動きの変更だけで現せるだろう。

2014-02-17 21:40:38
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

27/72 ジャブという基本動作をロックし、 拳を突き出す速度だけをスロットルで制御する。 この基本動作の切り替えによって 多彩な動きを再現することができる。

2014-02-17 21:41:54
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

28/72 おそらくだが、フルメタのASは これに近い機構を備えていると、作品を読んでいて感じた。 パターンの切り替えはコンピュータ(AI)に任せる部分が多く、 それでも人間の対応能力で操作しきれるかの疑問はあるが、 この形式が人型を動かせる可能性はもっとも高い。

2014-02-17 21:43:10
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

29/72 これの裏付けとして、 主人公である相良宗助が 旧式のAS〈サベージ〉に搭乗していた話を持ち出せる。 展開の中で技術者と宗助が それぞれにソフトウェアの調整を行うのだが、 この必要性と内容に前述した構造が意識しうるのだ。

2014-02-17 21:44:45
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

30/72 人型ロボの動きを実現するにあたり、 挙動ではなく内部動作の積み重ねで 実現するほうがよいと述べたが、 実行のためには内部動作を行う要素に対する特性の理解、 およびその連動における影響も考慮しなければならない。

2014-02-17 21:45:59
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

31/72 ユニット化された近代工学においては意識されにくいが、 実働させる者にとってはカタログ性能以上に気になる相性だ。

2014-02-17 21:47:20
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

32/72 自分の体で考えてもらえればわかりやすいだろう。 マニュアル通りにジャブの動きを真似ても、 筋肉のつき方や体格は人によって違う。 打ちやすい型や力の入る動きは人によって微妙に違い、 これを考慮しなければ最大の効率は得られない。

2014-02-17 21:48:36
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

33/72 作中のソフトウェア調整作業には、 この最適化を目的としている印象が見受けられる。 パンチではなく動きの基本動作に関する部分であろうが、 実働させているパイロット、 および直接整備している技術者でなければ 成しえない調整であろう。

2014-02-17 21:50:03
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

34/72 基本の動作パターンに対する物理的な特性、 および連動における微妙な影響を考慮したプログラムに、 かなり深いレベルのマシン語的調整を行っていたと感じた。

2014-02-17 21:50:56
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

35/72 もう一点あげるなら、 人型ロボットによる「発剄」を描いていたことだ。 ストーリーの中で、 宗助は自分よりもASの操縦技術で勝っている上官と出会う。

2014-02-17 21:52:11
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

36/72 彼は同系機の一対一において宗助を圧倒し、 その際に中国拳法を思わせる剄の打撃を叩きこんでいる。 ロボットものではなかなか珍しい。 特にテクノロジー面においてリアリティを感じさせる作品では、 気功的なオカルト感のある要素は持ち出さないのが普通だ。

2014-02-17 21:53:32
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

37/72 だが、剄の技術は科学的に説明できる 人体の力の利用法だ。 ボクシングのストレートや空手の突き、 柔道の投げや関節技と同じく、 理論をもって実現できる技である。

2014-02-17 21:54:43
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

38/72 我流ながら自分でも打てる。 剄と呼べるのかは分からないが、 サンドバックを接触状態から 並のストレート程度にズラすことは問題ない。 外観的な動きが小さいため説明と実感は難しいが、 人型のロボットであっても実現可能だろう。

2014-02-17 21:56:28
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

39/72 先にあげた内部動作、 筋肉の動きや骨格の稼動を正しく理解し利用できるのなら、 生体でない機械であっても発揮しうる力だ。 ただし、ここで上官が使った機体は、 人型に近くはあっても同じではない。

2014-02-17 21:57:58
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

40/72 少なくとも、脚部には跳躍力を高めるために バッタを参考にした機構が含まれていると明言されている。 剄は人体の構造を利用して力を収束・伝導させる技術なので、 人間と異なる構造でまったく同じ理屈を用いても 上手く力が流れない。

2014-02-17 21:58:59
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

41/72 しかし、前述したような内部要素の積み重ねであるのなら、 異なる機構の部分を考慮し、 力が流れるような動きを新たに重ねることはできる。 人体における剄ではなく、 「ASにおける剄」という 新しい使い方を構築することもできるわけだ。

2014-02-17 22:00:04
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

42/72 実際に上官はそれを実現したのだろう。 彼のすごいところは「ASで剄を打てること」ではなく、 「ASで剄を打てるように制御系を構築しなおしたこと」と言える。

2014-02-17 22:01:08
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

43/72 子供のころからASに乗って 戦場で活動してきた宗助は 類まれなるAS乗りであるが、 武術をはじめとした人間的な理解には深さが足りない。 人体の構造を知ってはいても、 その可能性の追求ということは行ってこなかった。 考えもしなかっただろう。

2014-02-17 22:02:19
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

44/72 あるものを経験から得た知識によりいかに用いるか こういった軍人的な発想だけでは辿りつけない境地といえる そこに行き着いた上官との関係性が 人間的成長につながるかと予感したのだが 本編の展開はより速かった このへんを重視して別の話を組み立てるのも面白いかもしれない

2014-02-17 22:03:54
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

45/72 別の作品では「パトレイバー」からも同様の意識が感じられた。 柔道の投げ技を使いこなしたり、 機体に可能な機動範囲を見極めて動いたりの部分である。 人間には不可能な動き、 機械としての性能も考慮した戦い方という点では、 フルメタよりリアルであったとも言えるだろう。

2014-02-17 22:05:08
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

46/72 ただ、論じてきた技術的な理由から、 レイバーの制御系で人間の動きを再現することは難しいだろう。 歩く、走る、曲がるといった基本の動きに対して、 オートバランスやOSの負担が大きすぎる。 あのサイズと利用法では実現するのは難しいだろう。

2014-02-17 22:06:32
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

47/72 人型ロボットの操作におけるもう一つの可能性は、 手足や体による入力ではなく、 意識そのもので操縦する方式である。 機体からの細かい感覚的フィードバックのみならず、 操縦者の意識と機体を完全に同期させ、 あたかも自分の体のように動かす、といった形式だ。

2014-02-17 22:08:02
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

48/72 「エヴァンゲリオン」とか代表的なところだろう。 パっと思いつくイメージではかなり有望そうな気がする。 操縦桿を握っているのもあるが、あれは演出的なものなのかな。 意識で動かせるのだとしたら、 人間の動きもトレースしやすそうではあるし。

2014-02-17 22:09:14
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

49/72 ただ、「出来そうだ」というイメージで 誤魔化されている感じもするのだ。 実感として比較できるものがないから、 「これで動く」と言われると否定しきれない。

2014-02-17 22:10:37
根無草 野良@『星典Ⅰ 創星記』発売中 @nenashigusanor1

50/72 この機構でなぜ適性に差がでるのか、 運動が得意なほうがよいのでは、 逆に運動が苦手なやつではダメだろう、 と思ったりもするのだけれど、 「問題ない」と言われてしまうと追求の手段がない。 論理的というよりは感情的なシステムという感じもする。

2014-02-17 22:12:15